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魔法使いのジュリア6 七色猫のエルム

 あるときジュリアのつくった虹から生まれた、ふしぎな猫エルムのお話です。
 ジュリアの住んでいるところでは、地区の子供会というのがあって、イベントをやるときには、ジュリアも駆り出されるのでした。
 夏が近づいてくるころには、近くの公園に花壇をつくることになりました。
 れんがで枠組みをつくり、土を掘り返して、みんなで種をまきます。あさがお、ひまわり、ホウセンカ、キンギョソウ・・・。ときどき、水やり当番がまわってきて、その日は公園の水道から、じょうろに水を汲んでまくのでした。
 やがて草花は芽を出し、葉を茂らせて大きくなり、花を咲かせます。
 ジュリアが綺麗だなと思うのは、マリゴールドでした。深いオレンジや緋色の花びらのふちをかがやく金糸でかがったようで、美しくゴージャス、夏の日差しによく映えます。
 ある土曜日の午後のこと、花壇の草むしりをするというので、また子供たちが集められました。草むしりそのものはただ面倒なだけでしたけど、終わってから、公園の水道で手を洗うついでに、みんなで水遊びをしました。
 蛇口をまわして上向きにし、勢いよく水を出すと、水の流れは空中に大きく弧を描いて、草地をうるおします。と、水のしぶきの中に、小さな虹が見えました! 
「うわーっ、きれい! 虹だ、虹だ!」
 ジュリアたちは大はしゃぎ。夢中になって、どの角度で水を出すときれいな虹が出るか、いろいろ試してみます。
 と、ある瞬間、虹が何か小さな動物の形になって、ぱっと飛び去ったのが見えた気がしました。
 あれ? ジュリアはふしぎに思って振り返りますが、もう何も見えません。見間違いだったかな。

 ひとしきり遊んだあと、子供たちはめいめいの家へ帰っていきました。
 ジュリアも帰ろうとしたとき、ふと見ると、公園の石の門柱の上に、何かふわふわした生き物がまるくなって昼寝しているのに気がつきました。猫のような姿ですが、毛並みは淡い、虹の七色をしていて、しかも、端のほうは半透明になってちょっぴり透けて見えるのです。
 まあ、何てきれいな生き物! 虹の精かしら。
 ジュリアは伸びあがって、指の先でそっと毛並みに触れてみました。
「猫さん、猫さん。ちょっとうちに遊びに来ない? ミルクをあげるわ」
 猫は、うっすら片目を開けると、ふわ~あとあくびをして、それからうーんと伸びをしました。
「なに、ミルクをくれるって? そいつは悪くないね」
 猫は門柱の上から軽やかに飛び降りると、ふわふわのしっぽを立てて、ジュリアのあとについてきました。
「あなたは、虹猫さん?」
「まあね。さっき、君たちがつくった虹から生まれたんだよ」
 家に着くと、ジュリアがベランダに出してやったお皿から、ぺちゃぺちゃおいしそうにミルクを飲みました。
 ジュリアはそばにしゃがんで、そのようすを眺めます。日差しにかがやく七色の毛並み、毛先はこまかく光って、とてもきれいです。
「にゃ~お。ごちそうさま。ちょっと部屋の中を探検してもいい?」
 言うなり、猫はジュリアの机に、ひらりと飛び乗りました。とたんにふっと姿が消えてしまい、ジュリアはびっくり。
「あれ? 猫さん? 猫さん?」
「何を驚いているの。ボクはここにいるよ」
と、猫の声が聞こえてきました。
「ぼくら、虹の一族だから、光の当たっていないところでは、姿が見えなくなってしまうんだ。でも、ちゃんとここにいるよ、しゃべれるし、ひっかけるし、ものを落とすのだって朝飯前」
 というまもなく、ジュリアの机から、小さなサボテンの鉢、ノートブックや、ペンや辞書などが次々と落ちてきました。
「分かった、分かった。いるのは分かったから、お願い、ものを落とさないで」
 猫が光の当たるベランダへ出てくると、再び姿が見えるようになりました。
「驚いたなあ、変幻自在ね」
「まあね」
と言って、猫は優雅に毛づくろいを始めました。
「ボクはエルムっていうんだ。よろしくね」

