2022年中小企業診断士1次試験を解いてみたメモ:財務会計編
2022年中小企業診断士1次試験、私は去年受かっていて今年保険受験するつもりがなかったので実際には受けていない。公開されている「B 財務会計」の問題にトライしてみたところ72点だったので、解答の際にどのようなことを考えていたのかを記してみた。
なお、以下は自分がどう考えて解答を導き出したかを書いたものなので、書いてあることが正しいとは限らない(つまり私が勘違いしている可能性がある)点には留意いただきたい。
解答手順
第1問
当座預金残高の調整。
簿記の試験の時にこういうのを少しやった気がするが、理解は浅い。
どういった性格の数字が調整に含まれるべきか。
結局全部コミコミで計算してエとしたが、正解はイであった。
第2問
A店:
(資産)建物 800 / (資産)現金 800
なので、資産額変動なく 2,000万円。
B店:
(資産)建物 800 / (資産)現金 400 +(負債)借入金400
なので、資産額と負債が +400。
C店:
(資産)建物 800 / (負債)借入金 800
なので、資産額と負債が +800。
この時点でイしか残らぬ。
第3問
収益認識。簡単に言えば「売れて、お金が入ってくることが確実になった」と言えるタイミング。「確実」といえるのは債権の取得くらいの確実性。
なので、ア:まだ売れてない。イ:売れた。ウ:まだ「気に入った。買う」と言われてない。エ:本チャンの売買契約まだ。
ということでイ。
第4問
この辺も簿記でやったなあ。記憶あやふや。
ア:決算日だったかなあ。決済日だった気もする。
イ:営業外損益…。損益計上するのか、BSに直接計上するのか、悩む。
ウ:決算日レートで換算。それっぽく聞こえる。
エ:いや、それは違うだろ。なんか決済日と決算日でそれぞれ仕訳るようなイメージの記憶が。
ということで、ウとしたが正解はイだった。
第5問
無形固定資産。
ア:販売目的の場合は償却した気がするが。受注制作で償却するなら、今の私の会社の扱いは間違っていることになる。
イ:人的資産は算定困難じゃろう。
ウ:これだな。
エ:定額法以外見たことないぞ。
ということでウ。
第6問
非原価項目。
減価償却費と仕損減損系は原価じゃろ。
貸倒引当金も支払利息もどちらも非原価ぽいが…。
貸倒引当金は売り上がった後の話だから、こっちが怪しいかな。
ということでアと答えたが、実際はエだった。
うーむ。
第7問
繰越欠損金は、次期以降の益金から控除できる。
ということで税効果会計だな。
次期以降の税額を減らせるので、繰延税金資産。
ということでウ。
第8問
これは簡単。
事業主負担の社会保険料は法定福利費。イ。
第9問
退職給付会計。簿記の悪夢が蘇る。
理論はあやふやだが、個別に見ていく。
ア:違和感ない
イ:違和感ない
ウ:違和感ない
エ:相殺できた記憶があるぞ…。
あやふやだが、エ。
第10問
自己株式。純資産の部にマイナスで計上する。…という記憶。
ア:他社株式はそんな計上しない。
イ:合っているっぽい。
ウ:増加するのでは。
エ:変化しないのでは。
ということでイ。
第11問
X1年4月に取得して、X6年3月だから5年経過。
耐用年数10年で現在216,000円だから、取得価額は216,000 x 10/5 = 432,000
ということでエ。
実際にはウ。そうか、216,000円は決算整理前のだから4年経過時の数字に相当するか。なので正しくは 216,000 x 10/6 = 360,000円。くそー。
第12問
直接原価計算、なんだっけ…?
