遠野妖物語11

やがて大谷地の主の元へ、小さな焰が一つ流れ着いた。彼岸の門口を訪れるは、当然ながら生から逃れた魂である。みればあの笛の男の面影があった。殺された妹なのだろう。主は問うた。「なぜ呪わぬのか」「我が子は愛おしいもの」なるほど、狂った息子の母もやはり壊れていたのだ。

原文:柳田国男『遠野物語』十一 http://www.aozora.gr.jp/cards/001566/files/52504_49667.html

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