おばあちゃんの野菜

おばあちゃんは畑仕事が生きがいだった。

うちだけでは食べきれないほどの野菜を作って、人にあげて喜んでもらうのが好きだった。
毎日欠かさず畑へ行き、色んな野菜を作っていた。

なのに私は野菜が嫌いで…帰省しても野菜は食べないし、もちろん持って帰ったりもしなかった。
『あんたは何も食べんから精がない』
おばあちゃんがよくポロッとこぼしていた。

そんなおばあちゃんも数年前に他界した。

最期の数ヶ月は寝たきりだったけど、毎日のように畑を気にしていたそうだ。

10年前の私へ

おばあちゃんの作った野菜
食べてみようよ
もうすぐ食べれなくなるんだよ

今も野菜は嫌い。
でも、おばあちゃんの作った野菜は食べたいよ。
食べてあげられなくてごめんね……。

#10年前の自分にかける言葉