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母の振袖とふと思い出した祖父との思い出

3月の地域の文化祭で
地域の方から声をかけていただき、
華道吟をさせていただくことになっていて
1ヶ月、お華の先生のところに通って猛特訓をしていました。
いつか、習ってみたかった華道。
まさか、このタイミングでできることになるとは。
はじめてで1ヶ月で人前に立てるまでになるのかなぁとすごく不安だったのですが、
先生がとても丁寧に教えてくださり、
付け焼き刃で、まだまだ、はたからみると至らないところは多いものの、
詩吟の中になんとか生け終えるというところまでになりました。
さらに、振袖をきて発表会に臨むことになって、
ばあちゃんにお願いして送ってもらったのはお母さんの振袖。

わたしが20歳の時は
成人式に参加しなかったので
後日、ばあちゃんへのサプライズを兼ねた写真撮影のときは
レンタルの振袖で。
母が着た振袖があることすら
知りませんでした。
成人式にお母さんの振袖を着てる友だちの姿にあこがれていたので
(母娘、世代を超えておなじ着物で晴れの日を迎えるってなんだか、素敵だなぁと思ってました。)
ここで、着れることになるとは、
と、なんだか、とてもうれしいきもちでいっぱいでした。
残念ながら、行事は中止となってしまい、この振袖に袖を通すことはなかったのですが、
いつか、また機会があればお母さんの振袖を着たいなぁと。
大切に受け継ぐことにしました。

それにしても、美しい振袖。
見てるだけで心満たされます。
前からスキだったけれど
最近、とくに和のものに心ひかれる。
着物のこと、ちゃんと学びたいなぁ。
着付けできるように習いに行きたいなぁと思う今日このごろです。
お花の先生たちにも
"まぁ〜なんて、素敵なお着物。
おばあちゃま、娘さんのために
心を尽くしていいものを着せてあげようと、つくってもらったのね。そして、大切に手入れしてちゃんと残してあったのね。いつかのために。あなた、こんな素敵な振袖、着れるなんてしあわせね。"
と、すごく褒めていただいて。
あぁ、ばあちゃんの孫で、しあわせだなぁと心から思いました。
今、思えば、わたしは昔からばあちゃんっ子で
週末は、祖父母の家にお泊りするのがあたりまえでした。
いっしょに過ごすことが多かったから
自然とばあちゃんからたくさんの影響を受けていたのだと思います。
お花が好きなのも
歴史や和のものが好きなのも
季節や文化、おもてなしを大切にする心も
相手を想い、こころをつくすことも
すべてばあちゃんの姿から
目で見て肌で感じて心に刻んで学んでいたんだなぁ。
それが、こうして、今にもつながっている。
なんて、しあわせなことなんだろう。と、
ばあちゃんに直接伝えるのはちょっと恥ずかしくて言えないけれど、素直に、そう感じたできごとだったのでここに記録しておきます。

あとから、聞いた話ですが、ばあちゃんが参考にと、お母さんが振袖を着た時の写真を送ってくれていてそこに映っていたお花は、なんと、お母さんが生けたものだとか。
ばあちゃんもお母さんも生け花を習っていたと聞いて、びっくり。
そんな話聞いたことなかったし、ばあちゃんは花が好きでよく家にも飾ってるけど、まさか、お母さんもなんて。知らなかった。。。
実はパンを焼くのもお母さんが昔よくやってたことらしく、なんだかんだ、DNAなのかな。お母さんの好きなことにもたくさん影響受けてるもんなぁ、わたし。と思います。わたしの好きなことはお母さんが好きでいっしょにしてくれたり、見せに連れて行ってくれたり、これどう?と誘われたことばかり。ちがうようで似てるところもあって。母娘って、家族ってなんだか不思議です。。。でも、まちがいなく、家族の存在と家族で過ごす時間や思い出があったから、今のわたしがいるんだなぁと思います。

今日、ばあちゃんからたくさんの荷物が届きました。
いつも、ちゃんと食べているか、心配して定期的に電話してくれたり荷物を送ってくれます。
お礼の電話をして、ふと、このことを残しておきたくなって、書いてみました。
ふるさとを離れて、生きたいようにいきさせてもらって、寂しい想いをさせてるし、ばあちゃん孝行全然できてないけど、こんなわたしでも心から想ってくれてる家族がいるから、わたしはここで頑張れます。これからすこしずつ、返していくからね。
いつも、ありがとう。

もうひとつ。
今日、自販機で缶コーヒーを買った時
ふと、じいちゃんとの思い出を思い出しました。
小学生のころ
週末は、じいちゃんと畑で1日を過ごすことが多くて
お昼頃、ばあちゃんがおにぎりとかをつくって畑まで来てくれることがあって、お昼を食べた。
そして、また午後も畑をして。
休憩しよう、となると、自販機に連れてってくれて
ジュースを買ってくれた。
畑終わりのジュース、おいしかったなぁ。
そのとき、じいちゃんがいつも飲んでた缶コーヒー。
今は、自分が飲めるようになってる。
当時は甘いジュースとかカルピスとかよく飲んでたわたしだけれど、時が流れて、じいちゃんと同じようにコーヒーを飲めるようになってるわたし。すこしずつ、大人になってきてるって事かなぁ。(とりあえず、味覚は。笑)
じいちゃん、見守っててくれてるかなぁ。とふと、思って、思わず、空を見上げてしまいました。
会議終わりの缶コーヒー、あの頃とおなじくらい、おいしかったなぁ。
なんだか、ホッとしました。
これも、なんだか、残しておきたかったので。

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