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ヴェノムの姉妹

【タイトル】
「ヴェノムの姉妹」
殺し屋シリーズ・1部9話

【キャスト総数】
3(女:3)

【上演時間】
20分

【あらすじ】
奪い、騙し、犯し、殺す。
醜い人間の所業が剥き出しになっている
街の片隅で、その姉妹は生まれた。

親などはあって無いようなもの。
物心がついた頃には
二人で生き抜く術を身につけていた。

姉は強さと居場所を追い求め、
妹は姉の背を追った。

殺し屋という「毒」は
この街では何より金になるのだ。

【登場人物】
・センチピード(女)
3人組(チーム)で仕事を行う殺し屋。
ゲーム好き。

・ルージュ(女)
情報屋を兼ねるカフェ「フラッパー」店主。
元殺し屋。

・スコーピオン(女)
ブージャムの部下である殺し屋。
荒々しい言動が目立つ。

【本編】
 華やぐ大都市の一角では毎日のように銃声が轟いている。
 理不尽な暴力に塗り固められた裏の顔。
 喧騒も素知らぬ顔で一人の女が歩いていく。

スコーピオン:(この腐った社会のルールはシンプルだ。)
スコーピオン:(弱い奴は喰われて強い奴が根こそぎ奪っていく。)
スコーピオン:(金と銃の腕のある奴が幅を利かせるクソッタレな世の中だ。)
スコーピオン:(だが所詮、つま弾きモンが幅を利かせたところで権力者にとっちゃおあつらえ向きのショーに過ぎない。)
スコーピオン:(奴らは毒虫同士が腹を喰い破る様を見て楽しんでやがる。)
スコーピオン:(最後の一匹になるまで手を叩いて喜ぶんだろうな。)

 視線の先、地面には虫の死骸が転がっている。
 腐り、分解されていく躰を冷めた目で見下ろす。

スコーピオン:(ああ、わかってる。)
スコーピオン:(私が生きてるのはそういう世界だ。)

 鳴り止むことのない騒音を後にして女は去っていく。

 同じ頃、情報屋としての顔を持つカフェ「フラッパー」。
 客として訪れたセンチピードがカウンター席でゲームをしている。

 コーヒーを差し出すルージュ。

ルージュ:お待たせ。
センチピード:ありがと。
センチピード:やっぱり落ち着いてゲームするのはここに限るわ。
センチピード:ウチじゃシャークがうるさくてさ。
ルージュ:ベレッタちゃんも同じようなこと言ってるけど、褒め言葉と受け取ってもいいのかしら?
センチピード:もちろん。落ち着ける場所って貴重よ。
センチピード:こんな街の中じゃね。
ルージュ:それは嬉しいわね。カフェやってる身としては。

 コーヒーを口にし、ルージュの横顔を眺めるセンチピード。

センチピード:ね、ルージュ。
ルージュ:ん?
センチピード:やっぱりこの間のこと怒ってる?
ルージュ:何のことかしら?
センチピード:ほら、ナイトホークスの。
センチピード:ブルズアイ逃がしたでしょ。
ルージュ:ああ……そのこと。
センチピード:あなたたちにイザコザがあるのは知ってるけど、私たちもチームでやってるわけだから、ねぇ?

 センチピードと目線を合わせ、ふっと笑顔を見せるルージュ。

ルージュ:……ふふ、身構えなくてもいいわよ。別に気にしちゃいないわ。
センチピード:それならいいんだけど。
ルージュ:これは私たちの問題だしね。
ルージュ:あの時はちょっと頭に血が上って……。
ルージュ:恥ずかしいところ見せちゃったかな。
センチピード:まぁ……本当に色々あったんだな、っていうのは伝わってきたかも。
ルージュ:それにしてもムカデちゃんたちには借りができたわねぇ。
センチピード:コーヒー一杯でいいわよ。
ルージュ:あら、シャークちゃんといいあなたといい、随分ウチのコーヒーを高く買ってくれるわね。
センチピード:えっ?
ルージュ:こないだ来た時、同じこと言ってたわ。
ルージュ:「コーヒー一杯でいいぜ」って。
ルージュ:仲が良いのね。
センチピード:……何か、癪(しゃく)だわ。
ルージュ:あはは、良いチームだと思うわよ、あなたたち。

