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5月8日

5月8日。


別れた息子の誕生日。

俺には新しい家族が出来た。もちろん全力で守っていく。愛していく。

でも。

新しい家族が出来ても、未だに忘れた事は一度もない。

毎日君の事を思っているよ。

ずっと会いたいって思ってる。

いつか話したいって。

ごめんね

ありがとう

って会って伝えたい。

抱きしめてやりたい。

ずっとずっと願ってる。

Yuukiがいつか分かる時が来たら、俺は包み隠さずに話そうと決めている。

分かってもらえるまで伝えようと。

側からみたら、これは単なる男のエゴだと思われても仕方ない。

被害者ぶってると思われるかもしれない。

世間のシングルマザーの人からしたら、自分の経験と重ね、は?何を今更って否定するかもしれない。

それでも良い。

どう思われようが、俺は息子を愛していたし、今でも愛している。

こうなった責任は俺にある。全て俺が悪い。

酒に溺れていった生活。荒れた生活。

離れて正解だったと思う。

2年前の5月8日に俺はアルコール依存症と認め(認めきれてはなかった)初めて病院に行った。


精神も身体もボロボロになって歩く事すら辛くて。

待合室で座ってカレンダーを見た時に5月8日、息子の誕生日って事に気づいた。

そんな大切な日を忘れるほどに酒に溺れていた。

情けなくて情けなくて涙が出てきたのを覚えてる。

泣きながら奥の閉鎖病棟を見ていたよ。

(そこからまたスリップして飲んでしまう事になり10月15日から断酒を決意したんだけど)

会いたくて、孤独で、でも酒飲んでる時はその辛さを忘れる事が出来た。

忘れてく。その時だけは忘れられる。

でも誕生日を忘れてた自分に腹が立って、情けなくて、ぶつける事のできない怒りと戦っていた。

君に会えなかろうが容赦なく俺の人生は続いていった。

死にたくて何度も死のうとしたけど、いつも最後は死ぬ勇気がなかった。

いっそ痛みが伴わないなら誰かに殺して欲しかった。

でも、もう逃げないと誓ったんだ。

真実から目を背けずに、自分の今の環境や状況を受け入れて前に進むしかなかった。

アルコールは俺の身体ももちろんだが、精神をかなり蝕んでいた。

病院に向かわせてくれた妻には心から感謝を送りたい。

全てを受け入れてくれて今の俺と一緒になってくれた。

相当な覚悟がないと無理だと思う。

反対をもろともせずに、自分の気持ちと向き合ってくれた。

そんな妻が書き留めていた言葉がぶっ刺さったので、今日の最後の言葉にしたいと思います。

『私たちにとって、出会ってから歩みよる時、悩みを打ち明ける時、共に歩み始める時の決断は勇気のいるものでした。励まし合って希望を持つことが全てでした。これからは息子の名前を呼ぶたびに私たちの心に希望の火が灯り笑顔になることができます』

Yuuki

産まれてきてくれてありがとう。

R,S

ごめんね。心から愛してるよ。

こんな俺を許してくれとは言わない。会った時は君達の全てを受け入れる。俺は前を向くしかなかったんだ。

君達の幸せを心から願ってます。

また書きます。


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