テート美術館展 3人の光輝くジョン

国立新美術館にて開催されている「光 テート美術館展 ターナー、印象派から現代へ」にいきました!

イギリスのテート美術館から「光」をテーマに、200展以上の作品が集まっています。テート美術館の名前の由来はイギリス人のテートさんで、砂糖精製業で財を成した実業家兼コレクターらしい。
ということで、あまり普段目に触れることのないイギリスの画家たちの作品を見ることができました!

今回は、特に印象に残った3人のジョンという名前の画家の作品の感想を書いてみます!

The first John
ジョン・ブレット「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」


一面に広がる虹色の海と空から差し込む光。見た瞬間にドライブで本当の海に来たような感覚になった。特に空から降り注ぐ光と、濃い藍色とエメラルドブルーで描かれた水面が、僕をしばらく絵の前から動かさなかった。

The second John
ジョン・マーティン「ポンペイとヘルクラネウムの崩壊」


イギリス絵師の最高峰がこのジョン・マーティンという人なのだと思った。本作品は縦1.6m×横2.5mとかなり大きい作品なのだが、絵のどこをとっても、細かすぎる描画が散りばめられている。特に、ポンペイの街並みは圧巻で、その巨大な絵の中に1mm単位で精緻な街が描かれているのである。その様はまるで4Kの映像を見ているかのような細かさだ。大きな絵だからといって、細部に一切の妥協がない。
さらに、荒々しい波、ヴェスヴィオ火山の噴火に恐れ慄く人々の表情、その全てが主役級なディテールで描かれているのだ。
調べると、このジョン・マーティン、小説の挿絵をずっとしていてらしい。ミルトンの失楽園の挿絵もしているようだ。挿絵で培った、小さい絵に色々な物語を入れ込む経験が、このラスボス級の傑作を生み出すことに繋がったのだろう。

The third John
ジョン・エヴァレット・ミレイ「露に濡れたハリエニシダ」


本展覧会で僕が最も感銘を受けることになる作品が、まさかシダをテーマにしたものだとは思ってもいなかった。陽光が降り注ぐ先にあるシダは、その光をあらゆる方向に反射し、見る人の目を刺す。この反射の仕方が本当に素晴らしく、まるで無数の蛍を見ているかのような美しさを感じる。お気に入り過ぎてスマホのトップ画面に設定しまった。
このジョンは、かの有名なオフィーリアの作者で、前ラファエロ派という尖った集団の代表らしい。もっとこのジョンの絵画を見てみたいと思った。いつか本物のテート・ブリテン美術館で見てやるオフィーリア。

以上、特に光り輝いて3Jonhsの作品を紹介させて頂いた。
この展覧会は、マーク・ロスコやゲルハルト・リヒターの現代美術も見られるし、絵画以外にも、ジェームズ・タレルや草間彌生の印象的なインスタレーションも見られる。
光で目がかっぴらく、本当に刺激的な展覧会だったので、是非足を運んで欲しい。

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