なぜ「訪問パーソナルトレーニング」から始まったのか?
ユニバーサルトレーニングセンターは、障害者専門のパーソナルトレーニングから事業をスタートさせたヘルステックスタートアップです。
実は、現在開発中のプロダクトの軸となるサービスの本質にも深く関係しているのが、私たちが大切にしてきたこの「訪問型パーソナルトレーニング」の事業です。
今回は、「訪問パーソナルトレーニングって?」「なぜやるのか?」についてお話していきます。
実際、障害者はどれくらい運動できているのか
スポーツ庁が行った調査によると、令和2年度の統計で以下のようなデータが示されています。
成人(健常者)のスポーツ実施率(週1日以上)は 59.9%(前年度 53.6%)
障害者の成人のスポーツ実施率は24.9%(前年度25.3%)
障害者の若年期(7~19歳)のスポーツ実施率は27.9%(前年度30.4%)
健常者の成人では、週に1回以上スポーツや運動をする習慣がある人は約60%もいるのに対し、障害者では約25%。
育ち盛りで本来たくさん体を動かすべき若年期においても、週に1回の運動を行うことができている障害者は10人のうちほんの2、3人にとどまっています。これはいったいなぜでしょうか?
障害者を運動から遠ざける「バリア」
私たちが障害者・車椅子ユーザーの方を対象に独自に実施したアンケートによると、こんな声が聞こえてきました。
<運動ができない理由はなんですか?>
・運動の仕方がわからない
・一人でできない
・負荷量がわからない
・運動できる場所を知らない
・使えるマシーンがあるかわからない、車椅子で通れるか不明
・施設まで移動手段がない
・天気が悪い日は外出できない
一般的なフィットネスクラブや、スポーツ施設では「介助者の付き添いがないと・・・」「安全を確保できないので・・・」「車椅子で利用すると床に傷がつくから・・・」などといった理由で利用を断られてしまうことがあります。
また設備などハード面の問題だけでなく、「運動の仕方がわからない」「どこまで負荷をかけていいのかわからない」といった意見や、そもそも外出や移動に負担や不安を感じている人が多いという事実も見逃せません。
「場所や道具は用意してあるから、自由に使って運動してね」といった支援をするだけでは、障害者がより運動しやすい環境づくりを後押しする根本的な解決策にはなりえないのです。
運動指導、機能改善のプロの目線から伝えたいこと
運動といえば、「マシンを使ったエクササイズ」「筋トレ」「何かのスポーツをする」ことをイメージされる方も多いかもしれません。
しかし、特別な道具を必要としないホームエクササイズや車椅子を漕ぐ動作も立派な運動ですし、ストレッチを念入りに行うだけでも車椅子ユーザーにとっては機能改善に大きく影響するとてもよい運動になります。
「気軽な運動を毎日行う習慣をつけること」
「効果的な運動の方法を知ること」
大切なのはこれだけです。このように言われると、なんだかとても基本的で、簡単そうに聞こえるかもしれませんね。
でも、障害者の方々にとっては、そこに手を伸ばすまでに越えなければいけないハードルが本当にたくさんあるのです。
そのため、私たちはそのハードルを一つずつ取り除こうと考えました。
知識と経験のあるトレーナーや理学療法士が、一人ひとりの身体の状態をきちんと評価した上で、その人にあった運動を個別指導すること。
特別な場所を確保したり、天気や移動手段を心配する必要がないように、ご自宅などクライアント様のご都合のいい場所にこちらから出向くこと。
それぞれの「やりたいこと」や「目標」を、一緒に目指すよき併走者となること。
こうして、私たちは訪問型のパーソナルトレーニングという事業を、クライアント様たちとともに本当に大切に育ててきました。
そして、これから
クライアント様のご自宅で、一緒に機能改善に向けた目標を設定し、一人ひとりにオーダーメイドの運動を指導することで、障害者の方々が直面している「ハードル」のいくつかは乗り越えることができたかもしれません。
しかし同時に、これらの取り組みをひとつずつアナログで行っていくことには限界があることも次第にわかってきました。
もっと多くの方に、もっと自身の身体が持つ多くの可能性を引き出してほしい。
全ての人が、安心して輝ける社会をつくりたい。
この思いを実際に形にすべく、私たちは次なる挑戦をはじめることにしました。それが、現在取り組んでいるプロダクト開発へとつながっていきます。
今回は、私たちが大切にしてきた「訪問パーソナルトレーニング」についてお話しました。
UTCでは、私たちと一緒にすべての人がアクティブに生活し、人生を楽しみ、困難があっても共に乗り越え、やりたいことを実現できる社会の実現のために力を貸してくれる仲間を募集しています。
少しでもご興味を持っていただいた方は、お気軽に【カジュアル面談】のお問い合わせフォームからご連絡ください。
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