聞いてみた、というか見てきた!!#13:真夜中のランデブー
【注意】この記事にはゴカイの写真や映像、および生殖行動に関する表現が多々出てきます。苦手な方は見ないことをオススメします。
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大丈夫な方だけどうぞ。
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いってきました。真夜中のランデブー。
「ゴカイ」の生殖行動を観察するという企画なのですが、結論から言うと想像のかなり上を行ってました。
写真、動画多めでお届けしますので、ホントに大丈夫な方だけどうぞ。
19:30。まずは、NPO法人くすの木自然館の専門研究員、錦江湾タレントこと浜本麦さんのレクチャーから始まります。ゴカイ帽子を被って登場。
本日の主役は、ヤマトカワゴカイ。
「この名前だけ覚えて帰ってくださいね~」と芸人さんの自己紹介的な説明から。ゴカイというのはヒトとポメラニアンは同じ種類、というくらいざっくりした分類で、その中には非常にたくさんの種類がいるんだそうです。
そのぶん生態も様々だそうですが、ヤマトカワゴカイは1年で一生を終える、その最後の日に行う生殖行動が非常に特徴的なのでそれを見てみよう、というのがきょうの観察会の趣旨です。
麦さんの話をざっくりとまとめると、
・穴から出てきて泳ぐ(ふだんは上半身?くらいしか出ないらしい)
・目をカッと見開く(ふだんはあんまり開いてないらしい)
・筋肉や内臓をキュッと小さくし身体をたるませて伸ばす
・伸びた身体にいっぱいの精子や卵で満たす
・大潮の日の夜の満潮後、いっせいに穴から出てきて泳ぐ
とにかくよくわからないことばかりなんですが、特に「大潮の日の夜に決まって出て来て生殖のために泳ぐ」というのはなんとも不思議です。これを「真夜中のランデブー」と名付けた麦さん。
10年以上研究を続けている麦さん。水温や月齢、潮汐などのデータを毎回記録しているそうなんですが、「この条件が揃うと出て来る」という確定的なことがわかっていない、とのこと。
なので行ってみないとわからないのですが、この日の前日にも行われた観察会ではわずか6匹しか見られなかったそうで・・・果たしてきょうは見られるんでしょうか。
ということで近くの川(と海のあいだくらいのところ)へ移動。
えっと、水面になにかたくさんいます…
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寄ってみると…
いっぱいいる!
これ、ぜんぶゴカイです。
緑っぽいのがメス、ピンクっぽいのがオス。とにかくウネウネ泳いでる!(生殖群泳、というらしいです。)
こんなに出てるのは珍しいんだそうです。数百~1000匹はいたんじゃないかな。
続々増えてくるゴカイたち。「踏んだらごめんね!」と言いながら入っていく麦さん・・・ゴカイ愛が強すぎて尊敬しかないです!
何匹か観察しやすいようにすくい上げ、水槽に入れます。
放出された卵で水槽があっという間に白く濁っていきます。愛で満たされる水槽。美しく見えてきませんか。きませんかね。
この姿になったあと、ゴカイたちは元の姿に戻ることはできません。この日を最後に息絶え、次の世代を残すのです。
「この日に放出された卵が、また一年後ここにやってきてランデブーするんですよ」と麦さん。たった1年で一生を終えるゴカイの最後の日のランデブー。衝撃的すぎます。
いろんな意味でインパクト強すぎるゴカイの生態を見たあと、なぎさミュージアムに戻って再度レクチャーが。
ゴカイは砂や水をきれいにしてくれるだけでなく、魚やカニの餌になります。そしてそれらを食べるさらに大きな魚や動物がいます。そしてそれを食べるのは・・・人間ですね。
ゴカイが居なければ我々は魚を食べることもできない。食物連鎖を通じてゴカイとつながっているんですね。
生命とは何か、を考えるきっかけになりました。
印象的だったのは、参加していたこどもたちのリアクション。
「かわいい」「きれい」「来てよかった!」などなど…
大人よりも純粋に、生命の営みを感じ取っていたのかもしれません。
正直、最初は気持ち悪いと思ってたんですが、あれだけ大量に動いているのを見てるうちになんか「美しい・・・」と思って見てました。深夜に行われる生殖行動、っていうのもなんだか美しくないですか。ないですかね。
参加者の一部からは「食べてみたい」という声も。毒などはないらしいですが、麦さんによると「ゴカイは食べるものではなく愛でるもの」とのことなので食べたい方は自己責任で。
毎年この時期だけに見られる「真夜中のランデブー」。
今年は大潮のタイミングが良い、麦さんいわく「ゴカイプレミアムYear」だそうです。今月あと6回チャンスがありますので、とにかくいちど見てみることをオススメします。生命のダイナミクスを感じられることは間違い無し。
事前予約制なのでお問合わせはNPO法人くすの木自然館(TEL:0995-67-6042)まで。一晩でたぶん一生分ぶんのゴカイをみたと思います(一生ぶんっていうのもよくわかんないけど)。印象的な夜でした。
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