2022年中小企業診断士1次試験を解いてみたメモ:企業経営理論編

2022年中小企業診断士1次試験、私は去年受かっていて今年保険受験するつもりがなかったので実際には受けていない。公開されている「C 企業経営理論」の問題にトライしてみたところ70点だったので、解答の際にどのようなことを考えていたのかを記してみた。

なお、以下は自分がどう考えて解答を導き出したかを書いたものなので、書いてあることが正しいとは限らない(つまり私が勘違いしている可能性がある)点には留意いただきたい。

解答手順

第1問

早速わからん。
ア:多角化が一貫して上昇…ってことはなかろう。
イ:多角化が進むと無駄がでてきて非効率になるだろう。
ウ:会社規模での多様性が増すので成長性は上がるのでは。
エ:狭義の相乗効果は無形資源の多重利用。
オ:イの反対…かな?
答えはオを選んだ。

第2問

PPMか。分類はなんとなく覚えているが、その先は理解が浅い。
ア:花形は成熟?した事業であろう。
イ:負け犬は撤退…だったと思う。
ウ:確かそうだった気がする。シナジー。
エ:事業じゃなくてマーケットの成長率だった気がする。
オ:シェアだった気がする。
答えはウを選んだ。だが正解はイだった。(ー2)

第3問

あやふやキーワードのオンパレード。
ア:PEST=Politics, Economy, Society, Technology ということで収まりは良いな…。
イ:1つで十分、という話ではなかろう。
ウ:資本(Capital)じゃなく自社(Company)では。
エ:うーん、わからん。だが妙に細かく具体的過ぎてトラップのにおいがする。
オ:成長性ではなくネガティブな要因だったはず。
答えはアを選んだ。

第4問

設問1
相対シェアってなんだ?とりあえず30%ではないのだろう。
何を分母にする?
A〜D?いやいや上位4つというのは恣意的すぎる。
となると、トップシェアとの比率か?
30%/45% = 0.67 でウ。

設問2
製品技術があるということは、高付加価値で勝負かな。
となると、イウエオは的外れ。アだな。

第5問

M&A。そんなに詳しくない。
ア:それはTOBじゃなくてLBOではなかろうか。
イ:黄金株、実際にはどれくらい使われているんだろうか。
ウエ:わからん。そういう手法はありそうだが、名前が合ってるかどうか。
答えはイである。

第6問

垂直統合。材料〜製造〜販売のどっかをくっつける系だな。
ア:統合してるとは言えまい。
イ:販売の出口が1つから2つに増えただけだな。
ウ:販売していた一部を自社にくっつけたわけだ。コレ。
エ:これも出口が増えただけ。
オ:材料の仕入れ先が増えただけ。
答えはウ。

第7問

知らねー。
でも4つのCは家族経営の「良いところ」の列挙に見える。その辺りが鍵か。
ア:強化というコンセプトは違和感ないが、「最も」と1つに絞るのはどうだろうか。一応保留。
イ:利害関係関係なさそうだけど。例えば継続性が利害関係調整にどう役立つ?
ウ:ファミリービジネスと、所有と経営の分離とは相容れまい。
エ:うーん、もっとものような気もするし、ネガティブなところは考慮していないような気もするし。こちらも保留。
悩んでエイヤでエにした。正解はアだそうだ。(ー3)

第8問

エフェクチュエーション?知らねー。
「経験豊富な起業家の行動」あたりから攻めるとしよう。
起業時の不安定不透明な状態での行動…のようなイメージかな。

ア:事前にわかっている?それはフィットしないな。
イ:競合分析・市場分析…。起業というより少し成熟してからの話に思える。
ウ:不明瞭。きた。これかな?
エ:目的から手段へ遡れるなら、ある程度ロジックが明瞭なはずで、起業家的行動はあまり求められないのでは。
オ:選好順位が明確。明確、というのもフィットしないな。
ということでウ。おお、合ってる。

第9問

お。イノベーションのジレンマ。これはある程度わかる。
アイ:新しいヤツが、最初は規模も性能も小さくて既存の連中からは軽視されているんだけど、そいつのポテンシャルはすごくて、一気に既存のを追い抜いていくんだけど、既存のは図体がデカくなり過ぎていてそれに対応できず滅んでいく。…というストーリーで理解している。どっちもマル。
ウ:利益についてはどうだったかな…。ちょっとわからん。
ともあれ、アイがマルなのはアだけなので、これが答え。

