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古着の黒。


こんにちは!まつやんです!



皆様いかがお過ごしでしょうか。

早いことに今年も9月になり、暦上では「夏」も終わりに差し掛かっております。

みなさんは、今年の夏、エンジョイできたでしょうか。

私は、何も夏らしいことをすることなく、自粛、自粛で今年の夏を終えてしまいました...。泣

それもそのはず、今年はみなさんもお分かりのこと自粛せざるを得ない日常が続いており、私の所属するUtahの店舗でも現在は時短営業を余儀なくされております。


店頭に来店するのも躊躇して当然の状況下ですので、ブログとして文章に起こしながら少しでも多くの方に商品をご紹介出来たらなと今は強く感じているところです。

ほんとは、店頭で細々とご説明しながら楽しくやれたらいい話しなのですが、そうもいかない現状ですので...。



ですので、毎度長くはなりますが今回もお付き合いください。笑




さて、今回ご紹介いたしますのは

『ヨーロッパヴィンテージ』


のパンツです。


ここまで、私がブログでご紹介してきた物は、ほとんどがアメリカ物になりますので、今回はちょっと違います。

アメリカンスタイルが元々大好きな自分にとってヨーロッパアイテムの解釈は、歳を重ねるつれ日に日に上がってきており、新しい発見も多くあります。

というよりかは、掘れば掘るほど面白いといった感じでしょうか。なぜなら、アメリカでは当たり前とされていたことがヨーロッパでは全然当たり前じゃない、そういった解釈も多々あるからです。

90〜00年にかけての日本のブランド解釈は「アメカジ」という言葉があるようにほとんどがアメリカ解釈で商品を作るブランドが多く存在しておりました。

ですが、時代の進化と、洋服に対する解釈の変化からヨーロッパ解釈のブランドも今となればかなり増え、そんな時代の流れが古着界にも浸透してきております。アメリカ買い付けを基本ベースとする当店のような古着屋店舗も、今となってはヨーロッパ系アイテムというのは無くてはならない存在になりつつあります。

では、なぜ今ヨーロッパが人気なのか。自論ですが、単純にいうならヨーロッパ物は、アメリカほど無骨なテイストがなく、クリーンなテンションで着用出来ることです。アメリカには出せない絶妙な空気感から、セクシーさすらも醸し出しちゃうのがヨーロッパ系のアイテムの特徴の一つでもあります。

また、ヨーロッパのワークウェアのデザイン性は、近年では特にアパレル業界でリソースされていて、有名なところでは「マルタン・マルジェラ」や「コムデギャルソン」なんかも、ユーロワークウェアをデザインエッセンスとして取り入れているのはもはや有名な話しです。

そんな中、一番こぞってファンの多いのが『フレンチワーク』と呼ばれるラインになります。名前の通りフランス製のワークアイテムを指すわけですが、元々は工場などでの作業服として用いられたのが事の発端です。

作業着に目をつけそれが当たり前にファッションアイテムに落とし込まれているわけですから、今となっては凄いことですよね。笑

世に落とし込んだ先駆者と呼ばれる方は相当柔軟で解釈が柔らかい方なんだなあと。笑



そのフレンチワークの中でも極めて珍しいと言われるているのが、

『モールスキン』


という生地を使ったアイテムになります。



では『モールスキン』とはどんな生地か皆さんはご存知でしょうか。

ご存知の方もちらほらいらっしゃると思いますが、近年のユーロワークのブームに先立ち、ネーミングばかり先行しちゃって名前は聞いたことあるけど、実はどういうものかは知らないという方もいらっしゃると思います。

それもそのはず、現物すらなかなか店頭でお見せするのが珍しい希少なアイテムですから、仕方のないことだとも私の中では思っております。


そもそも、モールスキンというは、モグラの毛皮のような感触のある、厚みのある綿素材の事を指します。

モール(mole)+ モグラのスキン(skin)=肌という意味です。


モールスキンのアイテムは、主に1910年代くらいから50年代くらいまでフランスのワークウェアとして使われてきましたが、綿を緻密に織り上げるため、大量生産が難しく、今となっては非常に入手が困難なラインになります。

アメリカで言うところの「デニム」のように、フランスでは大衆に受け入れられていた身近な素材だったとも言われており、中でも炭鉱夫を中心に着用されていたようです。

それが、月日が経つにつれ国民に受け入れられ、ファッションアイテムとして注目されるようになったというのが時代背景となります。

現在でもユーズドのモールスキンは「フレンチビンテージ」の鉄板として、多くのファッショニスタに愛され続けております。


そんなフレンチモールスキンの中でも絶大な人気を誇るのが、『黒』のモールスキンです。定番とも言えるインクブルーのモデルに比べ、ブラックのモールスキンとなると球数はさらに少なく、その希少性は極めて高くなります。