 カップを拭くルージュ。

ルージュ:……ところで今日はコーヒー飲みに来てくれたの?
ルージュ:裏の方に用事はあるのかしら。
センチピード:うーん、個人的にはゆっくりゲームできればそれで良かったんだけど。
センチピード:あると言えばある、かな。
ルージュ:先日のこともあるしサービスしてあげるわよ。
センチピード:……ブージャムのことで、少し。

 カップを拭く手が止まる。

ルージュ:最近よく聞く名前ね。
ルージュ:余計なお世話だけどヤクネタの相手はおすすめしないわ。
センチピード:それは同感。
センチピード:正確に言うと彼の取り巻きのことなんだけど。
ルージュ:取り巻き?
ルージュ:あのニヤけ顔が癇(かん)に障る坊やかしら。
センチピード:違う。もう一人女がいるはず。

 ルージュがナイトホークスでの夜を思い出す。

ルージュ:……あぁ、あの可愛げのないお嬢さんね。
センチピード:やっぱり間違いない、か。
ルージュ:ワケあり? ご依頼とあらば洗うわよ。
センチピード:そうね……お願いしようかしら。

 同時に後方のドアが開き、一人の女性が入店する。

ルージュ:……どうやらその必要はないかもね。
センチピード:え?
ルージュ:直接聞いた方が早いんじゃないかしら。

 ルージュが来客を顎で指し示す。
 促されるようにセンチピードの視線が女の方へ向く。
 挑発的な目をした女が店主の方へ近づいていく。

スコーピオン:本当にカフェやってんだな。
ルージュ:嘘つく必要ある?
ルージュ:先日は世話になったわね。
スコーピオン:オウルの奴を撒(ま)いたんだって?
スコーピオン:やるじゃねぇか。
ルージュ:ええ、ムカデちゃんたちのおかげでね。

 センチピードに微笑みかけるルージュ。
 口を閉ざしているセンチピードを一瞥するスコーピオン。

センチピード:……。
スコーピオン:……ふん。
ルージュ:それで? 性懲りもなく「情報屋」の顔を奪いに来たってわけ?
スコーピオン:違ぇよ、客として来たんだ。
スコーピオン:中立なんだろ、あんた。
ルージュ:よくわかってるじゃない。
ルージュ:ルールを入れる頭はあるみたいで安心したわ。
スコーピオン:それが客に対する態度かよ?
ルージュ:私も人間だからねぇ。
ルージュ:それでご注文は何かしら。
スコーピオン:……欲しいネタはひとつだ。

 ため息をつくルージュ。

ルージュ:あなた、ここがどこだかちゃんとわかってる?
スコーピオン:ああ?
ルージュ:カフェに来て頼むもの、わかるかしら。
スコーピオン:んだよ、情報屋だろうがここは……。
ルージュ:カフェ「フラッパー」。表の店名、読めなかった?
スコーピオン:……ちっ。
スコーピオン:じゃあ、コーヒーくれよ。
ルージュ:かしこまりました。

 奥へ下がるルージュ。
 どかりと席へ座るスコーピオン。

 ややあってセンチピードが口を開く。

センチピード:……何してんの。
スコーピオン:聞こえただろ、情報を買いに来ただけだ。
センチピード:そうじゃない。
センチピード:何でブージャムの下になんかついてるのって話。
スコーピオン:お前には関係ねぇよ。
センチピード:らしくないじゃない。
センチピード:誰かの下につくタマじゃないでしょ、あなた。
センチピード:よりによってヤクネタの取り巻きなんて……。
スコーピオン:黙れ。
センチピード:どうかしてるわ。
スコーピオン:ボスを侮辱すんじゃねぇよ。
センチピード:姉さんっ!

