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早産                  ――画像しりとりはじめました (#26)

(#25) 徒競走→「そう」→早産

よっ、大将、空いてる?

帝王切開と聞きつけた胎児が
危険を察知して自ら出てきた




――ここで問題です。
このあと、この子はどういう行動に出るでしょう。

① そのままそそくさと保育器の中へ移動してひとまずくつろ
② え?まだ早かった?と、いったん母親の上半身をかぶり直す
③ 七歩歩いて右手で天井を指し、左手で床を指し、天上天下唯我独尊と見得を切る


正解は――
④ 自らの母親の上半身を抱えたまま
 サザエさんのOPのタマの如く腰振りダンスを始める

でした。
……いや、なんでやねん、とか言わない( ̄∀ ̄)

ま、ひとまず正解映像を――

こうして見ると、存外にボケた顔しとる


天上天下唯我独尊とは、お釈迦さまが生まれた時に言ったとされる言葉。

母親の摩耶夫人の右脇から生まれたお釈迦さま(*1)は、生まれた直後に東西南北に七歩ずつ歩いて右手で天を指し、左手で地を指して
天上天下唯我独尊
と言った、というエピソードからとられた言葉である。

*1:摩耶夫人の右脇から生まれたお釈迦さま:パッと見、どエラいトコから生まれよるな、お釈迦さま^m^💦……って感じのスプラッタなニオイがする話である。ここらへんは『リグ・ヴェーダ』に登場するインドの軍神インドラが同じく右脇から誕生したという話があるので、そのエピソードに由来する誕生譚と言えるのかもしれない。
 いずれにせよ、シッダールタと名付けられたのちのお釈迦さまが実際に母親の脇やわき腹から生まれた……などということはさすがにないだろう。
(もしあったら、完全なエイリアン案件やねぇ( ̄∀ ̄)💧)

この「天上天下唯我独尊」という言葉、辞書では――

  • 「世の中で自分一人だけがすぐれているとすること。ひとりよがり」(『広辞苑』第七版)

  • 「自分だけがえらいとうぬぼれること。ひとりよがり」(日本語大辞典)

  • 「自分だけがすぐれていると自負すること」(『岩波国語辞典』第七版)

  • 「自分がただ一人の存在であるということ。〔自負・自尊の意にも、うぬぼれの意にも使う〕」(『新明解国語辞典』第七版)

――とある。

どの辞書も、字面の「漢字」の意味だけで、ザックリ言えば「うぬぼれ」「ひとりよがり」というネガティヴな意味で定義されているもよう。

でも、本人の名誉のために言うとくと、本来の意味は全然違ってたりするのよ、これが。

そもそも、この「天上天下唯我独尊」は、
その後にもっと大事な「三界皆苦吾当安此さんがいかいくごとうあんし」という
一体全体どんな必殺技やねん、それ……的な言葉がくっついて1セットなのだ。

まず前半の「天上天下唯我独尊」の本来の意味について。
「天上天下」は、「天の上、天の下」即ち「この大宇宙の広い世界で」。
松山千春の歌詞の世界か、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』の冒頭ナレーション的な味わいだ。←古い
まぁ、これはまずまず合っている。

問題は「唯我独尊」。
ここが、誤解の一番のネック👆と存ずる次第。
これ、そのまま漢字 (特に日本の解釈) の意味で「自分一人だけがエラい」などと解釈しちゃうとアウト👍だ。

そもそもこの「我」はお釈迦様本人という意味ではなく、「我々」つまり「すべての人間」という意味なのだ。
そして「独尊」。
これも「独りよがり」ではなく「たった一つオンリーワンの果たすべき使命」という意味。

つまり「天上天下唯我独尊」とは
この広大な大宇宙の中で、私たち人間に生まれた時でしか果たすことのできないたった一つの使命がある
という意味になる。
ね、全然意味ちゃうでしょ( ̄∀ ̄)。

ただ、「私たち人間に生まれた時でしか」という表現は一般的にはピンとこない考え方かもしれないので、クドくなって申し訳ないが💦こちらもちょこっと補足を。

仏教の世界観では、世界は、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天上道、の六道から構成されており、人 (というか人の魂) は、この六つの世界のどこかでその生涯を送り、輪廻転生をくり返しながら、異なる生涯を何度も何度も送り続ける、という考え方がある。

一般的にわかりやすい考え方だと、人間として善い行いをした人は、来世では天国 (天上道) に、悪い行いをした人は地獄 (地獄道) に行く、という例のヤーツだ。
仏教の世界における人の究極の幸せとは、こうした六道輪廻を繰り返す中で魂をブラッシュアップさせて、最終的に仏の教えにより解脱を果たすことに他ならない。
そして重要なポイント、仏の教えに耳を傾けられるのは、
唯一、人間道に生まれた時だけなのだそうだ。

イヌ、ネコ、その他畜生、残念すぎる――――ッ( ゚Д゚)


チックショー!!

畜生なだけに( ̄∀ ̄)


そして後半の「三界皆苦吾当安此さんがいかいくごとうあんし」。

「三界」は、「欲界」「色界」「無色界」という三つの世界を意味している。ざっくりとした意味は「欲望、物質、精神」の世界。
まあ、人間が生きているこの世界と言い換えてもいいだろう。

即ち「三界皆苦」は、
人の世は、物質的な快楽に生きても精神的な快楽に生きても、結局はどんな人生も苦しみでしかない
――という、ワリと身もフタもない意味である(^^ゞ。

チックショー!!

いや、もうええて💦

「吾当安此」は、そのまま読めば「吾 (←これはお釈迦さま本人)はまさにここ (三界) において 安んずべし」となる。
ここで安んずべき対象とは、もちろん迷える我々だ。
ありがたや、ありがたや🙏

つまり「天上天下唯我独尊 三界皆苦吾当安此」とは

「天上にも地上にも、人間に生まれた時にしか果たせない唯一の使命がある。私は、苦しみしかないこの世界 (三界) にいながらにして悟りを開き、苦しみ迷う人々を本当の幸せへと導こう」

――という壮大な決意表明なのだ。
てか、生まれた直後にこんなセリフをのたまふお釈迦さまって、ワタクシなんぞはスゴすぎて逆に引くわー( ̄∀ ̄)

以上、ちょっと説明が長くなり、その説明もヘタクソすぎて
正直なんのこっちゃ(・_・)💧、と思われるかもしれないが、

とりあえずは

「お釈迦さまって、生まれたとたん自分が一番エラいとか言ってて、めっちゃ高飛車でウケるんですけどww」


とかいうのが

大いなる誤解

だということだけ知ってもらえたらいいかな、と。

……ま、別にお釈迦さまからナンボかもらってるてワケではないけどもね
( ̄∀ ̄)


そんなこんなで
明日も、なるべく多くの人が
それぞれの人生を精一杯に生きられる一日でありますよう🦾


■ おまけ

 今回の画像しりとり列車 (26両目) の前の車両です。タイトル「徒競走」と右下のネタ画像で、なにこれ?て引っかかりを覚えた方がおられましたら、時間が許すような時にでも、覗いてみてやってください。嬉しさのあまりなにかしら持ち上げたまま腰振りダンスします(o^-')b♪


こんなダラダラと長ったらしい記事に最後まで目を通していただき、その忍耐強さと博愛の御心にひたすら感謝☆です ありがとうございます ご覧いただけただけで幸甚この上なっしんぐなので サポートは、私なんかではなくぜひぜひ他の優れたnoteクリエイターさんへプリーズ\(^o^)/♪