ゲルマン7年の軌跡 上 未

 心做し、一回目。一九〇六年八月。
日常を憂し屈せざる子生まれたり。頂点に感ずる所、みな揃いて行灯の暖かみと心得る。

 芍薬尊し、二回目。一九〇七年三月。
躍起、鼓舞足らずして血湧きたる所以に事欠かず。明瞭死水の並ぶる所、波仰々しく揺れ動く所、叡智として画廊を渡る。

 断頭危うく狼狽せし、三回目。一九〇九年五月。
轟に歌いたる美姿、

 

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