とりあえず変動費は販売個数倍すればいいのはわかる。
固定費の扱いだな…。これも生産量に対する販売量ぶんだけ計上するのかな。
ということで、計算式は、
売上高 1000 x 800 = 800,000
変動費 (240+160+100+100) x 800 = 480,000
固定費 (200,000+50,000) x 800/1,000 = 200,000
営業利益 800,000 - (480,000+200,000) = 120,000
…選択肢にないぞ。
うーん、販売費は売れた分だけ計上されているのかな。だとすると、
固定費 200,000 x 800/1,000 + 50,000 = 210,000
営業利益 800,000 - (480,000+210,000) = 110,000
エだな。
…え?ウなの?製造間接固定費も按分しちゃだめなのか。
損益分岐点売上高。
販売個数を X とすれば、
1,000X = 600X + 200,000 x X/1,000 + 50,000
これ解くと X = 250。なので損益分岐点売上高 = 1,000X = 250,000円。
…選択肢にないぞ。
時間があれば設問1と整合と考えながら選ぶ(最終的には「固定費を配賦する必要がない」と結論して、70,000円と625,000円を選んだだろう)のだけど、試験ではたぶんその余裕がないので、当て推量で答えを出す。
エの800,000円は設例そのままなので流石にない。400,000円はちょうど半分なので数字が綺麗すぎ。となると500,000か625,000か。明らかに625,000円という数字は解像度が高く「誘っている」感がある。ここではその感覚に乗るとしよう。ウ。
第13問
条件を素直に空欄に入れていくと、上から 960, 15,000, -460, 10 となる。
6月末に200万キープしたいので、190万調達する必要がある。
借入時に5%分支払うので、借入額の95%のキャッシュが手に入ることになる。なので、190万 / 95% = 200万の借入。イ。
要は6月末に190万だけ多くのキャッシュを残す方法はどれか、という問い。
ア:300万のうち150万を7月に延期する→150万のプラス
イ:540万のうち400万だけ支払いあとは延期→140万のプラス
ウ:960万のうち半分だけ支払いあとは延期→480万のプラス
エ:5月に受け取る現金は増えるが、その分6月の現金収入が減る→変化なし
ということで、190万以上増やせるのはウ。
第14問
キャッシュインはこんな感じ。
2020/07頭 現在
2021/06末 利息10
2022/06末 利息10
2023/06末 利息10
2024/06末 利息10
2025/06末 利息10+元本200
なので、10 x 5年年金現価係数 + 200 x 5年現価係数 = 208.9万。エ。
割引率は4%を用いるとあるので、係数も4%のものを。
第15問
相関係数が 0 なので、分散は単純和でもとまる。
なので全体の標準偏差 = sqrt( ( 10^2 + 20^2 ) / 2 ) = 15.8%。エ。
なぬ。ウだと…。
数式から察するに、sqrt( (10/2)^2 + (20/2)^2 ) = 11.2% だよな。
等額投資にしては標準偏差がYのそれにより過ぎな感じかしてしっくりこないが。
あとで調べておこう。
第16問
うーん、記憶が既に微かにしか残っていない。
ア:AとCが同じ扱いになるとは思えない。(標準偏差がほぼ同じなのに収益率が違う)
イウ:リスク回避度が高ければ標準偏差が小さい方に寄るだろう。
エ:消去法でこれ。安全資産の考え方は完全に忘れている。
第17問
サステナブル成長率、初耳。
純資産の成長=純利益ー配当流出=120万円。
内部留保=第一感では剰余金あたりのイメージだけど、それは与えられていないので、純資産と考えて良いよね?
ということで、120/1,000 = 12%。エ。
第18問
んー。わからない用語が多いな。
クリーンサープラスは簿記で勉強したが理解は失われている。
配当性向が高い=利益のうち配当流出する割合が大きい=次年度への投資に回る額が少ない=長期的には企業価値の上昇が鈍い=株式価値低下。
ということでアではなかろうか。
第19問
これもわからない語は多い。
ア:時価=再調達時価だよね。たぶん合ってる
イ:売上高じゃなくて利益額じゃね?
ウ:簿価は客観性低いはず。
エ:非上場に限らなくて良かろう。
というわけでア。
第20問
先物・先渡について。
株の先物をかじったのでその知識で解く感じになる。
ア:満期日近づくと、先物と現物の価格は近づいていくはず。
イ:取引金額って何を指すんだろう…。
ウ:「建玉は値洗いされる」の意味がよくわからない。
エ:先物も先渡も、なんというか順序が違うだけで同じヘッジ手段であることには差がない、という気がする。
わからんがイとした。正解はウのようだ。
第21問
お。これは2次試験にも関係しそうだ。
a:回収後のキャッシュフローを見ないとなんとも言えないよね。
b:回収期間法の弱点だね。
c:んなこたーない
d:率だけで評価すると絶対値では不利な投資をしてしまうかもね。
ということで、b,d のエ。
第22問
うーん、知らない。
ア:わからん
イ:確実な何かに基づいて評価するんだろうから、不確実性が高ければ期待値は減るのでは。
ウ:逆じゃね?割引率にリスク分上乗せして、現在価値を小さく見積もるんじゃない?
エ:違和感なし。
ということでエ。
第23問
配当生活には憧れます。
ア:利益額のうちどれだけを配当に回すか、が配当性向だよね。
イ:配当額を決める要因に利益額の影響を受けるものがないから、そうなる。
ウ:いやいや、変動する利益に対して固定(かも?)の投資額を留保するんだから、配当性向も動く。
エ:んなこたーない
イ。
総括
まとめると、
ちゃんとわかってて正答:2, 3, 7, 8, 10, 13, 14, 21, 23
消去法で正答:9, 16, 19
推論で正答:5, 17, 18, 22
当て推量で正答:12-2
誤答:1, 4, 6, 11, 12-1, 15, 20
でした
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