 コーヒーを差し出そうとしていたルージュの手が止まる。

ルージュ:……なるほど、そういう関係。
ルージュ:はい、コーヒー。ホットでよかった?
スコーピオン:……ちっ。
センチピード:ブージャムが何をしようとしてるかは知らないけど……。
センチピード:いち殺し屋の思想の範疇(はんちゅう)じゃないことはわかるわよ。
スコーピオン:関係ねぇって言ったはずだぜ。
スコーピオン:余計な詮索はするな。
センチピード:嫌だと言ったら?
スコーピオン:ゲームじゃねぇんだぞ、これは。
センチピード:そんなのわかってる。

 強い眼差しでスコーピオンを見るセンチピード。

スコーピオン:ふん、生意気な目になったな。

 スコーピオンが席を立つ。

ルージュ:あら、飲んでいかないの?
ルージュ:せっかく淹れたのに。
スコーピオン:毒でも入ってんじゃねぇのか。
ルージュ:あなたに毒が効くかしら、サソリちゃん?
スコーピオン:はッ、やっぱ気に入らねぇぜ、あんた。
ルージュ:ふふ、こちらこそ。

 コーヒーを飲み干すスコーピオン。

スコーピオン:……欲しいのはウルフのネタだ。
スコーピオン:些細でもいい、わかってることは全て洗ってくれ。
ルージュ:破格になるわよ。
ルージュ:彼のネタとなるとなおさらね。
スコーピオン:わかってるよ。

 踵を返すスコーピオン。

センチピード:ちょっと待ってよ!
センチピード:まだ話は終わってないでしょ!
スコーピオン:これ以上ここで話すことはねぇ。
センチピード:ああそう!
センチピード:じゃあ外で話してもらおうかしら。
スコーピオン:……好きにしろよ。

 姉妹が店を出ていく。

ルージュ:……姉妹ねぇ。
ルージュ:懐かしい響きだわ。

 カップを下げるルージュ。
 カフェのドアが閉まる。

 表では先を歩いていくスコーピオンの背中をセンチピードが睨みつける。

センチピード:それで、ちゃんと答えてもらってもいい?
スコーピオン:何が知りてぇんだ、お前は。
スコーピオン:知ったところで納得できんのかよ。
センチピード:納得はできないけど理解はできるかもしれないでしょ。
スコーピオン:お前にそれだけの器量があるのか?
センチピード:馬鹿にしないでよ。
スコーピオン:……ふん。

 スコーピオンの足が止まり、振り返る。

スコーピオン:ボス……ブージャムは、私らみてぇなつま弾きモンの為に裏の世界を変えようとしてる。
センチピード:そこがわからないのよ。
センチピード:結局は私欲の為でしょう?
センチピード:殺し屋なんてそういう生き物よ。
センチピード:なぜ誰かの為だなんて綺麗ごとが彼の口から出てくるのかしら。
スコーピオン:ボスは違う。……あの人だけは。
センチピード:姉さん。あなたがブージャムに執心するのは勝手だけど、同業を巻き込むのはお門違いよ。
スコーピオン:お門違いだぁ?
スコーピオン:正解なんてあんのか、殺し屋の世界によ。
センチピード:ルールはあるわ。
スコーピオン:けっ、お前も情報屋も、型にはめるのが好きみてぇだな。
センチピード:身の程を知るべきね。
スコーピオン:大層な口利くようになったなぁ、オイ。

 スコーピオンが近づいていく。
 お互いが譲る気配のない目。

センチピード:……。
スコーピオン:お互いゴチャゴチャ言ってもよ、
スコーピオン:結局はてめぇがやりてぇようにやるだけだ。そうだろ?
センチピード:……姉さん。
スコーピオン:屁理屈こね回すのは勝手だが、私らの邪魔だけはすんな。
スコーピオン:いいな。
センチピード:生憎だけど私もやりたいようにやるわよ。
スコーピオン:へぇ?
センチピード:ここで姉さんを止めるのも自由でしょ。

