BINDにみるアンチ2コントローラー「イニシエーターとしてのヨル」【VCJ 2024 S1 Mainstage Day2】


BIND2コンの強み

防衛

BIND防衛においては、AシャワーとBガーデンを容易に渡さないことが非常に重要な要素となっている。なぜなら、MIDが存在しないこのマップにおいて、両者をつなぐTPがどちらのサイドにとっても非常に重要であるからだ

(参考:Zinbow9様 バインドの攻めの全てがここに[Valorant解説] (youtube.com))

2コンにおけるヴァイパーはこの時、カーテンによって、BフッカーからAシャワー高めの位置まで1つの再使用可能スキルで取ることができる

攻撃

BIND攻撃においての強みは、他マップの2コン構成におけるヴァイパーと同じであるように考えられ、例えばAショートのカーテン・スモークセットアップによって、「いるかもしれない」という状況を作り出し、比較的簡単に相手を釘付けにできる。要するに、「エリアコントロールで釣る」ことこそが2コン攻撃におけるヴァイパーの強みである

(参考:【公認】ウィズさんちょきちょき【BlackWiz 切り抜き】様【VALORANT】2コントローラーを使う強み、理解してますか?なぜ大会で使われるか理由がわかる!現役プロの解説で学ぼう【BlackWiz 切り抜き】 (youtube.com))

VARREL vs Sengoku Gaming

ここで注目したいのが、VCJ 2024 S1 Main Stage Day2においてVARRELが見せた以下の構成である。


ヨル-Zepher
ジェット-Bangnan
スカイ-xnfri
ゲッコー-LOB
アストラ-BlackWiz

2デュエリスト,2イニシエーター,1コントローラー(敬称略)

完全にメタとして定着した2コン構成から打って変わってセンチネル抜きの、一見すると攻撃的なこの構成は、どのような動きを見せたのだろうか。

攻撃

VARREL(以下、VL)の攻撃において注目したいのは、やはりヨルである。前述の通り重要となるシャワーに対して、フラッシュTPなどの強力なセットを1人でも組むことが可能であるため、Sengoku(以下、SG)からすると非常に厄介であったことはそのプレイにも表れていた。

ヨルがよく単騎でシャワーを攻略、またはフェイクを仕掛けるのに対し、SG側はどうしても人数をかける必要があり、反対に手薄になった他のエリアに対して勝負を仕掛ける場面が多々見られた。しかし、この勝負には詰め待ちのような形で対応されてしまい、VL側はその後安全に取りやすいショートなどのエリアからゲッコー設置&アストラ遅延でラウンドを取得していった。中盤では、スキルでシャワーを守る場面も見られたが(ワイヤー・カメラ・ブリムスモークの計3つのスキルを開幕からシャワーに使用している時もあった)、その場合、サイト中へリソースが割けなくなり、SGは強力なセットによって苦戦を強いられた。(なんか普通にフィジカルで対応してたけど・・・)

この場合のヨルは強力なラーカーとしての役割をいかんなく発揮し、2コントローラーの強力なエリアコントロールを上回る制圧力を見せ、8-4で折り返した。

ラークを印象付けてスキルや人数を1か所に集めてプッシュを余儀なくし、本命サイトではゲッコー設置によって常に人数有利を保ち、トレードにおいて優位に立っていた印象を受ける。(SGがプッシュしない場合、つまりVLを入らせてしまう場合で上手く行っていたのは、ウルトでカウンターできた時だけだったように感じる)

防衛

防衛においては、スキルTPとマップTPを活かしたエリアコントロールが効果的に運用されていたように感じる。ヨルのBロングにTPを置いてAシャワーを体で偵察しに行く動きや、AショートからBフッカーへデコイを流して索敵を行い素早いエリアコントロールを実現しており、疑似的にヴァイパーのようなエリアコントロールを見せていた。さらにAショートのヴァイパーセットに対しては、ジェットブリンクとヨルTPを保険としたポケットスタックが光った場面もあった。

しかし、このように前目前目に対応するのはセンチネルが不在で、相手のサイトセットを止めるのが難しい状況であれば当然のことというようにも捉えられ、攻撃に比べて若干厳しい、フィジカル前面の戦いを強いられていたように感じる部分も大いにあった。

総括

2コントローラーメタをメタることにおいて重要なのは、さらにエリアをコントロールするという所にありそうだ。この時、イニシエーターの採用を増やしてさらに強力なコントロールを試みることが1つのアプローチであるだろうが、ブリーチなどと違って単体で完結しているヨルは、スカイが度重なる弱体化にさらされた今、まさに白羽の矢が立っているように思う。

現在(2024年2月末)のヨルに求められているのは、Youtubeやクリップでみるようなデュエリストらしい派手な動きではなく、イニシエーターのようにエリアを制圧する、静かで華麗なヨルなのではないだろうか。

あとがき

はじめまして、ばぼです。

初めてVCJ、VCTの試合への感想、および考察もどきを書きました。この記事は元々、PRXのブリーズヨル採用を見て感じたことや、身内カスタムのためにBINDを勉強した際に思ったことをまとめていたところから始まりました。

VL対SGの当該試合ももちろん、一通りは見たものの、じっくり細部まで見たわけではないので間違っている部分も結構あるとは思いますし、もう少し「これは何ラウンド目の話」と参考部分を明記するべきでした。

ランクを回すのに疲れてしまったので、とても良い息抜きになりました。ではまた。


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