 それからというもの、猫のエルムは、ときどきジュリアのうちのベランダにやってきて、昼寝したり、ミルクを飲んだりするようになりました。
 といっても、姿が見えるのは日が出ているときだけで、それ以外のときは、見えません。ただ、お皿のミルクが減っているので、エルムが来たことが分かるのでした。
 いちど、ベランダでエルムが昼寝しているのに気づかず、うっかりしっぽを踏んでしまったことがあります。
 フギャッ! という声がして、ジュリアは目に見えない爪で足をひっかかれてしまいました。姿が見えないのも、時によっては困りものです。
 そのうちに、ジュリアの肩の上に乗って出かけるのが、エルムのお気に入りになりました。エルムは光のかけらのように軽くて、重みはほとんどありません。ジュリアの肩に乗ったまま、彼女が公園の花壇の水やりに行ったり、ピアノのレッスンに行ったり、ちょっとお使いを頼まれて、近所のお店に行ったりするのについていきました。
 建物の中に入れば、たいていエルムの姿は見えないので、人に気づかれることはありません。ママやほかの人たちに気づかれないまま、エルムを肩に乗せているのは面白いことでした。首すじやほっぺたに、エルムのふわふわの毛並みが当たります。ときには猫のひげが、耳をくすぐります。
「ひげがくすぐったいよ、エルム!」
 ジュリアは人に聞かれないよう、小声でささやきます。
「え? なになに?」
 エルムが聞き返すと、またひげが耳のところで動いて、ジュリアはこらえきれずにくすくす笑い出してしまいます。
 食料品店の主人や、お客さんが、ふしぎな顔で振り返りました。

 ある日のことです。
 ジュリアがいつものように学校に着いて、自転車のかごからカバンを取り出そうと手を伸ばすと、何かふわふわした、あたたかいものに触りました。
「エルム! あなた、自転車に乗っていたの?」
 その日は曇りだったので、エルムの姿が見えず、気づかなかったのです。
「ふわ~あ。かごの中で寝てたんですよ。ここはどこ?」
 姿は見えませんが、エルムがいつものように伸びをしているのが分かります。
「あなた、私といっしょに学校へ来ちゃったのよ」
 ジュリアは、声をひそめてささやきます。
「学校? 何ですか、それ?」
「子どもが来なきゃいけないところ」
「いつ帰ります?」
「6時間後ね。あなた、それまでここで待っていられる?」
「長いなー! そんなに待ってられないよ。君といっしょに、その学校とやらに行ってもいい?」
「まあ、いいわ。いつものように、私の肩に乗ってらっしゃい。人がいっぱいいるけど、何とか気づかれずにすむことを祈るわ」

 学校での一日は、のっけから波乱含みで始まりました。
 窓際のジュリアの席は、日が射したらおしまいです。曇り空が少し明るくなってくると気が気ではなく、あわてて席を立ってカーテンを閉めようとしました。すると、
「どうして閉めるんですか、ジュリア? せっかくのお天気ですから、開けておきなさい!」
と、先生に言われてしまいました。
 ジュリアはしぶしぶ席に戻ると、少しでも自分の頭で陰になるように、エルムを手探りで抱き上げ、反対側の肩へ移しました。
「えっ、何で?」
 エルムがささやき声で尋ねます。
「ほかの人たちに姿が見えたら、ややこしいことになるのよ!」
と、ジュリアはささやき返しました。
 授業中にも、エルムがごろごろいう音がまわりに聞こえるのではないかと思うと、気になって集中できません。
「ごろごろいわないで!」
 そっとささやくと、
「えーっ。しぜんにいっちゃうんだよ」
と、エルム。
「そんな、困るわよ! なるべく静かにして!」
 ひそひそ、言い合いをしていると、
「ジュリア! おしゃべりはやめなさい!」
 先生の声がとんできて、ジュリアは肩をすくめました。

