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La'cryma Christi の名曲 "偏西風"は何が凄いのか?ラルクやLUNA SEAからの影響についても考える

※本記事は下のYouTube動画の台本のようなものです。ぜひ音声で臨場感も含めてお楽しみください


曲の時系列順にサウンド面を考察

イントロは変拍子っぽい4分の4、Aメロが変拍子

サビ前のブレイクでドラムのフィルにフィルターかかってるのかっこいい。2回目は抜いてるところも憎い。

サビではめっちゃ和風。演歌っぽい。ライブでの手扇子も右左に揺れてダサい


おっさんぽいギターソロ。最後のフレーズにドラムのハイハットのフィルが合わせるところとかかっこいい!

そもそもギター2人のアンサンブルが凄い。HIROは縦横無尽に、しかしメロディアスに対旋律を弾いている。KOJIは開放弦のアルペジオを中心に、この曲の持つ浮遊感を出している。LUNA SEAのSUGIZO、INORANのアンサンブルをアップグレードした感がある。


なんと言ってもアウトロ。雪崩こむ。初めて出てくるメロディをツインギターで奏でる。鳥肌!!!この前のドラムがフィルで崩れていくところからもうかっこいい!

Aメロやイントロはつっかえつっかえなリズム、サビやアウトロは疾走感のある16ビートで踊れる。風がばーっと吹いた感じが表現されている。あっという間の5分、お見事!


歌詞の意味を考察!偏西風をタイトルにするセンス

偏西風って中学校あたりの理科で習ったのかな?むしろ普段の生活では全く使わない、発さない言葉。

勝手に中東あたりでしか起こらない現象だと思っていたが、普通に日本でも吹いているそうです。笑

恐らく恋愛の歌っぽい。今は会えない君を思って切ない、というのは雰囲気で分かるが「君を偏西風へ描きはじめ」がよくわからん!どういうこと?笑

とはいえ"偏西風"という言葉をタイトルに持ってくるセンスは凄い。被ってないし、一見雰囲気あるけどちゃんと調べたら別にそんなでもない、絶妙なワードセンスだと思いませんか?今後誰かが偏西風ってタイトルの曲出したら絶対に「ラクリマやん」ってツッコミが入るはず。特許取ったようなもの。


いわゆるV系が「中東」の雰囲気を出すのはラルクの影響では?

先ほどはツインギターの絡みからLUNA SEAの影響を感じると述べたが、「中東」の雰囲気を出すのはラルクの影響を感じる。Tierraで出てきた頃のラルクはモロッコでMVを撮影したり、サウンド面でも"Wind of Gold"ではレゲエ、"眠りによせて"ではボサノバを引用しつつ、エスニックな雰囲気を出していた。

この曲が出た(97年当時)はLUNA SEAはソロ活動中(河村隆一生誕)、ラルクはsakura逮捕からの復活の東京ドームの時期だ。

既に2バンドとも脱ビジュアル系的な雰囲気が出ている頃だが、デビューしたてのラクリマはバリバリ化粧してる。

バリバリ化粧しているが、いわゆる黒服ではなく、結構カラフル。今で言うアースカラー的な衣装を着たりしている。

西洋だけでなく中東らへんの雰囲気を出しているのが面白い。ロックといえばUKやUSが中心。特に今ほどネットもないのでそれ以外の地域についてはあまり音楽が届かない時代だったし。

ラクリマには他にもズバリなタイトル"南国" "Lhasa" "イスラエル"といった楽曲もある。私が不勉強なのかもだが、この辺の地方を題材に持ってくるのはかなり衝撃的だった。(間奏でコーランの逆再生が使われていて回収騒ぎになった1995年リリースのBuck-Tickの"楽園"という問題作はあったが)


未聴の方はぜひ聴いてほしい!スタンダード化しつつある名曲

V系の後世に残る名曲として必ず名が上がる"偏西風"。メジャーデビュー曲のカップリングなのにここまで浸透しているのは楽曲自体に魅力があるから。

未聴の方はぜひ聴いてください!

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