わたしと老い

ハイティーンから20代中ごろの私は至極パワフルだった。若さとノリと勢いだけで目の前の問題をひょいと乗り越え、周りから「いつもアクティブだね」と言われることが誉れだとも感じていた。

28歳の時に出産。自分ファーストから「自分が目を離してしまったら生きていけない」存在を育てるフェイズに移行。それでも私は、パワフルで若いお母さんの一人だった。子どもを自転車に乗せて往復30km電動自転車で移動し、昼寝を挟みつつも朝も夕も外に出かけ、やれベビースイミングやれ育児付き講座だ、夜は飲むぞ、と日々動き回っていた。

そして40代に突入。昔よりストレッチしたりヨガしたり、毎朝歩いたりと筋肉と健康に意識を向けて生活しているし、気は衰えてはいないつもり。だけれども遠くのほうからやっていくる暗雲のように、じわじわとひたひたとエンジンの衰退を感じる。ふんばれない、馬力がきかない、疲れちゃったらいったんきちんと休まないと進めない。

自分が老いることについて想像すらつかなかった20年前と、目を閉じて次開いたら老いというものがすぐ目の前に居そうな気配すらする今。老いることは敵ではない。自分のペースで、老いを受け入れ、然るべきスピードで老いていくのかと思うと、人生はまだまだ知らない世界が広がってるんだなと胸が躍る。

2022/07/06 10:21

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