 事件は、2時間めに起こりました。先生がジュリアの机の横を通りかかったとき、急に雲が晴れ、さっと日が射したのです。
 エルムの姿が、ジュリアの頭の陰に入っていなかった部分だけ見えてしまいました。
 七色のしっぽだけ! しかも、動いています。
 先生は、通り過ぎようとしかけた足をとめて、しげしげと眺めました。
「これは何ですか、ジュリア?」
「あっ、これは、ええと・・・卓上ブラシです!」
 ジュリアはとっさにエルムのしっぽをつかむと、机の上から消しゴムのかすをさっと払い落としました。
「フギャッ!」
 驚いたエルムは、思わず彼女の手をひっかきます。みるまに手の甲に血が滲みました。
「うっ・・・」
 ジュリアは声をあげかけましたが、必死にこらえました。
 先生は変な顔で首を傾げましたが、・・・結局、何も言わずに向こうへ行ってしまいました。
「ふうう・・・」

 2時間めが終わると、業を煮やしたジュリアは、エルムをつかまえて、カバンの中に押しこんでしまいました。
「えーっ、そんなのイヤだよ、息苦しいよ!」
 エルムは足を突っ張って、入れられるまいと抵抗します。
「見つかったらめんどうなのよ! ここは危険すぎるわ!」
と、ふたりの間で、押し問答。
 まわりの子たちは、エルムの姿が見えないので変な顔。
「ジュリア、なにやってるの?」
「こいつ、ひとりで腹話術やってるぞ!」
「頭おかしいんじゃないの?」
 あれこれ、うるさく絡んできます。
「何でもないの! ほっといてよ!」
 ああ、うるさいな、もう。
 そこへ3時間目のベルが鳴って、ジュリアはほっと息をつきました。

 3時間目は国語で、サーカスのライオンのお話。ジュリアも好きな話です。
 授業のさいごに、以前に提出していた作文が返されました。
 この作文に、ジュリアは、例の公園で草取りのあと、水遊びをしたときのことを書いたのでした。絵も添えて、楽しかったことを表現しました。
 用心して、エルムのことは書かないでおきました。こういうことは、大人には言わないほうがいいんです。
 ところが、返された作文を見て、ジュリアは、びっくりしました。
「水のむだ使いは、やめましょう。」と書かれていたのです。まさか、こんなことを書かれるとは思いませんでした。
 やっぱり、エルムのことは書かなくて正解だったわ、と考えました。それにしても、どうして、大人にやらされて花壇に水まきするのはいいのに、虹をつくって遊ぶのはだめなんでしょう。

 4時間めは、算数。2桁の引き算です。
 先生が黒板に数式を書いていると、ジュリアのカバンのあたりから変な音が聞こえてきました。
 フゴフゴ、グガー、グルル、グルル。
「誰か、いびきかいてるー!」
「誰だ、誰だ?」
 子供たちが騒ぎ出します。 
「誰ですか、授業中に寝てるのは?」
 先生は、チョークをもつ手をとめて、振り返ります。
 ジュリアは、みんなに気づかれないように、そっと膝でカバンを小突きます。
 と、音はぴたりととまりました。
 先生はじゅんぐりに一人ずつ、子供たちのようすを眺め、首を傾げましたが、・・・また板書を続けました。
「ふうう・・・」
 ジュリアは、寿命のちぢむ思いでひそかな溜め息をつきました。