 流れるようにセンチピードの懐からナイフが抜かれる。

スコーピオン:得にならねぇことすんじゃねぇよ。
スコーピオン:殺し屋だろ、お前。
センチピード:理屈じゃないのよ、これは。
スコーピオン:……馬鹿が。

 つかの間の緊迫した空気。
 静寂を裂くように、センチピードがナイフを振るう。
 応戦するスコーピオン。

センチピード:(姉さんはいつも私の先を歩いていた。)
センチピード:(私は必死でその後をついていく。)
センチピード:(弱者が喰われるこの街じゃ、姉さんの背に縋るしかなかったから。)

スコーピオン:一度でも私に勝てたこと、あったかよ。
センチピード:昔の話でしょ。
スコーピオン:変わらねぇさ。
スコーピオン:まだ現実が見えちゃいねぇ。
センチピード:ッ!

 鋭く振るわれる刃は次々といなされる。

センチピード:(そう、姉さんに勝てたことはなかった。)
センチピード:(意思も、度胸も、殺し屋としての腕も、何もかも。)
センチピード:(いつの間にかゲームの中に逃げるようになったっけ。)
センチピード:(思えば、足りない穴を非現実の中でなら埋められてた気になってたのかもしれない。)

スコーピオン:おら、こっちだ!
センチピード:……あああッ!

 ナイフの切っ先が空を切る。

センチピード:(だけど、あなたは決して私を置いていくことはなかった。)
センチピード:(今だって私を呼んでくれる。)
センチピード:(口の悪さもぶっきらぼうな態度も変わらないけれど、ちゃんと私と向き合ってくれるのね。)

 ことごとく攻撃をかわされ、息が上がっているセンチピード。
 その様子をスコーピオンが見下ろす。

センチピード:はぁッ、はぁッ……。
スコーピオン:もうやめろ。時間の無駄だ。
センチピード:……やめない。
スコーピオン:意地張ってんじゃねぇよ。
センチピード:嫌なのよ!
スコーピオン:何?
センチピード:姉さんは姉さんらしくいてよ。
センチピード:誰かに従って自分を曲げるのはやめて。
スコーピオン:……。
センチピード:真っ直ぐに先を歩くあなたに、私は……。
スコーピオン:ならさっさと裾(すそ)でも掴んでみろよ。
センチピード:言われなくてもね!

 振り抜いたナイフはかわされ、伸びた腕が極められる。

センチピード:う……ぐッ。
スコーピオン:不用意な大振りが多すぎんだよ。
スコーピオン:簡単に腕極(き)められんだろうが。
スコーピオン:こうなったらナイフ奪われて終いだ。

 手から奪われたナイフが地面に落とされる。

センチピード:くっ……。
スコーピオン:私は自分の生き方を曲げちゃいねぇ。
センチピード:何でそんなこと……。
スコーピオン:ボスの目指す世界を見てみてぇんだ。
スコーピオン:そこでなら、私みてぇな人殺しの才能しかねぇ奴も楽に息が吸える。
センチピード:駄目よ、望んじゃいけない。
スコーピオン:私だけじゃねぇ。

 極めていた腕が放される。

スコーピオン:お前も認めてもらえる。
センチピード:姉さん……。
スコーピオン:丸ごとひっくり返るぜ。
スコーピオン:「殺し屋」の時代が来る。
スコーピオン:権力だの地位だのクソくだらねぇモンに代わって、金と強さが明快なステータスになる。
センチピード:……。
スコーピオン:賛同はしなくていい。
スコーピオン:代わりに邪魔立てはすんな。
スコーピオン:そうすりゃ、お仲間も消されることはねぇよ。

 息を整えたセンチピードが体勢を正し、向き直る。

センチピード:ご忠告どうも。
センチピード:別にヤクネタ相手にどうこうするつもりはないわ。
スコーピオン:賢明だな。
センチピード:ただ、姉さんは止めるから。

 真っ直ぐな瞳に呆れ、息をつくスコーピオン。

スコーピオン:……撤回するぜ。
スコーピオン:お前の頭がそこまで堅ぇとは思わなかった。
センチピード:誰に似たのかしらね!

