LSE/ロンドン留学記 (LT Week 7)

今週からLTの後半が再開。
自主隔離のせいで体がなまって食事も冷凍食品ばかりになって精神的にも身体的にも少しずつ削られていったが、大学が提供しているtest to releaseの検査のおかげで6日目には隔離解除になり、週の後半は買い物やランニングにもいけてかなり回復した。グループワークの課題も提出して一段落。ようやく進路や今後の課題の事などちょっと先の事に目を向ける余裕が出てきた。

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<Cities and Social Change in East Asia>世界と東アジアにおけるジェントリフィケーション

gentrificationは1950-60年代にロンドンの中心市街地にある住宅の再建が起源。
再活性化や再開発、近隣地区の改善などの言葉で正当化される。先進国において問題視される事が多いが、東アジアではあまり議論されてこなかった。social mixが目的と言われる事もあるが、常に貧困層地域に上流階級が移動してくる事によるsocial mixのみであり、その逆は扱われない。gentrificationの形は時代とともに変わり、以前は再建と位置づけられていたものは再開発となり、中心市街地だけでなく周辺地域でも生じるようになっている。gentrificationを考える上でdisplacementはコアになる特徴的現象。住宅が上流階級用に変化するresidential gentrificationだけでなく、もともとあった地元の商店が大きなチェーン店に置き換えられていくcommercial gentrificationもある。もともと住宅ではない工場だった場所が用途の異なる住居用に変えられてしまうnew-build gentrificationもある。その他にも、郊外で起こるrural gentrificationや、大学や芸術家の集積によるstudentificationやart-led gentrificationもある。

こうした様々な形のgentrificationが起こる原因として、そこに移り住んでくる人々に注目したconsumption -basedのアプローチと、そのプロセスに働く力や構造に注目したproducation-basedのアプローチがあるが、そのどちらかだけで説明しようとすることはできない。その両方の要素が関係してgentrificationは起こる。gentrificationは地価が安ければ起こるわけではなく、その土地の潜在能力と、現在の状態での市場価値とのギャップが大きくなった時に起こる。不平等が生じる原因は当然gentrificationだけでなく、人種やジェンダーによっても引き起こさせるが、そうした不平等の原因の1つとして認識しておく必要はある。


<City Design Research Studio: Film Session> Torre David
ベネズエラの首都カラカス中心部にある未完成の高層ビルであるTorre Davidの不法占拠の話。

チャベスのポピュリズム的政策によって強制立ち退きが禁止された事により、高層ビルが垂直スラムと化した。犯罪の温床という偏見を持たれていたが、実際には住民たちは自らルールやインフラを整えて独自の安定したコミュニティーを形成していた。排斥された状況の中で人々が作り出す新しい政治・社会の形とは。

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