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限界旅行のすゝめ ~旅程崩壊を乗り越えろ・前編~

極限まで効率を求めて旅行をしていると、どうしても避けられないのが旅程崩壊のリスク。
予定の変更を強いられたり、最悪の場合には旅程が総崩れということも。
しかし如何なる事態が起きようと、限界旅行民ならば無事に帰宅して旅行を完遂しなければなりません。
そういうわけで、今回は前後編の2回に分けて、旅程崩壊のパターンとその対応方法を考えていきたいと思います。
対策があれば、旅程崩壊なんて怖くない!


旅程崩壊のパターンと対策

旅程崩壊は、おおむね以下のようなパターンに集約されるかと思います。

  1. 予定の遅延
    交通機関の遅延、乗り遅れ、目的地での滞在予定時間の超過、寝坊など

  2. 迷子
    道を間違えた、交通機関の乗り間違いなど

  3. 交通路の寸断
    災害・悪天候などによる運休、通行止めなど

これらのパターンごとに、旅程崩壊が発生した際の再建方法を考えていきたいと思います。

予定の遅延

予定の遅延の対応方法としては次の2つでしょう。

1.一部の予定をスキップ

一番単純で効果のある対策です。
目的地を諦めれば、その分の時間で巻き返せます。
痛恨の極みかもしれませんが、次にリピートした時の楽しみが残ったと思って優先度の低い目的地は潔く諦めましょう。
なお、目的地を楽しんでいたら時間が足りないということはよくあります。
計画段階で「必ず立ち寄りたい場所」と「時間に余裕があれば立ち寄りたい場所」に目的地をグループ分けしておくと、目的地の取捨選択が容易になるのである程度考えておくといいでしょう。

2.ワープ

青春18きっぷユーザーの皆様には御馴染みのテクニック。
予定していた交通手段よりも高速な交通手段を使って遅れを取り戻すという方法です。
例えば、普通列車で移動予定だった所を並行する新幹線に乗る、路線バスをタクシーで追いかけるなど。
使用できる状況は限られますが、資金さえあれば旅程の遅れを挽回できる非常に強力な手段なので、検討の価値はあります。

迷子

スマートホンの登場により経路検索が容易になったため、深刻な迷子事案に陥るリスクはかなり小さくなりました。
万が一迷子になったとしても、軽度なものであれば引き返して予定の遅延に帰着させることができます。

深刻な事態に陥るケースがあるとすれば、交通機関で大規模な乗り間違いをしてしまった場合でしょうか。
青海駅(東京都江東区)と青梅駅(東京都青梅市)を間違えたなどという話はよく耳にします。流石に青海駅(新潟県糸魚川市)と間違える人は居ないでしょう。
その他には、列車で居眠りをして気づいたら終点に居た、というケースも。
極めて稀なケースだとは思いますが、派手にやらかした場合は観念して旅程を組み直すしかないです。
丸一日分の予定をスキップするなどして元の経路に復帰するか、場合によっては新たな旅行プランをその場で立てて実行することになるでしょう。

そもそもの大前提として、迷子にならないように経路は事前に十分な確認をすることが重要です。
そして少しでも不安を感じたら、すぐに現在の経路で合っているのかを確認しましょう。経路を間違えても、長距離を移動してしまう前に気が付くことができればダメージは最小限で済みます。

交通路の寸断

交通機関は色々な理由で止まります。
事故、車両トラブル、天災などなど。

交通機関が止まったら、まずは情報を集めましょう。
必要な情報としては、
・復旧の見込みがあるか、どの程度の時間で復旧しそうか
・代替の交通手段があるか、その場合どの程度時間のロスが生じるか
辺りでしょうか。
鉄道であれば鉄道会社の公式サイトに情報が出ますし、バス会社であれば担当営業所に電話で問い合わせという手段もあります。

比較的短時間での復旧が見込まれる場合や、振り替え輸送が行われるなど代替の交通手段がある場合には、予定が遅延した場合と同様に対応すればOK。
問題になるのは、当日中の復旧が見込めない場合や、代替の交通手段がない場合。これはかなり深刻な事態です。
このような場合に取りうる手段は以下の2つでしょう。

1.広域迂回による経路変更

不通になった区間を迂回して、目的地に向かおうという方法です。
例えば、「仙台から田沢湖経由で秋田に向かおうとしていたが、田沢湖線の列車が熊と衝突して不通になった」という場合。
このケースでは、北上から横手に抜ける北上線経由のルートで迂回が可能です。折角だし、途中のほっとゆだ駅で温泉にでも浸かって良くと良いでしょう。

田沢湖線を北上線で迂回する例。地理院タイルより作成。

もう一つ例を挙げておきましょう。
「東京から中央線経由で長野に行こうとしたら、中央線が止まった」という場合には、信越本線・しなの鉄道線(または北陸新幹線)経由での移動が可能です。せっかくなので峠の釜めしあたりを堪能しましょう。

中央線を信越本線ルートで迂回する例。地理院タイルより作成。

2.旅行を中止して撤退

大規模な災害などで広範囲に交通がストップしたり、そうなる見込みが強い場合の最終手段です。
こうなるともはや旅行をしている場合ではありません。
馴染みのない土地で帰宅難民になったり、被災者になってしまうことだけは何としても避けなければなりません。
撤退ラインを誤った先に待っているのは破滅です。無事に家に帰ってこその旅行ということを思い出し、冷静な判断を下しましょう。

帰ろう帰ればまた来られるから

木村昌福 ケ号作戦(キスカ島撤退作戦)にて

交通路の寸断を予期せよ

交通路が寸断されるケースには、事故や車両トラブルのような突発的なものもありますが、台風や大雪なのような気象を要因とするものであればある程度事前に予測が可能なこともあります。
近年は気象予報の精度も高くなり、大規模な交通障害が予測される際には事業者からも計画運休が事前にアナウンスされるようになりました。
長距離・長期間の旅行の際には気象情報を随時チェックし、身動きが取れなくなる可能性が出てきたときには、先手を打って旅程を変更するなどの対応を取りましょう。
また、台風が接近している等のリスクが高い状況下で旅行を決行する場合には、交通機関が止まった時に備え、あらかじめ「プランB」を用意しておくといざという時でも安心です。
そもそもそんなときに旅行を決行すんなとか言ってはいけない。


さて、続く後編では実践編として、筆者が実際に旅程崩壊の危機に直面し、無事に(?)旅行を完遂した体験談をお届けしたいと思います。
お楽しみに!

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