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青葉台が好きになっちゃったお話。

 この写真、見たらにんげんが売っているのかと思いました。
 お値段は:

 その量の隠元豆としてはやや高めなのでどこの店かと思うかもしれませんが、明治屋です。

 憶えの限りでは私が明治屋で買い物をするのは生まれて初めてです。
 お買上げの品は:
  赤ワイン Le Cavalier, J.J.Mortier, FRA
  赤ワイン酢 PONTI, ITA
  日高昆布 奥井回生堂、福井県
  レモングラス 埼玉県
  子大豆もやし 芽ぐみ、サラダコスモ、新潟県

 もやしも昆布も今のところ残りがありますが袋を見て意外と消費期限が長いなということで買っておくことにしました。

 柿生に転居して一年三か月、青葉台は約4kmと近いのでよく来ますが今まで青葉台に明治屋があることは知りませんでした。

 私がいつも来るのは青葉台駅の北側に北へ通る環状4号沿で、青葉台駅前の交差点を西に入る通は来たことがありませんでした。
 最近に自転車を導入したことからその西通(仮称)に初めて入ってみると、何と!青葉台にも明治屋があるではあーりませんか!

 柿生に来るまでは青葉台には全く興味がなく、嫌いではないけれど印象の薄い町だと思っていました。
 近辺に若葉台が二つ(横浜市旭区と稲城市)あって名前がごくありふれていることや、同じ青葉区のあざみ野駅のような乗換駅ではないこと、次の田奈駅や長津田駅の辺がかなり田舎で何もなさげなことなどから、青葉台は近場に住まうたり勤めたりしていないとわざわざ出掛ける気にはあまりなりません。

 また、私はサラリーマン家庭の出身ではないので、一概に富裕とはいえども相対的富裕のサラリーマン家庭が主力の町といわれる青葉台(今はどうかは分かりませんが、)は若い頃にはあまり興味を惹かれず。
 この近辺ならもう少し貧富的に雑多なあざみ野や新百合ヶ丘が魅力と感じ、その望みを叶えて現に新百合ヶ丘・柿生に住まうている訳です。

 確かに青葉台はあざみ野や新百合ヶ丘と比べると若干洗練されていないところがあります。
 街並みからして青葉台の駅前は雑居ビルが多く、素敵感がありません。
 2000年に旧東急百貨店(かつての一頃は教会のある百貨店。その教会とは今は次の藤が丘駅の近くにある藤が丘聖ビアンネカトリック教会で、自前の聖堂が建つまでの仮設聖堂として青葉台東急百貨店の一角を間借りしていました。)に代わる青葉台東急スクエアが北側のUR青葉台市街地住宅との直通になったことから駅前の趣が少しは素敵な感じに変わっていますがそれでも街の姿そのものがどこか出不精なおばさん・おじさんのよう。
 街の姿だけではなく街を往く人々にも、出不精そうで鈍い感じなおじさん・おばさん・お兄さんが青葉台は近辺では最も多く目につきます。

 駅前を西へ真直ぐに延びる通に明治屋。
 駅前を西へ真直ぐに延びる通に紀ノ国屋のある吉祥寺とよく似ています。
 青葉台は吉祥寺ほど歓楽の頭数が豊富ではないのでいわば小さな吉祥寺という感じです。
 柿生と吉祥寺は同じ小田急バス(旧武蔵野バス)の町とはいえ遠くてなかなか行けないので、自転車で直ぐに行ける所に吉祥寺のような雰囲気の町があるととても助かります。

 助かるだけではなく、明治屋のある町と知ると、更に見る目が変わります。
 「やはりこの町は良い町だった。」ーー何やら「やはりこの人は神の子だった。」とのポンチオピラトの言葉のようですが、そう思うのであります。

 明治屋の裏手には青葉台の町が出来た時代を偲ばせるような古くてきれいな佇まいのクリーニング屋があったりします。昔のこれからという時代の力が青葉台にはまだあるよう。
 あまり大きな声では言えませんが、青葉台はこれから伸びる町だと見定めます。
 これまでは伸び続けていたけどもはや頭打ちなのではないのかと思われるかもしれませんが、いわば町の新陳代謝、と言うと優生思想やナチズムか何かと間違われかねないので大きな声では言えないということです。

 かなり豊かで知的だが印象や面白味の薄い、または若干頭の弱そうな町青葉台。
 しかし、それが面白い町になって来る。既になって来ている。「嘘!、やってる‼︎」
 恰も神の国の訪れのようであります。

 明治屋での初めての買い物をした今日の昼下がりは、六十歳ほどのおばさんが十五歳ほどの娘と散歩をしている姿を見掛けました。
 今時なら十五歳の祖母が六十歳とはほぼほぼあり得ないのでお婆ちゃまではなくお母ちゃまでしょう、髪を白く染めているのではなければ。
 今年で47歳になる未婚独身の私としては非常に勇気づけられる光景です。
 便利なだけではなく高級でもあり、高級なだけではなく心を打ちさえする町、青葉台。

 さて、先の地図の左端に「-井」の字が見えます。

 明治屋があるとなるとそれだけで町の好感度が上がりますが、成城石井があるとなっても町の好感度は何も変わらぬ十郎かさもなくば下がります。

 ここ柿生の近辺には、市が尾、成瀬と多摩中央に成城石井があることを確認していますが一度も行ったことはなく、成城石井は少し見てみたことは何度かあっても何かを買ったことは一度もありません。
 成城石井は新卒の就職の際に会社説明会に来たことがありますが、会での説明を聞いて受けるほどのものでもないと思い受けませんでした。
 当時からちらほら聞かれ始めていた言葉で言うと「化学的に合う/合わない」ということでもあるのでしょうが、成城石井も自負する隙間事業、niche businessというものが私は嫌い。
 その割には私が名古屋に住まうていた頃に成城石井が名駅にでっかく出来たりと、何かやっていることが隙間でさえなくないかとそこから決定的疑問(それまではそういうのもあるのだなという感じ。)。
 まさか「ニッチ」を「リッチ」のことと早とちりしているのか?、成城石井は‘00年代の富裕層向けの事業の流行に乗りながら、それを実際には富裕層向けに限らずに下方に拡張して大衆化を図っている凡そ最も下品な事業のあり方かと思うです。
 同じ理由であざみ野ガーデンズにもある北野エース(本店:兵庫県尼崎市)も嫌いです。

 その成城石井が青葉台にあるというのは何となく残念な感じですが、序でに見てみました。
 するとやはり…、商品棚がきつきつのぎっしりな置き方で品がない。
 出入口から見て商品棚が横向に展開しており、何がどこにあるのかが見えない(好きな人はそういうのを「何があるかな?」というわくわく感だというのでしょうが。)。
 品数の全然少ない明治屋の並びに出店してわざわざ負けに行っているかのよう。
 但し、パスタの棚にスピガドーロのスパゲティの3kg入があるのはキープ君かなと。3kgで六百円余とか計算してみればまじ安いじゃん、これはWAKUWAKUするし近場にはスピガドーロを売る店はないし。
 逆に明治屋や東急ストアがスピガドーロまたは3kg入のスパゲティを売れば成城石井は潰滅ということになる訳ですが、まあしそうもない。
 他にはキムチがそんなに高くなくてなかなか良さそうなことが青葉台の成城石井のつかむ点かな。
 そういうのが珍しいものだった昔ならともかく、今は成城石井にあるような物はAEONや小田急OXなどどこにも普通にあるし、既に事業型としては崩壊していてまさに隙間の方々の間の反響だけで持っているようだと見えます。

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