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自分のまちを自由に生きる

お久しぶりです、なつかです。
福井県鯖江市に移住して、かれこれ3年近く経とうとしています。
もうすっかり年末ですね。
北陸では、毎年しんしんとした雪が振り始めると「今年はどれくらい積もるんだろうなぁ」なんて毎日のように話します。
まち全体が真っ白に包まれると幻想的で贅沢な景色だな〜なんて、雪かきをの大変さを忘れて、ぼーっと見惚れたりしています。

一年の間で曇天が多い北陸です。
私は石川県出身で、生まれたときからグレーな空を見上げることが多く、青い空も好きだけど、いろんな表情を見せる雲たちの毎日の機嫌を眺めるのもとても好きでした。
生まれ故郷の石川県白山市を18歳のときに出て、10年以上経ってしまいました、29歳。時が経つのは早いものだ。

実家を出てから10年ずっと、自分で住む場所を選んでいます。
東京の大学に進学し、4年とちょっと前にフリーランスになってから1〜2年ほどは関東と北陸を行ったり来たりする生活を。そして2020年2月に、福井県鯖江市に移住しました。

このまちにきて、3年近く経つ今でもずっと驚いてることがあります。
それは、自分の暮らすまちを自分のものにしている人がたくさんいること。

「ないなら、つくる。」と、誰がいい始めたんでしょう。鯖江の人たちはみんな言う。地元の人だけじゃなくて、居着いた移住者までそれを言ってる。

そりゃもう、ほしいものが手の届く距離にあればいいかもしれないけど、田舎には、ないものがたくさんあります。それなら、作ればいい。諦めるんじゃなくて自分で作ったらいいんだよ、と、口を揃えて言います。
ないなら作ればいいんだって心持ちは、ほしいものを手に入れる、こうだったらいいのにを実現させるための、大事な大事なマインドでした。

私もずっと、地元にいるとき思っていました。
「映画館がもっと近くにあったらいいのに」
「好きなアーティストのライブに気軽に行けたらいいのに」
「東京は、キラキラしててすごい」
「テレビの中の世界は遠い世界で、そんな憧れの行ってみたい」
なんて。

家を飛び出して東京にも住んで、29歳にしてやっと気が付きました。私の現実は、目の前のことでしかないんだって。テレビやスマホの中の、誰かのキラキラした世界は私の居場所ではなくて、私が今いる場所は、ここなんです。現実。

それなら、「こうだったらいいのに」を目の前でつくったらいい。

このまちには、こうだったらいいのにをつくる人たちがたくさんいました。
コロナがあっても、負けずと踏ん張って新しいことに挑戦する人。
若い人たちがたくさん来てくれるといいよねと、よそ者を歓迎してくれる人。
メガネが壊れたというと、貸しなと言って頼んでもないのに直してくれる人。(カモンさんありがとう、嬉しかったです)
カレー屋さんがやりたいと言って、本当にカレー屋さんを始めちゃう人。と思ったら、焼き芋屋やったり本屋やったり、やりたいをやる人。

私も、そんなこのまちに背中を押してもらって、この前、初めてバンドを組みました。
「癒やされたい」と言い始めた友人と一緒に「いやしフェス」という、好きが詰まった何でもありのフェスをやりました。バンド演奏までできた。
そんなこんなでミュージシャンになりたいと言ってたら、つくった歌詞とメロディーにコードを付けてくれたり、路上で歌おうと誘ってくれたり。
私の“やりたい”を拾って広げてくれる友達に出会いました。

あれ、やりたいことって、実はできるんだ…?
このまちに来ると、等身大の自分でやりたいことができてるぞ?

「音楽をやる」ってことが私にとって大きいことな気がしてました。音楽をやっていいのは一握りの人で、誰かの前で演奏するには、誰かの許可がいるのかもなんて。
そうじゃなかった。「やりたい」と声を上げて、やってみるだけでよかった。披露する場所は探せばいいし、ないならつくればいい。

私が選んだこのまちは、やりたいことをつくっている人たちがたくさんいます。
「なにか楽しいイベントないかな」
「おいしい朝ごはんを食べたいな」
「おしゃれなセレクトショップに行きたいな」
「毎日、ヘルシーでおいしい手料理が食べたい」
全部、ないなら自分で作ればいいと、はじめた人がいる。

そして、誰かが何かをはじめると、それがまちの新しい景色になる。
自分のまちに、誰かのものが一つ、増える。

てことはつまり、まちは一人ひとりがつくってきたものの積み重ねなんだ。あのお店も、あのお家も、あの電柱も。最初からそこにあったものではなくて、誰かがほしいと思ったから、つくられたものなんだ。
そんな風に、まちは出来ているんだって、このまちに来て初めて気が付きました。

それなら私も、ないものがあったら作ればいいのです。
私の住んでいるまちは、誰のものでもない自分のまち。
だからこそ、自ら、自由に色を付けていったらいいのです。

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