20231216 ogre you asshole @恵比寿liquid room

2年ぶりくらいかと思ったら5年ぶりくらいかもしれないogre のlive。

夕方に家を出て18:00過ぎに恵比寿駅に到着。これと言って寄るところもなく、会場のliquid roomに直行。

大半の人が電子チケットでスマートに入場する中、ポケットから折り曲げた紙チケットを取り出し、ドリンク代の100円玉をおっことす。

鈍臭い感じではあったが、無事入場ゲートを潜り抜け、早々にドリンクチケットと交換したピンクレモネードを飲み干し、4名全員がよく見える後方にポジションどりすることに成功した。

BGMはogreに似合うミニマルな感じの曲が続いていたが、途中、急に普通にいい感じの洋楽女性ボーカルの曲が流れて来て逆に不気味。

周りを見渡してみると、性別、年代も比較的幅広いが、やはり、20代くらいの人が1番多いのではないだろうか。落ち着いた色味の普通の格好の人が多いが、よく見るとプリントされてる絵柄が変だったりする。ブロンドヘアの外国の方の姿も見える。

満員のフロアで、ライブハウスのスタッフが、"前方に詰めてくださ〜い"と声を張り上げている。

背後からは、
「ノイズが長いところで他のこと考えちゃうんだよね〜」
「わかる〜」
という話し声が聞こえてくる。
私もわかります。
が、友達とか恋人とogre観に来られる人ってすごいですね。私ならogreに浸っちゃってる自分、知ってる人に見られたくない。
以前、同僚から好きな音楽について問われて口篭っていると、"人に知られたくない趣味でもあるの?"と問い詰められたことがある。
その時、私の脳裏にはogreのLiveを見ている自分の姿が浮かんでいた。特別おかしなノリ方をしてる訳ではなく、大人しく耳を傾けているだけなのだが、何故か人には見られたくないのである。誰かと一緒にここに来ている人は、そういうのを乗り越えてきたのだろうか。

他人を見てあれこれ好き勝手なことを考えるのも失礼なので、スマートフォンを開いてみるが、特にチェックすべき情報はないので、目の前にでかい人が立ちはだからないことを祈りつつ、時が流れるのをただ立って、ただ待った。

30分ほどして、その願いが叶い、視界良好のまま定刻を迎える。

馬渕、勝浦、清水、出戸の4名が静かに登場し、定位置に着く。

客席からの歓声とは裏腹に、出戸がいつもの調子で
"あ、ども、オウガユーアスホールです。"
と素っ気無い挨拶をし、本日のLiveの幕開きとなる。

最初、2曲くらいメロウな曲が続く。
今はこういうモードなのかな、と思ったのも束の間、一転、素敵な予感で暗黒なムードに。フロアから、日頃の鬱憤を晴らすかのような嬌声が一斉に湧き上がり、思わず笑みが溢れる。

それからの記憶は断片的で、上手く説明できない。

特に印象的だったのは、最新アルバムから"家の外"。はじめ、ドラムの勝浦のみに紫色のピンスポットがあたる。ドゥクドゥクした機械音とドラムがまるで掛け合いしているかのようである。

ステージで鳴らされる音の波が、身体に直接バンバン当たってくる。

低音がなくなって、高音だけになるところで身体が浮き上がっていきそうな感覚を覚える。ジェットコースターで落下するときに下腹がヒンヤリするあの感じが近い。

ドラム、ギター、ベース、ボーカルだけでない奇妙な音が混ざって聴こえる。

素人には理解できない難しい操作を、PAの方が色々やっているのだろう。

ドラムがおとなしくなったところで油断していると、ボーカルがウニョウニョして聴こえてきて、視界が歪んでくる。"いかん!"っとかぶりをふって正気に戻す。

アンコール。来年、出戸と馬渕の地元である長野県原村でイベントをやるらしい。

"かなりスペシャルなゲストも呼ぼうと思うんで、、、みなさん、たぶん、、、、、、来てください。"

演奏と反して控えめな告知である。

1曲演奏して、あっさり客電がつく。

そして、私は元の能面に戻り、ポストロックがどうのこうの、、、と話す人群から離れ、ogreのoの字も聴こえない日常に戻るのであった。

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