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現代茶ノ湯展@伊勢丹新宿店

3月24日まで開かれている林屋晴三氏監修の「伊勢丹 現代茶ノ湯 展」に行ってきました。

伊勢丹新宿店では、5階のリビングフロアのリニューアルが進められてきましたが、3月4日に全体が一新されました。今まで食器がずらっと並ぶ百貨店らしい見せ方だったスペースが、細かく空間分割され、粋な雰囲気になりました。

そのフロアの奥、これまで茶道具・和食器と美術スペースがあったところも今回リニューアルされました。美術スペースは茶道スペース専用となりました。

このスペースのこけら落としに、3月4日から現代茶ノ湯展が開かれています。そのタイトルのごとく、すべて現存作家が作られた今のお茶道具が展示されています。

林屋氏は特に茶碗の権威と呼ばれる人物。若い頃から茶の湯を嗜み、また東京国立博物館の工芸の職員として多くの名物を見てこられました。その人が選んだ現代の作品。
美術館や百貨店の茶道具店で見るような典型的な作品は一切ありません。それでいながら、茶碗・茶器・水指などの取合せの美的バランスは茶の湯の魅力を維持しているのは、やはり見る眼の力でしょうか。

それぞれの作品も、選ばれた作家の作品の中から、さらに取捨選択したのが分かる優品揃いです。
このスペース専売の伊勢丹仕様の抹茶も販売されていて、すっきりとしながらも味がくっきりと分かる美味しいお茶でした。

2020年を見据えて外国人にもうけるモダンな日本テイストを前面に出したのだろうと推測しますが、一方で現代の生活に茶道をどのように取り入れるか、その難しい問題に野心的に取り組んだすばらしい場だと思います。伝統を受け継ぎ変えていくという文化のダイナミックさをフィジカルに体験できます。

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