病気を治すという言葉の意味

「病院は病気を治してくれない」こんなことを言うと
そんなことはない。私は病院で病気を治してもらった。
と反論する人がほとんどかもしれません。
その反論そのものがまったく間違っているというわけではありませんが、その一方で
病院は病気を治してくれない
ということもまた事実なのです。
 
矛盾したことを言っていると思うかもしれませんが、これには理由があります。
それは私が考える病気を治すとみなさんが病院で受けたと思っている病気を治すは、同じ病気を治すという日本語であっても、まったく意味が違っているからなのです。
 
私が考える病気を治すという行為は
病気の原因が明らかで、その原因と病状の因果関係が100%明らかになっており、その因果関係の改善が治療に直結し、その治療によって病気の原因を取り除くことができ、患者が完全に病院に行く必要がなくなる状態にすることができる行為のことだと考えています。
そうではないと「治癒」という言葉は使えません。
定期的に通院している段階でそれは治っているとはいえないのです。
 
その一方で、一般的にみなさんの多くが病院で受けている、あるいは受けたと思っている病気を治すという行為は
今自分が感じている不快な状況(熱がある、頭が痛い、腹が痛い、めまいがするなど)を改善し、不快さを感じることなく生活をおくれるようになる状態に改善させることを主題としているのです。
もちろん、痛みがなくなったり、熱が下がったりすることで、不快感や不安感がなくなり、精神的には救われた気になる人がほとんどでしょうから、まったく意味がないとはいいません。
しかし、くり返しになりますが、これでは病気を治したことにはならないのです。
 
これだけでは少しわかりにくいと思いますので、たとえ話をしましょう。
あなたが急に発熱して、病院に行ったとします。
医師はあなたを診察し、解熱剤の処方箋を与え、あなたは薬局で薬を受け取ります。
幸いにも解熱剤が効き、あなたの熱は下がり、元の生活に戻ることができました。
 
これはたとえ話ですが、同じような経験をしたことがある人は、少なくないのではないでしょうか。
この話で問題なのは、医師はあなたの病気を治したのではなく、熱を下げることにのみ成功しただけだということです。
前述したように、熱を下げることに成功すること自体は、無意味ではないと皆さんはかんじるかもしれません。
しかしこれは病気を治すことに成功したのではなく、発熱という不快症状を取り除いたにすぎません。
このように、病気を本質的に治すのではなく、患者が今感じている痛みや苦しみ、つらさなどを改善し、ある程度安定した状況にまでもっていくことが、今現在、多くの病院で行われている病気を治す行為なのです。
 
<薬毒論より抜粋>
 
 
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