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お笑いを好きになったきっかけは、小林賢太郎だった。

忘れもしない感情


私が小学校高学年だったある日、姉が「これ観て〜」と言いながら携帯の画面を差し出してきた。よく分からないままだったが、気づけば画面に釘付けになっていた。

後から知った。このとき観させられたのは、ラーメンズの「アトムより」であった。



ここから少しネタバレを含むのでもしまだ「アトムより」を観ていない方がいれば、是非とも公式Youtubeで観てから帰ってきていただきたい。


アトムより from『ATOM』


単刀直入に言うと、怖かった。

この日は私にとって、”初めて小林賢太郎作品を観た記念日”というだけでなく、”初めてコントを観て泣いた記念日”にもなってしまったのだ。


バッテリー、あったかなぁー


幼い私は、このセリフを聞いて涙を流した。

理解するのに10秒はかかった。もしかしたらそれ以上だったかもしれない。

単純に怖くて、その後しばらくは自分からラーメンズに触れることはなかった。



約1ヶ月後、ふと思い出して検索してみることにした。

Youtubeで、”ラーメンズ”と。

驚くことに公式チャンネルで100本もの動画が出てきた。




そこから貪るように彼らのコントを観る日々が続いた。


カジャラ


初めて生で観た小林賢太郎作品は『カジャラ#2裸の王様』であった。


「小林賢太郎って、実在してるのか……」

始まった瞬間の感想は間違いなくこれだった。


ずっと画面越しでしか観てこなかった世界に自分が入っているのが信じられなかった。

でも、こんなのはあとから振り返ってみて思うことであり、実際その場にいた私は何も考える余裕がないほど、気づかぬうちに小林賢太郎の世界に引きずり込まれていたのだと思う。


それから毎年カジャラを観に行くのが恒例となった。

第2回から第4回まで、たったの3回であったがしっかりと心の中に思い出として刻まれている。


すべての始まり


こうして過去を振り返ると、すべての始まりは小林賢太郎にあるのではないかと思う。

お笑いが好きで、観ることが一つの生きがいである私は小林賢太郎なしでは存在しない私である。



そういえばお笑いというものを生で観たのもカジャラが初めてだった。

初めて自分のお金でグッズを買ったのもカジャラ。

友達に初めてオススメしたコンビはラーメンズで、

幼いながらに時間をかけて一生懸命書いた初めてのファンレターは小林賢太郎宛てだった。





そんな人が芸能活動から引退した今、彼が自ら残してくれたたくさんの作品、そして私に気づかせてくれた広いお笑いの世界と共にこれからも生きていきたいと強く思っている。



いつかもう一度、彼の作品を彼の表現方法で観れると信じながら。


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