ただふとんでのんびりと。

 一月二十日午前七時、重い瞼を無理やりこじ開け呆けていると、母がつけていた情報番組からするっ、とアナウンサーの居住まいを正した時のような声が耳に入った。「今年は特に冷える年だと予想されます」とは何度聞いた一文だろうか。年々冬の寒さの厳しさは増す一方だ。このまま延々と寒くなり氷河期が来るのではと心配症の母が言った。
 こんな日には布団に包まるのが一番だ。母には悪いが家事はやってもらおう、昨日は頑張ったんだ。褒美をくれてもいいじゃないか。
「起きなさい。ご飯よ」
 母の間延びした声がキッチンから聞こえてきた。アナウンサーのような声でもないのになぜこんなにも耳に馴染むのだろう。幼いころから聞いてきた声だからだろうか、はたまた私の腹が空いているせいか。しかし私は母に布団を剝がされるまで腰を上げることは無かった。「私は今日一日を布団で過ごすのだ」などと言いながら。

 一月二十日午後三時、ついに私は惰眠から目覚めた。いまだに正月気分なのか、中々眠気が抜けない。授業を受けているときなんかは首をこっくりこっくりさせている。前日に準備していた炭酸飲料を、布団から手を伸ばし指先でちょいちょいとこちらに寄せる。

#寒い日のおすすめ
あとがき
 また未完で終わるかもしれません。鞭打つため投稿しておきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?