なんで日本の大企業ってそんなに無能なの?

なんで日本の大企業ってそんなに無能なの?

皆さんは しゃべってコンシェル と言うDocomoが生み出したクソアプリをご存知でしょうか?

やってる事は Siri みたいなもので、音声認識してそれには合った結果をはじき出すアプリですね。

ここで面白い部分は Siri よりも しゃべってコンシェル の方が人々の認知としては先です。所が、アプリ自体がクソすぎたので、今は後発の Siri の様なアプリと説明した方がわかりやすいと言う逆転現象が起こりました。

それは何故でしょうか?

これは、Docomo が利用者の主婦や女性層の意見を聞いた時に、操作が複雑すぎてわかりにくい、簡単に自分の思った事を実現できればありがたい。

と言ったマーケットインして、ニーズを探って、競合他社との差別化を測る為にDocomoがプログラマーを集めて一つの部署を設置し、規模で言うと大体10人以下の特設チームを作って 音声認識するアプリの開発に望んだのです。

これは大企業のDocomoからするとまさしく、崖から飛び降りる程の英断であり、優秀なプログラマーは常に枯渇しております。誰もが優秀なプログラマーを欲しいのです。

そんな中、そんな誰もが欲しい精鋭たちを10人も引っ張り出して、上手くいくかどうかも分からない投資にかけた結果、見事に華々しく散ったのでした。

単純に何が失敗した原因かと言うと、

・資金面でも人材面でも投資が少なすぎるって事です。

まず、音声認識なのですが、これは非常に難しい技術です。初期の頃のSiriも相当クソアプリで、正直使い物になりませんでした。現在の音声認識技術もまだまだクソアプリから脱却出来ません。

それくらい音声認識は難しい技術なのです。

AIが生まれて、AI使ったプログラムに変更出来ても、自然語認識はとても難しい技術なのです。

DocomoはまだAIの利便性が認知される以前からこの音声認識に投資をし、大企業としては英断のスペシャルプロジェクトチームを作って行いました。この時点では、ちゃんと人々のニーズをしっかり捕まえておりましたし、未来もちゃんと予見できております、所が、規模と投資が少なすぎたため、規模も投資も、またBigdata(治験)もグローバルに持っている後発の大企業に全部かっさられてしまいましたとさ。

と言うだけの話です。これは重複しますが、日本が内需が中途半端に旺盛な為、普通だったらとっくに潰れている様な大手通信3キャリアが十分食っていけるようなマーケットが存在し、彼らの目下の目標がどうやって、他社を潰すか?とう言う不毛な潰し合いに自社のリソースを投入している時に

超大手グローバル企業がその規模と数の力で一気にかっさらうって構造です。

スマートにやるなら、敵は国内ではなく、海外なので、大手三社が協力して大量の予算と人材を三者がそれぞれ投入して siri と戦うべきなのですが、囚人のジレンマが発動しますよね。

とりあえず相手の出方を様子見しますし、なるべくフリーライドしたいですよね。なるべく人材と投資を少なくして自社のメリットを最大化させたいとみんなが思うわけです。

こんなの様子見して、談合して、やっとこさ組織が出来る時点でもう siir が世界を席巻してます。

これは全部仮想敵の設定が常に国内なのでうまくいかないのです。でもこれは裏返せば国内需要が日本の場合中途半端に旺盛なのが根本の原因なのです。国内需要全部かっさらうだけで、世界一の利益をはじき出せるくらいうま味が大きいのです。

もう一つは、日本型雇用は不況に異常に強いのです。

日本のガラケーがガラパゴス化したみたいな一例もまさにそうで、日本の携帯電話を作っているキャリア、京セラとかsonyとかシャープとかは、大手通信キャリアが居るから商売が成立するのです。よって大手通信キャリアの言う事は絶対です。

そして大手通信キャリアは常に他社よりも良いガラケーを販売する事で、熾烈なゼロサムゲームに励んでいました。

ここで、sonyがエリクソンを買収した様に外資を取り込むか、もしくは所謂Simフリー端末を家電メーカーが販売する事で、もはやグローバリゼーションの世界になってしまったのですから、早い内にその事に気付いて世界戦略に打って出なければなりません。