ですが、なんと今回は

そんな『ブラックモールスキン』のパンツですが、今回2種類ご用意できました。





当店でもこちらのパンツの入荷は始めてのことです。

単純に『黒』という色は、洋服を組み合わせてコーディネートする上では、非常に安定感があり、誰しもが手にしやすい色味です。

では、なぜ今回のテーマが『古着の黒』というのかそこが重要になります。古着市場において「黒」色のアイテムの希少性を私が改めて問いたいがためだったわけですが、色が「黒」になるだけで価格帯がガラッと変わってきてしまいます。探求して古着を掘る側としては頭を悩ませるポイントなのではないでしょうか。


中でも有名どころだとモヘアカーディガン、レーヨンシャツ、リバーススウェット、シャンブレーシャツ、リーバイスのデニムジャケットなど、黒になるだけで価格帯が変わってきてしまうアイテムも今や多く存在しており、ヴィンテージともいえないレギュラー商品までもが「黒」色の価値がつき始めている時代になってきております。


この件に関しては、モールスキンのアイテムにも同じことが言えます。市場に出回るモールスキンの9割方がインクブルーになり、ブラックのモールスキンとなると市場にもなかなかで回らないラインにもなります。

またブラックの方のモールスキンは、元々、油作業用として作られピンポイントな製造のされ方もしていたということもあり、球数がそもそもあまり多くないということも分かっております。

個体としても、モールスキン特有の厚地でマットな生地感は適度に上品な光沢を放つ生地感になります。これはまさに唯一無二の存在です。




① 1960's "Le Laboureur" 
French work black moleskin pants.

Le Laboureur(ル ラブルール)は、1956年創業のブランドで、フランス最古のワークブランドのひとつ。

南フランスのマーケットで、作業服を販売していた創業者が 古い農夫の作業服からインスピレーションを得て、地元の資材と高品質な素材を使った 自身のブランドLE LABOUREUR(ル・ラブルール)の生産を1956年にフランス・ディゴワンでスタートさせたブランド。

生地から縫製まで全ての工程をフランス人によって作られております稀有なブランドになります。







モールスキンがすごいのは、柔らかい手触りだけではなく、その丈夫さでもあります。同じコットンで作られている、キャンバスやデニムなんかよりも丈夫と言われているんです。

こちらのパンツは、絶妙な色落ちのフェードが非常に鮮やかで、私も実際に私物でも一本所有しておりますが、生地感が滑らかで非常に履きやすいパンツです。

経年変化により、グレー色にフェードがかったすみ黒の色味は絶妙な渋みを生みます。



また、膝には、綾織り、平織りを組み合わせた「ピケ」と言われる畝織りの生地が貼られており、これもまた作りの凝ったオーラあるパンツに仕上がっております。

ピケ素材自体はヴィンテージリーバイスのトップスやパンツでも存在しますが、その希少性は計り知れず、知る人と知る生地感です。元々、こちらはワークパンツですので、膝には強度を出すために二重構造にしてあるのだとも考えられます。そうだとしても非常に贅沢なパンツです。

着こなし的には、私なら少しクラシックにジャケット合わせをしたりしちゃいますかね。秋冬にかけては、この手のパンツのテイストはスタイリングにおいてかなり重宝すると思います。






ウエスト : 94cm
股上 : 34cm
股下 : 75cm
ワタリ幅 : 37cm
裾幅 : 21cm

着用STAFF : 165cm 54kg


¥36080 (in tax)




② 40's "MAXIMUM" French work black moleskin pants.

40年代前後の"MAXIMUM"製 フレンチワークブラックモールスキンパンツです。

ここまでくるともはやアートですね。笑

生地は1本目でご紹介した物より分厚く、こちらはさすがヴィンテージと言わんばかりなオーラを放ちます。無地でもここまでの雰囲気が出せるのはヴィンテージ物ならではです。ここまでのレベルとなると、今後の入荷もほとんどないとも思われますし、個体が現存しているというのも凄いことなので、是非一度店頭で実際に見てもらいたい。そういったアイテムです。

こちらは、ウエストが元々42インチあった物をタックを入れリメイクを施しております。

年代判別のディテールとして、ウエスト回りなどに付属するメタルボタンや、"MAXIMUM"の刺繍赤タグ、サスペンダーボタンに針刺しのシンチバックなどのディテールを含めまして30〜40年代のパンツになるかと思われます。














モールスキン独自の独特な生地感をうまく画像上で見ていただきたかったので、自然光に当てたり、当てなかったりして撮影してみました。笑 

モールスキン特有のツヤ感と重厚感は、他のパンツには出せない独自の魅力です。

あえて、ブラックコーデでスタイルを組みました。圧倒的な存在感ですよね。




ウエスト : 88cm
股上 : 43cm
股下 : 67cm
ワタリ幅 : 38cm
裾幅 : 21cm

着用STAFF : 165cm 54kg


¥47080 (in tax)




いかがでしたでしょうか。


こちらは、9/4(土)12:00より店頭とオンラインストアで同時販売いたします。



なかなかない機会ですので、是非一度ご検討ください。



以上、まつやんでした。

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