第10問

知識創造理論?しらん。
組織的な知識創造を進めるか邪魔するか、ね。ほう。
ア:経営者の思い、まあどっちにも作用するんじゃない?
イ:構成員の自律性。統制取れなくなるかもだけど、ごちゃっとした中から新しいものって生まれるんとちゃう?
ウ:情報の共有はコミュニケーションが円滑になる方向であろう。
エ:複数の役割、多面的な考え方。これは良い方向に作用しそう。
オ:暗黙知共有まで外部接触なし?そりゃタコツボ化するだけでしょ。
一番それっぽいのはウ。

第11問

海外進出。
ア:ブラウンフィールド知らない。完全子会社を使う方法が多用されたかどうかも知れない。なので判断不可能。
イ:買収は子会社設立よりは時間がかからないと思う。
ウ:すべての企業が出資までする必要はなかろう。
エ:色々勝手にやられてしまうリスクは当然想定すべき。
なのでオかな。

第12問

ISO26000。CSRねえ。
ア:ISO独自でJISに対応するものがない?
イ:マネジメントシステム…?あまりCSRっぽくないな。
ウ:業種を問わず。なんとなく違和感ない。
エ:10億米ドル以上?会社規模で限定する理由がよく分からない。
オ:株式会社に限定する理由がよく分からない。
答えはウ。

第13問

組織形態。
ア:トップが大変なのは機能別組織ではなかったか。
イ:合ってそうな気がする。
ウ:プロフィットセンターとしては管理しないのでは。
エ:重複させてあるとメリットそがれそう。
オ:ライン組織ってどんなのだったっけ…?
とりあえずイにしたが、正解はオ。くそ―。(ー2)

第14問

無関心圏。うーん、意味は分かるがどういう性格のものとして扱うか。
ア:そればっかやるなら、やらない(=無関心になる)エリアは広がりそうである。
イ:無関心圏は無視されるのかな?よくわからん。無視されるとしても、だからと言って小さくすべしとはならないだろう。
ウ:これが問題。無関心だからやらねーなのか、無関心だからどうでもいいなのか。ウはどうでもいいというスタンスか。
エ:イともつながるけど、負の影響とは限らないと思うよ。
オ:ウの逆だな。無関心だからよほどのことがないとやらねー。
うーむ、ウかオかで悩む。オにしておこう。
…なに?ウだと?ぐぬぬ。(ー3)

第15問

渉外担当者。
ア:これは言えてる。外から何かを持ち込む役割を果たすことありそうだもんね。
イ:いやいや、代表権までは要らないでしょ。
ウ:前半はそうだと思うけど、後半はダメだね。前半の目的を果たすためには組織外の人との親和性も作っていかないと。
エ:それはただのメッセンジャーで、渉外になってない。
オ:ちょっと何いってるか分からないけど、権限関係で組織間の調整というのは違和感があるね。
答えはア。

第16問

動機づけ理論。ほとんと分かってない。
ア:職務成果と報酬のつながりが明確=評価基準の透明性、というのは合ってそう。ただそれを期待理論と呼ぶのかどうかは全くわからない。「○○とは、□□が△△というものである」は後半が正しく、かつその名前が正しくないとマルにならない厄介なタイプの選択肢。
イ:「公平理論では、公平に処遇するとみんな頑張る」という、なかなか薄っぺらい内容。あたりまえすぎて逆に選びづらい。
ウ:それをどう呼ぶかはともかく、後半は間違っているでしょう。
エ:達成要求が高い、人の欲求は「ゴールへ到達」なのか「難しいゴールへの到達」なのか。前者ならマルっぽいが、後者じゃないかなと思う。
オ:生来的に仕事が嫌い、は正しくないと思う。
答えとしてアを選んだが、正解はエ。うーむ。(ー3)

第17問

政治的行動。
ア:上がやるなら下もやるぞ。そりゃそうだ。
イ:既得権益失いそうなら政治的行動、しがちだろうね。
ウ:役割曖昧で解釈の余地があれば、なんか理由つけて政治的な動きを見せてもおかしくない。
エ:数少ないチャンスの奪い合い、も政治的行動のきっかけになるだろう。
オ:ゼロサム基準だと勝ち負けは曖昧どころか超明確ではなかろうか。
ということでオ。

第18問

組織のライフライクル。
起業者→共同体→公式化→精巧化。ふむ。
イメージ的には、ざっくりと、立ち上げる、回り出す、規模拡大、効率改善、と言った感じかな?

