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日々に遅れて

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詩・散文詩の倉庫03
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2023年10月の記事一覧

友人

ゴルフ焼けしたいいオヤジになった 今では大阪の支社長さんだ  「僕らの音楽を解ってくれる人は、   この街に一人いるかいないかってところだ。   だけど、これだけは確実に言える。   僕らは凄いことをやっているんだよ。」 かつて 君の言葉は 僕を鼓舞した チラシやポスターを手作りして 小さな画廊でフリー・インプロヴィゼーション 聴きに来た八人中七人は仲間内だった 僕らはそれぞれ孤独な 地を這うちっぽけな蟻に過ぎなかった 僕らは世界をノイズの大河に戻そうとした そ

赤信号の交差点で停車した 今日は遠くの山並みがよく見える はて こんな風景だったかな? ビルが二つ取り壊されて 見晴らしが良くなったのだ 跡地は舗装されて駐車場になり その奥にコンビニが出来ている 青信号に変わって左折した 光と影のコントラストが強くて こちらの通りも知らない街みたい 橋を渡って少し走って右折して ホームセンターの園芸コーナーへ 知らない店に来たような秋の朝 知らない花の鉢を買おう

秋日

マテバシイの高枝から 蔓植物の太いのが垂れ下がっている 山の手入れで根を伐られたのだろうか 子供の頃 こんな蔓に掴まって ターザンの真似をして遊んだものだ ちょっとやってみるか えいっと飛び付く ぶら~ん ぶら~ん 枝葉がバッサバッサ揺れる 山の斜面を蹴って グオーン 戻って ぶら~ん また蹴って グオーン 戻って ぶら~ん 一回転 ぶ~らり 逆戻り ぶ~ら ぶ~ら 腕がアップアップ 着地しよう おおっと 尻餅をついてしまった ズボンをパンパン叩きながら ふと道