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限界旅行のすゝめ ~お役立ち!鉄道乗り放題切符特集~

限界旅行において、いかに安く・自由に・広範囲を移動するかは重要な課題です。
そこで強力な手段になるのが鉄道の乗り放題切符。

長距離を安く移動できるだけでなく、移動経路が自由というのも大きなメリットです。
通常の切符では途中下車した後で元の方向に戻ることはできませんが、乗り放題切符では、途中で後戻りしたり、分岐する路線に寄り道したりという使い方も可能。(例:東京→横須賀→大船→熱海)
さらに目的地や経路が決まっていないので、気分次第で行き先を変えたり、旅程崩壊時に広域迂回するなども自由自在です。

今回の記事では、使い勝手の良い乗り放題切符をエリアごとに紹介していきたいと思います。
普段の旅行やちょっとしたお出かけにも応用できるので、うまく使いこなして行動範囲を広げていきましょう。

注意:
情報は記事執筆時点のものです。
切符の価格・使用条件などは随時変更される場合があるので、必ず当該鉄道会社の公式サイト等で確認をお願いします。


全国編

青春18きっぷ

おそらく最も有名な乗り放題切符ではないでしょうか。
価格は12,050円(子供料金はなし)で、JR全線の普通・快速列車が1日乗り降り自由×5日分。(※宮島航路、一部BRT、一部第三セクター鉄道の通過利用、特例区間での特急も利用可能。オプション券を購入すれば北海道新幹線・道南いさりび鉄道の一部区間も片道乗車可能。)
別途指定席券を購入すれば普通車指定席に、別途グリーン券を購入すればグリーン車自由席への乗車も可能なので、普通・快速列車であれば、SLも含めた観光列車にも乗車することができます。(※グリーン車指定席への乗車は不可)

5日分を連続で使っても良いし、別々の日に1回ずつ使ってもOK。
1人で5日分使うだけでなく、同一行程であれば複数人での利用もできます。
(例:2人で2日分+1人で1日分利用)
5回分も使いきれない!という場合には、余った分を金券ショップに売ったり、金券ショップで使う分だけレンタルという手もアリです。

使用可能期間は例年であれば以下の通り。
春:3/1~4/10(2/20~3/31発売)
夏:7/20~9/10(7/1~8/31発売)
冬:12/10~1/10(12/1~12/31発売)

新幹線や特急には乗車できませんが、普通列車しか設定されていないローカル線に乗ったり、時間が掛かっても構わないから安く移動したいという場合には強力な移動手段になります。
ただし、北海道や四国では普通列車の利便性が極端に悪い区間があるので、後述するエリア限定の乗り放題切符を使った方が良いかと思われます。

また、一部第三セクター鉄道では青春18きっぷの提示で割安な乗り放題切符が購入できるので、これを組み合わせて使うのも良いでしょう。

その他の使い方として、1回分が2,410円なので、片道1,210円以上の区間を日帰りで往復するという利用方法もお得です。
例えば、
・東京-熱海:往復3,960円 片道1時間半少々
・大阪-姫路:往復3,040円 片道1時間少々
・岡山-高松(香川県):往復3,320円 片道1時間弱
等々。
そもそもはこういう使い方が想定されてたのでは…

普通列車が不便な一部の区間だけ別途切符を買って新幹線や特急を使ったり(いわゆる「ワープ」)、途中にフェリーや飛行機での移動を挟んだりと応用も効くので、時刻表と睨めっこしながら色々と使い方を工夫してみましょう。

秋の乗り放題パス

基本的には青春18きっぷと同じ条件で列車に乗車できます。
青春18きっぷとの相違点としては、
・価格は7,850円で、有効期間内の連続する3日間乗り放題
・子供料金の設定あり(3,850円)
・購入時に使用開始日の指定が必要
・自動改札が利用可能
・利用期間は10月上旬~10月下旬の約3週間
青春18きっぷのように日を分けて1回分ずつ使うということはできないので、どこかの地域を周遊するような使い方向けですね。

北海道編

北海道フリーパス

JR北海道の在来線全線とジェイ・アール北海道バス(一部路線を除く)が特急も含め7日間乗り降り自由。(新幹線への乗車は不可)
基本的には自由席利用ですが、SL列車を除いて6回までは追加料金なしで普通車指定席も利用できます。
価格は27,430円で、子供料金の設定はありません。
ゴールデンウィーク・お盆・年末年始を除く通年で利用可能です。
有効期間が長く、また繁忙期には利用できないので、長期休暇中の学生や定年後のシニア層向けでしょうか。

きた北海道フリーパス・ひがし北海道フリーパス

きた北海道フリーパスは地図中の青色と水色の区間が3日間、ひがし北海道フリーパスは地図中の青色と橙色の区間が特急列車も含め4日間乗り降り自由。

地理院タイルより作成
橙色の点線部は2024年3月末で廃止予定の区間

きた北海道フリーパスは4回まで、ひがし北海道フリーパスは5回まで普通車指定席も追加料金なしで利用可能。(SLを除く)
FDA・ANA・AIRDO・Peachの4種類が発売されており、きっぷに対応した航空会社の売店等の1,000円分の利用券つきです。
価格はきた北海道フリーパスが16,200円(25歳以下用は13,600円、子供用は8,600円)、ひがし北海道フリーパスが20,000円(25歳以下用は16,300円、子供用は10,500円)。
発売個所は新千歳空港駅の指定席券売機のみとなっているので注意が必要です。