1:リーダーシップの元。起業者やろ。
2:利害関係者との関係。精巧化かな。
3:安定性、統制、生産性、規則と手続きの整備。公式化だろう。
4:新たな資源獲得と環境適応。共同体?
ということでウ。
正解はエか。共同体、起業者、公式化、精巧化、か。(ー2)
確かに、3と4は組織の安定性と統制とか言ってるから、組織として安定している後半の2つになるか。起業者と共同体の区別は難しいな。「職場集団」というキーワードからすると、あるていど組織化されつつある感じのイメージだろうか。

第19問

スラック。余りというか無駄というか。
ア:前後の因果関係がよくわからないな。余りが増えると満足度上がるのでは?
イ:余裕がない場合、立てる戦略のリスク要因が増える…気がする。でもリスク「志向」とは違うのかも?
ウ:逆でしょうな。取り合いになりにくくなるぶん、コンフリクトも減るはず。
エ:後半はそうだと思うけど、前半は逆では。余ってる資源を活用して革新をスムーズに進めるとかできそう。
オ:アとオは逆のケースの話だな。やっぱり因果関係が良くわからない。
自信はないがイとした。正解はアらしい。(ー3)
なんでスラックを増やすと満足水準上がらずに済むの?

第20問

個体群生態学モデル?しらねー。
ア:まあ、そりゃそうでしょうね。
イ:とにかくうまいこと動的に組織を変えていくのが良い、ということかな。だとすると後半はダメだよね。
ウ:これも後半は逆では。
エ:いやー、変異ってのは既存のものの一部改変版だから。
オ:前半と後半で矛盾してる…。
生物と同じような発想で行けば簡単かも?ア。

第21問

職務再設計?勤務形態?わかるようなわからんような。
ア:顧客と直接というのが良いのかどうかは人それぞれって気もするが。
イ:職務拡大、意味忘れたなあ。権限を増やすということで合ってそうなイメージ。
ウ:権利を保証、は言い過ぎの気も。
エ:ジョブローテションは垂直方向の拡大ではなかろう。
オ:逆じゃね?自部門内だからこそ他部門の事情を気にせず時間を選べるのでは。
ということでイとした。アですか…。そうですか…。(ー3)

第22問

人事評価。
ア:360度評価。範囲を絞らないのがミソなのでは。
イ:むしろ顕在化したものを対象に評価するのでは。
ウ:違和感なし。
エ:そらアカンやろ。
オ:360度評価とかと真っ向対立だね。
これはウでしょう。

第23問

労基法。毛色が変わった。
ア:労働者側に30日求めるのは酷ではなかろうか。
イ:そんな話を聞いたことがある。
ウ:前半は分からないでもないが、後半は無茶でしょう。
エ:うーん、さすがに全部は無効にならないのでは。
ということでイ。

第24問

就業規則。
ア:そんな制約あるのか。知らない…。
イ:いやいや、記載する必要あるでしょう。
ウ:そんな話を社労士に聞いた覚えがある。
エ:いやー、パソコンで見られるならそれでよかろう。
ということでウ。
正解はアですか。ウは記憶違いか…。(ー2)
「同意を得る」ではなく「意見を聞く必要がある」なのか。意味あるのかこれ?

第25問

労基法引き続き。労災関連。
ア:初日からでないの?
イ:うーん、正誤はわからんけど、これが誤だったら困ることもあるだろうなという気はする。
ウ:逸脱はアカンのでは。
エ:一時金と年金では年金の方が厚いよね。だとすると「軽い方から」ではないかな?
ということでイ。

第26問

労働組合法。
そういえばこの辺りの法律は経営法務ではなくこっちで出題なんだね。
ア:なんとかショップってやつでしょ?
イ:労働者保護という意味では書面を要件にすべきでしょう。
ウ:まあそうでしょうな、という感じ。
エ:逆だろう。
答えはウ。

第27問

準拠集団?知らぬ。
ア:いやいや影響関係しそうじゃない?
イ:うーん、分類されるのはそうかもって気がする。理想集団?うーん?
ウ:前半はそんな気がする。名前が価値表出的影響というのかは知らない。
エ:前半はそんな気がする。でも情緒的影響を功利的と呼ぶのは違和感あるな。
ウにしておこう。

第28問

ブランドの話。
ア:メリットもあるだろ。
イ:言ってることは正しいと思う。
ウ:後半もそれなりに意味がある調査なのではなかろうか。
エ:成分ブランディングとか、あるよね?
オ:PBは大手こそなのでは。
きっとイだろう。

第29問

(設問1)
ア:まああり得る話かな。
イ:ギッフェン財おひさ。でもこの説明はギッフェン財ではない。
ウ:一物一価はそういう意味じゃないだろう。
エ:ブランドも大事。
オ:前半は合ってそう。プロスペクト理論?知らん。
ということでア。
(設問2)
ア:うーん、どっちも価格シグナリングなのかなと思う。
イ:前半も後半もなんか怪しい。
ウ:赤字必須とまでは言えまい。
エ:価格アンバンドリング…という名前となんとなくフィットしない。
オ:まあそうだよねという感想。
無難そうなオを選ぶ。

