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小説を愛しているかは別として。 #愛読書で自己紹介

#愛読書で自己紹介  だそうで。

バラバラの作家さんで、三冊ならなんとかなるな、と。あれでしょう、子どものころ影響を受けたものですよね? では以下三冊を挙げます。

  1.  村上春樹
    『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

  2.  石黒達昌
    『平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……』

  3.  サリンジャー 中川訳
    『九つの物語』所収
    「バナナフィッシュに最適の日」



村上春樹 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

心地よい読書とはこういうこと

村上春樹先生の著作が好きなかたはだいたいそうじゃないかと思うけれど、とにかく読んでいる時間がここちよかった。いまでもそう。作者ご自身も、読者にページを進めさせられるよう工夫されていると発言されていたことをとても納得させられて、なおかつ、冒険譚でドキドキしていたし、ふたつの物語が並行に進行するなど自分にとっては斬新だった。いまでも図書館に行くとパラパラと頁をめくってみたりしています。また読みたい。

石黒達昌 『平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……』

これ以上の実験を刊行した小説を知らなかった

中編をふたつ収めた書籍です。タイトルはその表題作の文章行頭から抽出した、そのままがタイトルになっています。

横書きです。そして写真・図案が挿入されています。

要するに、学術論文の様式を利用して書かれたSFです。内容もちょっと難解というか、抽象的で、なぜ、どうして、と思いながら読んでいました。でも、強烈なラストに痺れた思い出があります。

これが地元の図書館にハードカバーであったんだから、司書のみなさまに感謝せざるを得ないです。

続いて刊行された「94627」は古書で確保できたのですが(短編集。収録作「ALICE」は絶品)、この本「平成3年5月2日、後天性(以下略)」のハードカバーはいまアマゾン見たら古書で五万円以上している模様……また読むことができるだろうか。もっと早くサルベージしとけばよかった。

J・D・サリンジャー 翻訳:中川 敏 『九つの物語』 所収 "バナナフィッシュに最適の日"

文章の格好良さ、物語の潔さ、絶望、中川訳

『バナナフィッシュに最適の日』以外、なにが収められていたのか覚えていないのですが、この短編だけは繰りかえし何度も読んだおぼえがあります。

とにかくかっこいい。文章が、物語が、破滅が。

知らないアメリカという土地での、絶望的な窒息感を、この中川訳でたのしんでしまった中学生でした。ほかの訳ではいけません。この文章の切れ味の感覚は、その後読むことになる漫画家・多田由美先生のご著作のネームの切れ味に直結します。しかし、救いが無い、容赦が無い。アメリカとは絶望の文明の地かというほどに。そしてその破滅はやはり漫画家・岡崎京子先生の著作に連結します。なにもかも、個人的感想ですが。

中川 敏 訳の文庫本も残数少なめ、家を探せばありそうだけど……もう一冊、確保しておくべきか。


こんなところでしょうか。

漫画だったらもう、三冊とか無理、山程積みますが、または雑誌好きだったのでWOMBAT知らないでしょすごかったんだよとかDUNEはいまでも全冊そろえたいとかTV Bros.はやっぱりとんでもなかったんだとかMY BIRTHDAYの悪口はおいお前とりあえず言わないでおけとか、いろいろありますが、とりあえず本稿では小説だけで挙げてみました。すべて中学生のぼくが地元で借りて読んだんだと思うと、きみはほんとうに図書館に恵まれていたね、そう思います。司書のみなさま、ありがとう。ほんとうに。

以上です。ありがとうございました。