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研究職やめます

こんにちは、ゆーたろーです。私事ですが、ここ数か月は転職活動をしていまして、内定を頂いた企業からのオファーを受ける事にしました。

最近のタイムラインを見て頂いた方にはお分かりかと思いますが、外資製薬企業に転職します。詳細は割愛しますが、研究職をやめて新しいキャリアを歩み始めることとします。

1つ最初に言っておきたい事として、「研究職をやめる=研究職オワコン」と主張したい訳ではありません。研究職は新たな価値を生み出す上で必要不可欠な職種です。どれだけ優れたAIが開発されようとも必要なポジションです。ただ、自身のキャリアプランを考えた際に、このまま研究職を続けるのは難しいと考えてこの決断に至りました。端的にまとめると理由は4つあります (4つ目が最大の理由です)。

1.英語を使う機会の少なさ

現職は典型的な内資系製薬企業です。もちろん英語論文を読みますが、それ以外に英語を使う機会はほぼ皆無です(ネイティブ同僚との雑談や共同研究先とのテレカンが月に1回以下)。これほどグローバル化が叫ばれるにも関わらず、英語に苦手意識を持つ人が数多くいるのが日本の現状。

そんな中、僕は1年半の海外駐在経験もあり比較的英語が得意なのにそれを活かさずにいるのは勿体ない。使わないと衰える一方なので、毎日英語の勉強もしていますが、それでも維持するので精一杯。英語を使う機会の多い転職したい気持ちが増え、必然的に外資系企業を考えるようになりました。

2.グローバルとのやり取りの少なさ

1点目の理由とほぼ同じですが、現職ではグローバルとのコミュニケーションはほとんどなく、基本的には自社内(国内)でのコミュニケーションとなります。海外駐在中には共同研究をしていた教授や出向先の現地企業とのやり取りの中で、さまざまなバックグラウンドの方々と仕事をしてきました。帰国してその環境が無くなったことに物足りなさを感じていました。

3.必ずしも会社に居なくても出来る仕事

私には3歳になる息子がいて、毎日保育園の送り迎えをしています。必然的に会社に居られる時間は独身の頃よりも短くなります。現職では在宅勤務制度はあるものの、研究職ではあまり認められていません (おそらく、研究職の仕事の1つが実験をすることにあるため)。世界と戦う上でこの状態では仕事にかけられる時間が絶対的に不足します。本当は「子供の就寝後にも仕事をしたい」のですが、現職では認められそうにありません。


4.修士卒研究職の市場価値

3点述べてきましたが、研究職を辞める決断をした最大の理由はこの4点目にあります。ここでは「市場価値 = 専門性 x 実績」と定義します。専門性をもう少し分解すると「専門領域 x 肩書き」とできます。つまり「市場価値 = 専門領域 x 肩書き x 実績」となります。

「市場価値が高い」とはどういう状態でしょうか?まず専門領域なら、今あなたの仕事領域の需要がある状態で、疾患領域に例えるならガンや中枢はこれからもトレンドで市場価値が高いと言えるのではないでしょうか。次に肩書きは博士号の有無です。改めてなぜ博士号が大切かと言うと「充分な研究能力がある事を示すcredential」だからです。そして実績は言うまでもなく、これまでの研究成果です。ここで1つ大切な事は「市場価値」を高められる実績とはconfidentialでは無い公知情報の成果物、つまり論文投稿、学会発表、特許出願などがあたります。社内で進めているプロジェクトの社内会議通過では無いのです。

これら3要素を自分毎に当てはめた場合、まず専門領域としては1つのモダリティを軸にケミストとして幅広く研究しています。次に肩書きは修士卒、そして実績は公知情報は無しです(基本的にpublishしないのが会社の方針)。つまり、市場価値は専門領域での実務経験のみとなります。この場合、今後自分の市場価値が上がるか否かは、専門とするモダリティの将来性と相関します。個人的には、このモダリティはこれからも伸びると思います。しかし、基本的に海外もしくはベンチャーが先行する領域で、内資製薬企業でのケミストとしての需要はそれほど多くないと考えています。もちろんゼロにはならないですが、その少数のイスに「肩書き」や「実績」の無い自分が座れるかは甚だ疑問です。

「今からでも博士課程は全然遅く無いよ‼︎」とのお言葉を多く頂きますし、まだ32歳なので全くその通りだと思います。ただ、今から入学準備を進めて最短で4年、自身の子育て事情を考慮するとすぐには始められないため実質もっと先になる。と考えた時に、博士号取得時にこのモダリティのケミストとしての需要があるかは全く予想出来ません。

以上の理由から、今の手持ちのカードから「修士卒研究職としての市場価値」を上げる事よりも、他のキャリアを積み上げる方が賢明だと判断しました。


これが、私が研究職を辞める決断をした理由です。もちろんコレが正解かどうかは現時点では分かりません。新しい仕事を覚えたり、勤務地が変わって働き方も変わるので大変な事の方が多いでしょう。ただ、1つ言えることは、どれだけ悩んでも、どちらが正解かなんて一生答えは出ません。だから、ただ自分の信じた道を振り返らずにひたすら進み続けるのみです。

僕の悩んだ過程が、修士卒研究職を志望する方々のキャリアプランの参考になる事を願ってこのnoteの結びとします。重ねて言いますが、研究職は素晴らしい仕事です。この世に生み出される新しい価値は、研究職の方々の努力の結晶です。それだけは忘れないでください。

引き続き転職やキャリア関連の発信が多くなろうかと思います(おそらくしばらくは退職交渉について)。興味をお持ち頂いた方はツイッターアカウントをフォローして頂けると幸いです。

ゆーたろー



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