 4時間めのあとにやっと給食でしたが、エルムがそのあいだ、おとなしくしているとはとても思えません。
 あんのじょう、食べ物の匂いがしてくると、カバンの内側をカリカリひっかき始めました。
「何としても先にミルクをやらないと、暴れだすわ、この子!」
と、ジュリアは思いました。
 そこで、配膳が始まってみんながバタバタするのにまぎれ、自分のミルクの瓶とカバンをつかむと、こっそり教室を出ようとしました。が、子供たちの目は逃れられません。ジュリアがカバンを持っているのを見て、
「あれ、帰るの、ジュリア?」
「帰るの?」
「帰るの?」
とまあ、うるさいこと。ジュリアは、
「帰らなーい! すぐ戻るから!」
と叫んで、廊下を駆けだしました。
 校舎の裏手のところまで来ると、ようやくカバンを下ろし、エルムを出してやります。
「あーあ、もう! 狭いところに押しこまれたと思ったら、何だい、今の!」
 走るときカバンがガタガタ揺れたので、エルムは文句たらたら。日陰になっているので、姿は見えません。けれど、不機嫌なときいつもやるように、せわしなく毛づくろいしているのが目に見えるようです。
「ごめんね。でも聞いてたでしょ、抜け出してくるの、大変だったのよ」
「めんどうなところだな、学校って!」
 ミルクをぴちゃぴちゃなめ始めると、やっとエルムの機嫌が収まってきました。
「あと、どれくらいかかるの?」
「あと2時間くらいかな」
 と、
「ジュリア!」
 いきなり後ろからどなられて、ジュリアは飛び上がりました。振り向くと、先生が腰に手を当てています。
「あなた、ここで何をやってるんですか? 探しましたよ! 勝手に教室を出ていってはだめでしょう」
「すみません、あのう・・・猫にミルクをやろうと思って」
 ふいのことで、ジュリアはしどろもどろ。
「猫? 猫なんて、いないじゃありませんか」
 先生はキョロキョロ見まわしますが、もちろんエルムの姿は見えません。
「さっきまでいたんです。きっと、迷い猫だと思うわ」
「とにかく、さっさと戻りなさい。あなたのせいで、みんな給食を始められなくて困っているんですよ」
 ジュリアは、うんざり。ああ、もうめんどくさいな。
 でも、口答えするともっとめんどうなことになるので黙っていました。すると、
「何ですか、その顔は!」
と言われてしまいました。
 あわてて顔の表情を”修正”しながら、ジュリアはびっくり。なんと、顔さえ、好きにしてはいけないのか。
 エルムを探すまもなく、ジュリアは引き立てられて、教室へ戻らなければなりませんでした。体がちぎれるような思いでしたが、どうしようもありません。

 給食の時間が終わるが早いか、ジュリアは教室を飛び出して、裏庭のさっきのところへ駆けつけました。でも、エルムの姿はありません。
 いったい、どこへ行ったのかしら。
「エルム! エルム!」
 小声で呼びながら、裏庭一帯、植え込みの陰や、倉庫のわき、あちこち探し回りましたが見つかりません。
 5時間目のベルが鳴って、ジュリアはやむなく教室へ戻りました。が、心配でいたたまれず、授業の内容がさっぱり頭に入ってきません。
「今日はなんだか変ですね、ジュリア」
と、先生にも言われてしまいました。
「今日は残って描いていけますか?」
と尋ねられましたが、
「すみません。今日は用事があるので残れません」
と断りました。このところ、授業のあとに残って、コンクールに出す絵を描かされていたのです。
 
