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くだらないパズルを自作した話

utimeです。ご無沙汰しております。


1. 「マス目合わせ」

コロナウィルスの流行により期末試験がなくなった学校がある一方、パズル界ではパズル期末試験なるものが流行っているそうです。えすのじさんも次のような試験を出題していました。


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大変おもしろい企画です。私もすぐに作成に取り掛かりました。

パズルの種類をあまり知らない私は、自作パズルで太刀打ちすることにしました。

黒マス、白マスの出現に厳しい条件を課せば、②③はなんとかクリアできそうです。

そこで気づきます。「パズル自体に厳しい条件を課せばよいのでは?」

そうして生まれたパズルがこちら。

マス目合わせ

②~⑪成立のため理論値達成です!やりました!

(条件点が①11点、⑩⑪1+2点であった場合であったとしても、①より⑩⑪を成立させて得られる条件達成数+10点の方が偉い。)


2. 考察

皆さんが腑に落ちていないように、私も腑に落ちていません。

問題点は「これはパズルか否か」という点です。

では「パズル」とはなんなのでしょうか?

「マス目合わせ」のパズルらしくない点を挙げ、検討してみます。


2.1 ルールに解答例を列挙するのはズルい

2.2 頭を使わなすぎる

正しいと思います。では以下のような場合はどうでしょう?

「マス目合わせ改」

ルール

(1)マス目に73、-68、5.02、-9.4、1のいずれかの数字か黒マスを入れる。一つのマスに複数のものは入らない。

(2)周囲のマスは数字マスではない。周囲以外のマスは必ず数字マスとなる。

(3)73、-68、5.02、-9.4が縦横斜めいずれか向きを問わず順に入った箇所があるとき、黒マスは10個。右端列、左端列には1個、上行、下行には4個入る。

(4)-68、73、5.02、-9.4が縦横斜めいずれか向きを問わず順に入った箇所があるとき、黒マスは4個。正の数の隣接8マスと正の数がある行には黒マスは入らない。

(5)73、-68、5.02、-9.4という数字列のうち、1つ以上の要素が1に置き換わったものが縦横斜めいずれか向きを問わず順に入った箇所があるとき、黒マスは6個。1の入った行とその1つ下の行には黒マスは入らない。


ここに、例えば「(3)~(5)の数字列のうちいずれか1つは存在」「負の数は隣り合わない」「ラテン」などのルールをいくつか足せば、さらに非自明なパズルが作れそうです。

しかし別の問題が生じた気がします。

2.3 ルール文に場合分け処理が多い

これも正しいと思いますが、場合分けが入ったパズルは多い(数字マスは黒マスにならない、など)ですし、場合分けが複数あるパズルもまあまああります。明確に線引きはできないかと思います。

これは2.2に関しても同様で、マス目合わせ改ではようやくパズルっぽい解き味が出てきそうですが、マス目合わせにはパズルっぽさのかけらもありません。しかしこれも線引きは出来ない気がします。表出によっては下のエルパネルよりは難しくなりそうです。

スクリーンショット (3)


3. まとめ

「線引きこそ出来ないものの、2.2(特にこっち)や2.3に当てはまるほどパズルっぽくない」という感じでどうでしょうか。


自作パズルをパズルと認めるか否かの問題は、上のようなコンテストが開かれない限りよほど起きないイベントのはずですが、2章の議論、何か見覚えがある方がいらっしゃるかと思います。


インストラクションレスです。たぶん。

これも恐らく「線引きこそ出来ないものの、2.2や2.3(特にこっち)に当てはまるほどパズルっぽくない」

という結論なのではないのでしょうか。ただインストラクションレスは基本的には唯一解であるため、よほどきれいな(2.3的な意味で)別解でない限り、よりきれいな(2.3的な意味で)解のみ認められる雰囲気はありそうです。


この記事では自問自答しただけなので、人によってはこのまとめと考えが違うという方もいるはずですが、世の中「あるパラメータについて、どの区間をクロ、どの区間をグレーゾーンとみなすか」という連続的な概念への線引きの問題(いわゆるお気持ちの問題)に帰着されがちな気がし、この問題も恐らくその類な気はしています。


このパズル期末に関しては、あとは私が「どれくらいの人にパズルとみなしてもらえるか」「企画を台無しにしないか」鑑みて自粛するか否かを決めるだけですが、手は抜きたくないですし、いいせいせきがほしいので、このかいとうをていしゅつしようとおもいます(しこうていし)。

それでは。