東日本編

週末パス

JR東日本の宮城・山形以南のほぼ全線に加え、フリーエリア内の会津鉄道など14社の鉄道路線の普通・快速列車の普通車自由席が乗り降り自由。
(対象エリア・線区については、少々複雑なのでJR東日本の公式サイトで確認を)
なお、指定席券・グリーン券・特急券を別途購入することで、指定席・グリーン車・特急列車や新幹線(東海道新幹線を除く)にも乗車できます。

価格は8,880円(子供用は2,600円)、有効期間は連続する土休日の2日間
利用日の前日までの発売なのですが、東日本エリアでしか販売されていないので、エリア外から購入する場合はえきねっとで前日までに購入しておき、利用当日に現地で受け取る方法を使うことになります。

この切符の特長は、JR以外の路線にも多く乗れることと、特急券の追加で特急・新幹線に乗車できることと、連休で使えるという使い勝手の良さでしょう。
北陸新幹線の開業でJRから経営分離された区間もフリーエリア内に入っているので、信越方面の旅行には特に威力を発揮するでしょう。

東海編

JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ

JR東海の在来線全線と、隣接する私鉄16社の路線が8,620円(子供は4,040円)で連続する土休日の2日間乗り放題になる切符。(ただしGW・お盆・年末年始に使用不可期間あり)
別途特急券・急行券等を購入すると在来線特急等にも乗車できます。(新幹線は4回まで)
東海エリアの路線は名鉄と近鉄(近江鉄道ではない方)を除いて大体乗り放題な上に、東は神奈川県、西は滋賀県、北は富山県、南は和歌山県とかなり広い範囲を移動できるので、工夫の余地は大きそうです。

西日本編

残念ながら、西日本エリアには常時設定されている広範囲の乗り放題切符がありません。
過去には期間限定で広範囲で乗り降りフリーの切符が発売されたこともあるので、西日本エリアではそのような機会を待つか、青春18きっぷを使うことになるでしょう。

四国編

週末乗り放題きっぷ

JR四国全線(+土佐くろしお鉄道の窪川駅~若井駅間とJR四国バスの2路線)の特急・普通列車の自由席が1日乗り放題になる切符で、利用可能期間は土・日・祝日と年末年始
お値段は1,2000円(子供は半額)なんですが、なんと高松―松山を普通に特急で往復するだけで元が取れてしまいます。
ホントに値段これで合ってますか…?

四国フリーきっぷ

乗車できる列車の範囲は上記の週末乗り放題きっぷと同じで、有効期間が連続する3日間になります。こちらは通年利用可能
気になるお値段は18,000円(子供は半額)。上記の週末乗り放題きっぷと比較すると、有効期間が3倍になるにもかかわらず価格は1.5倍。
あの、算数の計算できてますか…?
なお25歳以下限定になりますが、これと同じ効力の若者限定四国フリーきっぷが青春18きっぷとほぼ同時期に12,000円で販売されているので、年齢と期間が合うならこちらがお得です。

なおJR四国では、期間限定で同様の切符が更に安い価格で販売されていることもあります。
四国を旅行する際には事前に確認しておきましょう。

バースデイきっぷ

JR四国が誇る最強クラスのぶっ壊れ切符。
JR四国全線に加え、土佐くろしお鉄道全線とJR四国バスの2路線が連続する3日間乗り放題で、当然のごとく特急にも乗車可能
出発日が利用者の誕生月である場合に購入でき、さらに同行者用の切符が本人用1枚につき3枚まで購入可能となっています。(同行者の誕生日は問いません)

普通車自由席用とグリーン車用の設定があるのですが、お値段は普通車自由席用が12,000円(子供は半額)、グリーン車用が15,000円
誕生日の縛りがあるとはいえ、乗車範囲も広がって有効期間が3倍なのに、ついに週末乗り放題きっぷと同額になってしまいました。
算数ってなんだっけ?

九州編

旅名人の九州満喫きっぷ

九州の全鉄道の普通・快速列車1日乗り放題×3回分で、お値段は11,000円。有効期間は発売日から3ヶ月間です。
(普通・快速列車のみなので、新幹線・博多南線は乗車不可)

青春18きっぷと同じように連続3日で使うもよし、3回に分けて使うもよし、3人グループで使うもよし。
JR・私鉄はもちろん地下鉄・路面電車・モノレールも含めた九州の全鉄道路線に乗車可能な上に通年で利用できるので、九州を回るのであれば青春18きっぷよりも使い勝手は良いです。

ぐるっと九州きっぷ

JR九州全線の普通・快速列車が連続する3日間乗り放題で、別途特急券・グリーン券等を購入すれば新幹線や特急にも乗車できます。
(※山陽新幹線の小倉―博多と博多南線はJR西日本の路線なので乗車不可)
ネット予約と窓口販売で価格が異なり、ネット予約では14,300円窓口では15,800円(どちらも子供は半額)。
九州では観光特急も多く運行されているので、特急を積極的に利用するならこの切符が選択肢になるでしょう


代表的な所を紹介するつもりが、気づいたらとんでもないボリュームになってしまった…
もちろん今回紹介したのはごく一部で、これ以外にも様々な鉄道会社で乗り放題切符が発売されているので、是非探して活用してみてください。

さて、次回は旅の荷物の特集でもしてみようかと構想してます。
旅の荷物は軽く少なく、限界旅行は機動力が命!
現在筆者の仕事が繁忙期で限界を極めているので、のんびりお待ちいただけますと幸いです。

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