大手通信キャリアから考える日本の問題点

大手通信キャリアから考える日本の問題点

今回はLINE問題で考える日本の問題点を説明します。これは日本は、中途半端に大企業が多いので囚人のジレンマが発生すると言う事です。

我々はLINEやWechat、古くはSkypeの出現によって以前と比べて利便性が大きく向上しました。

例えば以前だったら、NTTと契約している人とCメール(もはや死語ですね)したかったら、NTTDocomo回線と契約しなければなりませんでした。

今は、そんな事お構い無しに日本だったらLINE使えばメールから、画像通話までできる様になりました。

本当に便利な世の中になったものです。

これは、大手3社からは絶対に作れない、生まれないサービスです。それは何故でしょう?これが囚人のジレンマです。

NTT、ボーダフォン(元Softbank)、IDO(現au)は三者間でゼロサムゲームしていました。

この内部の会社の社員の使命は以下に他者の契約を奪って自社の契約に変えさせるかですね。

なので、自社のSNSが以下に便利か?自社のSNSを使えばメール300まで無料ですよとか、可愛い絵文字が使えますよ。とか自社の利便性を追求する事に注力するのです。

これは、普通に論理的に考えれば自然と行き着く発想ですね。あなたが大手の社長だったら絶対同じ事をするはずです。

例えばその時に、内部から、「そんな事やめて利用者の立場に立って考えて、LINEの様な誰でも使えるメールサービスを作ったらどうか?」とか「Skypeを対応したらどうか?」と言った意見があったとして、社長のあなたはどう思いますか?

何故、態々、我々には1円も得にもならない事を、むしろ競合他社を有する様な事に自社のお金を注がなければならないのか?

と感じるはずです。これは極めて自然で合理的な価値観です。こう言う状態なので、ほぼ絶対にLINEの様な破壊的イノベーションは大企業(既得権)から生まれないのです。

何故なら、LINEを作るって事は、既得権から既得権を引き剥がす行為、いわゆる破壊的イノベーションだからです。

これは、かなり典型的な例で企業間の競争理念が先行し、人々のニーズ、この場合だと、キャリア問わずに人々とコミュニケーションしたい。と言う強いマーケットの需要があるのですすが、大企業の出せる解決策が、だったらみんな自社のサービスを使えば良いじゃん。って発想しか出来なくなる典型例ですね。

よって日本だとイノベーションが生まれにくい土壌なので韓国産のLINEが外から入って来て、既得権だった大手キャリアは軒並みプレゼンスを失うって事になる訳です。

よってこれが、大企業にばっかり頼っている、破壊的イノベーションが起こらないので、なんでベンチャーって必要なのか?って部分と、日本が抱える構造的問題点の一つです。

あとは、基本的に大企業ってのは、成功しているがゆえに尊大です。なので自分のポテンシャルを本来持っているポテンシャルよりも往々にして過剰評価しがちです。

例えば、AppleはSonyにiTunes を一緒にやらないかと打診しました。所が何処の馬の骨とも知らない奴(自分より格下)の相手との提携を嫌がったSonyは独自路線を追求し、クソGUIのMusic Centerだったり独自路線のATRACなどを自社だけてやりました。

それは過去にウォークマンで成功した成功体験や、Sonyミュージックを持っているとか認知や販売網でSonyの方が優れているなどSonyはItunesお断りしました。

勿論誰がどう見ても、その当時の判断は正しいです。有数な経営者なら100人が99人Itunesをお断りしたでしょう。

一番初めのiphoneだって本当に使い物にならなく、技術者達は皆して、これ誰が使うの?と首の傾げていました。

このように破壊的イノベーションと言うのは本当に出現して何年か経たないとそれが破壊的イノベーションだったかどうかわからないものなのです。

そんなことよりも例えば大手通信キャリアだったら目下目先の敵と目先の利益、目標が見えている中、中々不確実な山のものとも海の物ともよくわからないような何かに投資できるほどの余裕やリソースは無いのです。

それに大抵のイノベーションは失敗しますからね。

だから失敗しても誰も気にも留めないようなベンチャー達が沢山の死体の山を築きながら100万分の1を当てに行くのです。要するにiphoneの立っている山の下には100万のiphoneもどきの死体の山が転がっていて、そうった死体の山の上に現在の主流の破壊的イノベーションの商品が輝いているのです。

破壊的イノベーションとは
既存事業の秩序を破壊し、業界構造を劇的に変化させるイノベーションを指します。要するに既得権の引き剝がしです。

ゼロサムゲームとは
ゼロサムゲームは複数の取引参加者が取引をする中で、全員の損益の合計がゼロとなるような取引や状況のことを指します。 つまり、誰かが儲かれば誰かが損をするような取引をゼロサムゲームと言います。

少しでも気に入ったり参考になれば幸いです。 いただいたお金で本を買いより有益な情報をお伝え出来れはと思います。