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”軸”を作る、ということ

自分の中で太い軸を作りなさい

アメリカ留学から帰ってきた僕に彼はこんな言葉を掛けた。

自分の中で一つ太い軸を作る、ということ。今は意味が分からないかもしれないけど、このことは頭の片隅に入れておいていくといい。そう言って僕の恩師はにやりと笑った。

軸とはなんだろうか?自分なりに考えてみたけれど、全く意味が分からなかった。そして、月日が経ってそのことについて考えすらしなくなっていたある日のこと。

そしてまた僕はこの言葉に出会うことになった。あるインターンシップでの面接のことである。

君は自分の中で軸を作るといいね。

ドキっとした。まただ。考えても考えても、全く理解が出来なかったあの言葉。

意味を聞いてみたけれど、やっぱりしっくり来なかった。あの時と同じように。

歯痒さを残しながら、また僕はその意味を考えてみた。

僕のやっていることに一貫性がない?何をやりたいのか分からない?そういうことなのか?

せっかくここまで自分なりにアクションを起こしてきたのに。。。

昔の迷走していた頃の感覚が蘇る。

でも、自分のやってきたことは間違っていないはずだ。そう信じて僕は僕のできることに集中することにした。

そんな日々を過ごしていると、ふと思ったことがあった。あの言葉の意味の氷山の一角を理解できた感覚があった。

僕は父の業務を効率化するソフトウェアを作っていた。とは言ってもそんな大それたものではなくてダブルクリックするとシフト表を作ることができるようなものだ。

ただ、僕にとっては大きな挑戦だった。これは僕が初めて世の中の課題に向き合う、世の役に立つものを作ろうとする取り組みだったからだ。

父はシフト表をあぁでもない、こうでもないと言いながら1週間かけて作るらしい。

本当にできるのだろうか、そんな不安を抱えながら僕はPCに向き合い続けた。

どんどん突き詰めていくうちに、これは実に専門的であることに気づいた。

そして、僕はあの時と同じようににやりと笑った。

本当に人が困っていることを解決するには、僕はその分野のプロフェッショナルでなければならないんだ、と。

僕は誰かの力になる為に、武器を持ちたい。そう思いながら僕はまたPCに向き合う。

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