所が、携帯電話の開発には大きな開発費がかかります。通信大手はその開発費の一部を担保する事で、出来上がった製品を自社の独占で販売する事の契約をしております。

だから、携帯大手メーカーはSimフリーの携帯を開発し、世界に打って出る事が出来ないのです。

勿論自社でリスクをとって海外用のsimフリー端末を開発販売する事は可能です。例えばシャープのガラケーなんかは、Simロックを違法で外した商品が中国とか香港で人気でしたしね。

しかし貴方がそのメーカーの社長だとして、売れるかどうかも分からない、莫大な開発費がドブに消える様な博打を打てますか?

又、日本は全員野球です。貴方が意思決定しても、貴方が創業者でない限り、常に貴方の地位を虎視眈々と狙っている他派閥のドンが取締役として座っております。

そう言った人材を説得しなければ新規事業に乗り出せません。だから強い内部工作、社内政治が必要です。

開発費をくれて、尚且つ出せばある程度の利益はペイする。要するに、赤字にはならない案件と

一切の前例がなく、失敗すれば莫大な損失を被る。成功する確率を予測できない新規事業。

果たして、合理的な経営判断はどちらになるでしょうか?と言った話なのです。

ロバート・アトキンソンさんは日本の経営者は極めて無能だと言っておりました。確かに、企業として、日本の経営者が選択する選択は常に様子見ですし、ギャンブルをしません。結果、どんどん経営が悪化するので、そう言う意味では日本の経営者は極めて無能なのですが、

こうやって過去に遡って別の切り口で考えてみると、別に日本の経営者が極めて無能ではなく、合理的判断をした結果の現状なのです。

社長は、社員に飯を食わせなければなりません。未来を見ている我々に取ってみれば、この場合ですと、大きくグローバル戦略に舵を取らなかった経営者は無能に移るのですが、過去の時点でここまでグローバル化する事も i
phoneが世界を席巻する事も予測できないのです。

上記内容で行きますと、例えばシャープがガラケーのニーズが海外である時に、グローバル戦略して、自社で開発費を捻出して自社で自らリスクとってSimフリーガラケーを作っていれば、もしかしたらシャープは日本で存続できたかもしれません。

しかしそう言ったギャンブルと等しい行為は当たればハッピーなのですが、往々にして外れるものです。外れたらその時点で会社が傾きます。

大量の社員が路頭に迷います。

そんな大博打をリスクとって、取締役や社員の反対を押し切って、頑張って当たるかどうかも未知数の事業に乗り出す事を、説得できるでしょうか?

私は無理だと思います。

私は未来が見えます、未来は不確実性が強く今海外展開しなければ、将来会社が傾きます。だからグローバル展開させてください。

と説得しても、ほとんど誰の心にも響かないと思います。一切の前例も数字の裏付けもないわけですからね。

要するに、ここが日本が強烈な前例主義の部分で、大多数を説得しなければならない為、意思決定者が多すぎる大多数の説得をする為には前例以外の説得材料が無いのです。

これが創業者だったり、ベンチャーだったら可能性があります。でも大企業で、下から出世したサラリーマン社長だったらまず無理です。抵抗勢力に潰されます。説得材料が殆ど材料がありません。

だから、日本は衰退してしまいましたし、大企業がこれから新しい何かを生み出す事は不可能と等しい位難しいのです。

これは経営者が無能だからではなく、日本の社会構造上きついって話と、あとはそもそも、大企業っていう媒体自体が別に日本だろうがアメリカだろうが、そもそもイノベーションや大きな変革、方向転換出来ないから難しいよねって話で。

日本は、

社会構造上難しい + 大企業 = 無理ゲー

ってだけの話で、他の国よりも尚更グローバリズムに弱いってだけです。

囚人のジレンマ
お互い協力する方が協力しないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる。

フリーライド
「ただ乗り」他社が築き上げた信用と名声に便乗して利益を得ようとする行為。

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