第30問

流通チャネルの構造?知らんがな。
ア:開閉基準。言葉の意味は知らない。イメージ判定でいくと、広狭基準と比較すると、開くか閉じるかの 1-0 のような気がするので、ちょっと違うように思える。
イ:広狭基準。言葉の意味は知らない。イメージ判定でいくと、前半はなんとなくそんな気がするが、後半の「〜に分けるために用いられる」というのがなんか違和感がある。
ウ:長短基準。言葉の意味は知らない。イメージ判定でいくと、長短は物流の長さを指すということで、しっくりくる。
エ:付加価値基準。言葉の意味は知らない。イメージ判定でいくと、卸と小売の比較はあまり関係ないのではなかろうかと思う。
ということでウとしたのだが、正解はイとのこと。(ー3)

第31問

リレーションシップマーケティング?はて?
ア:すごくそれっぽいことが書かれている。
イ:RFMのRはRecencyではなかったか。
ウ:んなこたーない。悪評リスクがあっても判断に用いて良かろう。
エ:んなこたーない。BだろうがCだろうが顧客は顧客かと。
てな訳でアを選んだ。

第32問

(設問1)サービスについて。
ア:もっともらしいことが書いてある。
イ:真実の瞬間というかどうかはわからないが、その時感覚が鋭敏になるとは思えない。
ウ:デジタルだから一定?んなこたーない。
エ:解消されつつある、は言い過ぎかと。
オ:信用財の意味はしらんが、そういう意味ではないと思うんだが。
それっぽいアとしよう。

(設問2)顧客満足について。
ア:可能性は低い。低いのかなあ。低いかもしれぬが、基準なく低いと言われても…。とは思う。
イ:すべて実現?そりゃ無理でしょう。
ウ:事前に把握は難しいでしょう。
エ:いやいや、みせかけロイヤルティってやつもありうるよね。
オ:顧客満足も一つの評価軸になるかと。
どれも嘘っぽいが、アかな。

第33問

製品ライフサイクル。
ア:衰退期の顧客のロイヤルティは高いと言えるか。うーん、わからん。
イ:成長期に顧客ニーズの多様性に対応するか?あまりしないのでは。
ウ:確実に予測?そういうものではあるまい。
エ:いやあ、理由というか目的があってやるんでしょ?
オ:前半は合ってそう。それをなんと呼ぶかは知らない。
目をつぶってオを選ぶ。アが正解らしい。(ー2)

第34問

(設問1)典型的な開発プロセスね。
アイデアスクリーニングはコンセプト開発より前だろ。
事業性の分析はアイデアスクリーニングより後だろ。
事業性の分析とプロトタイピングがどっち先かは微妙だけど、市場テストとプロトタイピングの間に事業性分析は入らないだろう。
ということでイ。

(設問2)新たな開発プロセスですか。
ア:方法論としてはそういうのはありそう。ユーザーイノベーションと呼ぶかどうかは不明。
イ:そんなのんびりやってたら機会損失しかねんぞ。
ウ:逆やろ。
エ:全段階で同時進行、は言い過ぎでは?
ということでア。なに?エだと…。(ー2)

第35問

無形性、流動性、所属性、みたいなイメージ。
ア:移り気で気まぐれと「ソリッド」という語はそぐわない。
イ:モノに執着しない。
ウ:一貫していない。
エ:これ。
オ:長期所有はあまりはやらんのでは。
なのでエとしよう。

第36問

地域ブランド。
ア:隣接してなくてもええやん。
イ:自治体組織?んなこたーない。
ウ:間違ってない気がする。
エ:全国ナンバーワンを探すのは大変ぞ。
オ:いやいや、広い目で評価しましょうよ。
ということでウ。

第37問

サービスマーケティング。
ア:んなこたーない。
イ:直接は関係ないと思う。
ウ:期待値を均一にするなんて無理でしょ。
エ:5つをSERVQUALに対応づけるのが難しいのだけど、難し過ぎて逆にそれが本当なのではと思えてしまう。
あえてエとしよう。

総括

まとめると、

  • ちゃんとわかってて正答:4-2, 5, 6, 9

  • 消去法で正答:1, 4-1, 27, 28, 29-1, 29-2, 31, 36

  • 推論で正答:3, 8, 10, 11, 12, 15, 17, 20, 22, 23, 25, 26, 32-1, 32-2, 34-1, 35, 37

  • 誤答:2, 7, 13, 14, 16, 18, 19, 21, 24, 30, 33, 34-2

でした

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