物作りの考え方(設計論)

ものづくりに関して、持論がある。

これは美術品であっても、何かの製品であっても、レポートであっても、プログラムであっても、とにかく何か人に見せる構造物を生み出そうとするときには役に立つであろうことである。

・まず全体像をなんとなくイメージする。
・次に一番の肝になる部分をあらかた完成させてしまう。
・徐々に全体の構造を確定させながら、大枠→細かい部分を詰めていく。
・途中何かトラブルがあっても、それを楽しむ。
・適宜、参考となる物を、部分も全体もしっかり観察する。

一番肝心なのは、作品の「核」の輪郭を先にはっきりさせておくことだと思う。先に周りのものを作り始めても、大事な部分が確定しないと、結局無駄に終わってしまったり、あるいは方向性を見失ってしまったりする場合が多い。作品に血を通わせる心臓を先に作っておくことで、一貫性が保たれるのだ。
また、途中トラブルを楽しむということも大事である。ものが最初に思った通りに完成することはまずない。必ず途中で立ち止まる時が来る。その時、理想とのずれを嘆くのではなく、面白がることが大切である。途中起こる不確定な要因によって、その作品自体に思いもかけない味が出ることがままあるのだ。もちろん致命的な失敗は避けなければならないが、思い通りに物作りが進まないからといって、すぐに投げ出してはならない。その失敗は、わたしたちに学びをくれる。

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