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積ん読本を振り返る

 昨年来のコロナ禍のなかで、ポチポチと本を買うことが増えた。しかも、読み切れないまま次々と、いわゆる積ん読状態。

増え続ける積読本たち

 購入のきっかけは、SNSで知り合いが紹介していた本であることがかなり多い。たまに書店に行って目に止まったものもあるが。興味・関心の矢印の向きが同じだからなんだけど。何か自分に足りないから求めているわけで、知りたいという欲求の赴くままにポチっとしてしまう。購買意欲がすべてここに向かっている。だが、手に入れて満足状態なので積ん読本になる。

 そんなとき、内田樹さんの書籍の引用を発見。

「まだ読んでいない本」のリストを作るというのは、言い換えれば、「自分の知らないこと」について考えるということである。「自分の無知」や「自分の短見」や「自分の無学」についての自己評価を内外に開示するということである。つねづね申し上げているように、「自分の賢さ」をショウオフすることよりも、「自分の愚かさ」の成り立ちを公開することの方が、世界の成り立ちや人間のありようを知る上ではずっと有用だと私は思っている。(内田樹『街場の読書論』より)

 なるほど。リストを作って、振り返ってみた。

知らないこと知りたいことを自覚する

その1:「組織づくり」。会社員であった時代も含むので、ビジネスコミュニケーション、組織づくり関連。「なぜうちはうまくいってないんだ」っていう疑問やモヤモヤが出発点。今や読みたいという欲求がだいぶ落ちている。置かれた環境に左右されている典型。

その2:「定年」。人生の切り替えを考え続けていたので、このキーワードに吸い寄せられた。大量退職時期を迎えつつあるからか、出版物は多い。“人生100年時代”のキャッチフレーズは世の中にさざ波を立てている。一旦、この区切りを通過したので、これも一段落。客観的になれる。

その3:「暮らし方」。片付け、健康法、食。これは、自分ができてないことが起点で、つい手に取ってしまう本たち。いや「こうありたい」が解消されないまま、積ん読状態になることで、できていないことが列挙されてる気分。

その4:「社会問題」的なもの。世代間、家族、ジェンダー、生き方~自律・内発。意識下でずーっと興味の対象にあるもの。そこから派生するような人生相談的な内容の本は、その回答の展開への興味が尽きない。

その5:「対人関係」。ここ数年はコミュニティに関わりワークショップを学んだりしたことから、「伝える」「問う」「対話する」というタイトルに惹かれる。これからのキャリコンとしての仕事に向けて、もう少し深めたい、広げたい。

その6:「教養」とまとめてしまう。時間、自由、幸福論、宗教(寺や神社に関すること)、伝統(京都暮らし、伝統工芸)、絵本などなど。かつての子育て時代の本まで遡ると、そのときどきの興味によるので、「どうしてこれを選んだかな」みたいなのもあるけど、熱しやすく冷めやすい好奇心だけは豊富なので、結構多岐にわたっていろんな本があって、開いてみると、また楽しい感じを味わう。

その1からその3は、積ん読解消して、寄付したりしてもよいかなと思える。それ以外は読み始めるものを整理しながら、以前から考えていたことを前に進めたくなった。

本たちの居場所づくり~ひと箱本屋へ

 一度手に取った本たちに、読もうとしたきっかけとともに、ちゃんと居場所をつくりたい。積ん読リストを眺めていて、以前から考えていたこと、「ひと箱本屋」が再浮上してきた。やってみたかったことの一つ。

 場所は東京・下北沢にあるBOOK TRAVELLERの間借り店主、ひと箱本屋。部屋のなかに、数十箱のひと箱本屋さんが並んでいて、それぞれのテーマや世界観で本を並べている。この街の雰囲気になじんで、面白い世界だなと思って参加させてもらうことにした。※店名「あれこれ好日BOOKS」。



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