 終業のベルが、こんなに待ち遠しかったことはありません。
 じりじり、うずうず。文字盤ばかりを睨みます。時計の針をつかんで、押しまわしてやりたいくらい。
 ふだんはいつも友だちとおしゃべりしながら帰るジュリアが、一目散に飛び出して、自転車小屋のところまでやってくると、斜めに射した午後の光に、ジュリアの自転車のかごの中で寝ているエルムの姿。
 ほっとして力が抜けました。
「ここにいたのね! ああ、よかった。学校、終わったわ。おうちに帰りましょう」
「ふわ~あ。ああ、ジュリア! お疲れさま。なに、やっと終わったの?」
 帰りの道々、ジュリアはやっと思う存分、エルムとおしゃべりしながら帰りました。森と畑に囲まれた道で、人も通らないので、怪しまれることはありません。
「サーカスのライオンの話は、面白かったよ」
と、エルムは言いました。
「だけど、それ以外はつまらないなあ。よくあんなところに、毎日行ってるね」
「好きで行ってるんじゃないのよ。行かなくちゃならないの」
と、ジュリアは言いましたが、エルムは信じません。 
「そんなこと、あるわけないじゃないか。それ、ただの思い込みじゃないの?」
「それが、あるのよ」
 ジュリアは辛抱強く説明しました。
「うそだと思うでしょ。でも違うのよ。あたし、学校の前は、幼稚園っていうところに行かされてたの。ある日突然連れていかれて、ずいぶん抵抗したけど、だめだったのよ。それで仕方なく通ってたんだけど、あるとき、どうしても行きたくないことがあって、行かなかったの。そしたら、幼稚園のほうが、うちまで押しかけてきたの!」
「まさか!」
 エルムは、ぞっとして身震いしました。
「ほんとなのよ。幼稚園の先生が、うちまで来ちゃったの。うわっ、執念深いな!って、思ったわ。たった一日でも、だめなんだ!って。そのとき幼稚園の先生といっしょに家の前で撮った写真が、いまでもアルバムにあるわよ。それでそのときに思い知ったの、ああ、だめなんだ、どうやったって逃げられないんだ、って。だからそれ以来諦めて、終わるまで、幼稚園に通ったわ。ね? 幼稚園からさえ逃げられなかったんだから、ましてや学校から逃げられるわけなんかないのよ」
 エルムは、恐怖のあまり背中の毛を逆立てながら聞いていましたが、なおも言いました。
「うーん、でも、やっぱりそれ、思い込みじゃないかなあ。本気で戦ったら、何とかならないの?」
「まあね。でもまあ、慣れればそこまでひどいもんでもないわよ。友だちもできるし。とりあえず学校行ってたら、大人たちもおとなしくしてるわ」
「それでも、毎日行かされるなんて!」
 エルムは、納得できずに首を傾げます。
「風邪を引いて、熱を出したら、休めるわ。それに、希望もあるのよ。大人になったら、行かなくてもよくなるの!」
「いつのことになるやら。・・・ともかく、ぼくはもう、学校はごめんだな!」

 エルムは、それからも、ジュリアのうちのベランダあたりに時々遊びに来ていました。が、そのうちだんだんに、姿を見かけることも少なくなり、ミルクも減らなくなりました。まあ、猫というのはそういうものです。
 いたんでしまうのでミルクを置くのはやめにして、ジュリアは、代わりに書き置きをしておきました。
「エルムへ。ミルクがほしかったらあげるから、来たら窓をたたいてね!」

 あるとき、半年ほども見かけなかったと思ったら、ひょっこりやってきて、ジュリアの部屋のガラス窓をカリカリひっかいたこともありました。
「あら、エルム! 久しぶりね」
 前のようにお皿にミルクをやると、エルムはおいしそうにぺちゃぺちゃ。
「ちょっと、イスタンブールに行ってたんですよ。長い旅でした」
 そうして、砂漠の国のみやげ話を、色々こまかく聞かせてくれるのでした。
 それからも、長いこと留守にしては、エジプトの遺跡だの、ペルーの密林だの、世界中の色んなところに行ってくるのです。旅好きだし、冒険好きなタイプの猫なのです。おかげでジュリアは、岬の家にいながらにして、広い世界の色んなことを知るようになりました。わくわくすると同時にうらやましくて、いつか大人になったら、エルムみたいに気の向くままに、世界中を旅してみたいと思うのでした。
 でもいちど、とんでもないところへ迷い込んでしまったことがありました。そのときのことも、またいつかお話ししましょう。

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