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アーモンド
〜あらすじ〜
生まれつき扁桃体(アーモンド)が人より小さく
感情が分からない主人公ユンジェ。
彼は母と祖母が通り魔に襲われた時も、ただ見つめることしか出来なかった。
"普通の子"に見えるように訓練してくれていた母も植物状態になり、ひとりぼっちになったユンジェ。
そんな時に出会った激しい感情を持つ少年ゴニ。
その出会いがユンジェの人生を大きく変えていく…
〜感想文〜
私はこの物語を読む前、主人公が感情がわからないことによって起こる、苦悩や問題が書かれた作品だと思っていた
しかし物語を読み進めていくにつれ、この感情がわからないというのは、私たちもみな同じなんじゃないかと感じた
当たり前のように腹が立つとか、楽しい、哀しい、愛しい、かわいそう、寂しいと口に出して言うけれどそれって一体なんなのだろう
そう思っていた
人は人と関わり何かを感じる
その感じるものに名前を付けている
それが怒りだとかそれが哀しみだとか
名付けられた感情と繋げていく
私たちの感情はみんな愛情によって出来ていると思う
怒りも、哀しみも、喜びも、楽しみも、他のものもすべて
守りたい人がいたり、大切な人がいたりするから出てくるんだと思う
1人では何も感じない
喜びすらも感じないだろうな
みんなユンジェと同じだ
好きという感情はなんだろう
よく考えた
それも本書を読んで
なんとなく少しだけ分かった気がした
どこか頭に浮かぶ、胸が少し動くような時間を過ごした記憶
そしてとても気持ちがいいようなものではなくて出来ればなくなってほしいような、この胸のモヤモヤがそれなのではないかと思う
わずらわしいモヤモヤもなくなってほしいけどなくなってほしくなくて
これとうまく付き合うにはどうすればと悩む
そして1人では出来ないこのモヤモヤの解消を一緒にしていく人がいたりして
それが恋愛というやつかななんて
こればっかりは1人ではどうしようもないから
仕方ないこともたくさんあるなあ
本書を読みながらいろんなことを考え
一気に書き留めていった
さっき最後まで読み切ったばかりだけど
沢山の涙が溢れて、でも心はあったかくて
まさに何の感情なのかぴったりの名称と繋げることができない
何が良い事で
何が悪い事で
誰が悪い人で
誰が良い人で
そんなのは自分がどう捉えるかだよね
出会う人全てが自分を作ってくれている
哀しい感情も怒りの感情も辛い事も
自分を作るエネルギーに変えてきた
時間はかかるけれど
これからも変わらず
ユンジェのように向かってくる人生に
ぶつかりに行くよ
ぶつかってボッコボコになっても
最後には笑うよ
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