遠野妖物語7
最初の子は目が黒かった。だから喰った。次の子も目が黒かった。だから千切って捨てた。「何が足りぬ」「美酒じゃろう」「絹じゃろう」友の助言のままに極上の酒と最上の絹を女に与えた。けれど子の目は黒かった。「何が足りぬ」「愛にございます」それは里にあると女は言った。愛を取りに山を下りた女は二度と戻らなかった。
原文:柳田国男『遠野物語』七(http://www.aozora.gr.jp/cards/001566/files/52504_49667.html)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?