 地面に落ちたナイフを拾い、再び間合いが詰められる。

センチピード:(私は肩を並べたかった。)
センチピード:(世の中より、姉さんから認めてもらいたかったのよ。)
センチピード:(こんな吹き溜まりの中で、虫けらのように生まれた私たちなのに……常に強く在ろうとするあなたが好きだった。)

 センチピードの攻撃の勢いが増していく。

スコーピオン:て……っめぇッ!
センチピード:あああッ!

 一閃の後、ナイフの刃がスコーピオンの首筋で止まる。

センチピード:ハァッ、ハァッ……。
スコーピオン:……ふん、手数に頼りすぎだがマシな動きもできんじゃねぇか。
センチピード:姉さん……。
スコーピオン:私を止めてぇならそのまま掻っ切れよ。
センチピード:……馬鹿。
スコーピオン:お互い様だろ。

 切っ先が引かれ、ナイフが下ろされる。

センチピード:もう背中を追うだけじゃないわよ。
スコーピオン:……みてぇだな。
センチピード:何度でも止めるから。
センチピード:見かけによらずロマンチストなところあるみたいだし、私が現実を教えてあげなきゃ。
スコーピオン:吹きやがって。
スコーピオン:……忠告はしたからな。
センチピード:勝手にさせてもらうわ。
スコーピオン:けッ。

 背を向けるスコーピオン。

スコーピオン:……お前。
センチピード:?
スコーピオン:強くなったな。

 去っていく背中が幼い頃に見ていた風景と重なる。
 目を伏せるセンチピード。

センチピード:……ホント、馬鹿よ。……姉さん。

 再び顔を上げた先には、すでに姉の姿はない。

 カフェ「フラッパー」。
 頬杖をついたルージュがトントン、とテーブルを指で鳴らす。

ルージュ:全く、店先で姉妹喧嘩なんて騒ぎ、いい迷惑よ?
センチピード:悪かったわ。
センチピード:熱くなっちゃって……合理的じゃなかったわね。
ルージュ:まぁ身内絡みみたいだし、今回は大目に見てあげる。
センチピード:ありがと。
ルージュ:で、どうする? ムカデちゃん。
ルージュ:お望みならご依頼通り洗うわよ。
ルージュ:お姉さんのこと。
センチピード:……。
ルージュ:「情報は銃より強し」……ってね。
センチピード:……やめとく。
ルージュ:いいの?
センチピード:よく考えたら素性もクソもないわ。
センチピード:私が一番よく知ってるもの。
センチピード:あの人のことなら。
ルージュ:ふふ、それもそうね。
センチピード:……コーヒー、もう一杯もらえる?
ルージュ:ええ、かしこまりました。

 コーヒーを淹れるルージュ。
 虚空を見つめるセンチピードの目には決心の色が浮かぶ。

ルージュ:……あら、ゲームしてないんだ。
センチピード:気分じゃないから。
ルージュ:そう。まぁ、そういう日もあるでしょうね。

 カップに満たされるコーヒーの香りが店内を包む。

スコーピオン:(つま弾きモンが息をひそめて生きるのは終わりだ。)
スコーピオン:(「殺し」という牙を持った奴らが、観覧席でふんぞり返ってる馬鹿どもを引きずり下ろす番が来る。)
スコーピオン:(もう虫けらみてぇに地べたを這う必要はねぇ。)
スコーピオン:(私がやってやる。)
スコーピオン:(当然だ。)

センチピード:(姉さんが強く在ろうとするのはいつも自分の為じゃないわよね。)
センチピード:(そういうところ似てるわ。)
センチピード:(生意気で真っ直ぐな相棒に。)
センチピード:(だから、前が見えてない時は私が止めるわよ。)
センチピード:(当然よね。)

スコーピオン:(私は、お前の姉だから。)

センチピード:(私は、あなたの妹だから。)


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