STEP1勉強記録(+α)

目次
1. 自己紹介
2. 何故、12月から2月に延期したのか
3. 大学生活、CBT・国試の勉強について
4. もし低学年に戻れたら...
5. 私のStep1勉強記録
6. STEP1を勉強してみた感想
7. 最後に
8. おまけ

1. 自己紹介
 はじまして。私は地方医学部の6年生で今回、STEP1を2月に受験して無事PASSしました。Twitterには短い勉強期間で、すごいスコアを取られた方がたくさんいらっしゃいますが、私はSTEP1の勉強に2年以上かかり、スコアもなかなか伸びず、最終的に12月の受験を諦めて2月に延期しました。その分、地方で孤軍奮闘している方にリアリティのある内容をお届けできるのではと思い、記録を残しておきます。ほとんど無料公開ですので読んでいただけると幸いです。

私の勉強スケジュールは以下の通りでした
4年秋 CBT終了後からSTEP1 の勉強開始: Rx 1年プラン
5年 7月 Uworld 1年プラン購入、その後半年延長
6年12月 点数が伸びず延期
2月 STEP1 受験

 私が大学1・2年生の時に合格体験記などをネットで漁っていた時期はそれなりにネットにはあったのですが、Physiology (生理), Pathology (病理), Pharmacology (薬理), Microbiology (微生物学), Immunology (免疫学)の基礎医学を英語の原書で勉強しましょうとか、Harrison’s Principles of Internal Medicine(ハリソン内科学)の原書をまず通読して私は英語力を付けました!など今考えれば、とんでもなく効率の悪い勉強法の情報も混ざっていて、その影響も受け、自分はなかなか非効率な勉強をしていたと思います。現在は高得点を狙うUSMLEの勉強法もネット上に溢れており、情報の取捨選択が逆に難しくなっているかもしれませんが、受験を考えている方は各自それを参考にしていただいて、私の効率の悪い勉強記録も一応記載しますので、反面教師にしていただければと思います。

2. 何故、12月から2月に延期したのか
 色々意見はありましたが、私は得点が出るうちはできるだけ高得点を取りたいと考え、ギリギリまで仕上げてからSTEP1を受験するという戦略を取りました。12月に受けた模試の結果が受験生の平均~平均以下で、万が一low scoreを取って将来足を引っ張ったら嫌だと思い、Pass/Failに変更されている2月に延期しました。
 今後、STEP1を受験される方は、Pass/Failとなっていますので、自分のように高得点を取ることに固執する必要はないと思います。さっさとSTEP1を終わらせて、できるだけ早期にSTEP2の勉強するのがいいでしょう。ただいろんな方がおっしゃっていますが、STEP1とSTEP2は知識がOverlapしてるので、STEP1 low scoreでSTEP2はhigh scoreっていうのは難しいというのはその通りだと思います。

3. 大学生活、CBT・国試の勉強について
 USMLEを勉強していく上で、日本のCBT、国試の勉強とUSMLEの勉強のバランスは多くの人が不安に思う部分だと思います。
 3年次に大学では臨床の講義が始まり、STEP1の勉強を始めようと思ったのですが、「First Aid Q&A for the USMLE Step1」に全く歯がたたず、また、当時見た体験記に「CBT前までに日本語である程度医学知識を仕上げべき」と書かれていたため、とりあえず、CBT前に日本の国試レベルを仕上げることを目標としました。当時3年生から視聴できる国試のビデオ講座はmedu4とQ-assist がありましたが、Q assistは開講したがばかりだったので、評判の良かったmedu4を大学の講義に合わせて見ることとしました。しかし、当時の私は「病気がみえる」などを授業に合わせて通読していて、またサークルでの活動も忙しく、また長期休暇のたびに海外にも行っていたので、標準的な医学生としては勉強できていたと思いますが、医学英語や目標としていた国試レベルまでの勉強はなかなか進みませんでした。気づくと4年生の夏休み前で、medu4のメジャー科が8割、マイナーが2割 視聴完了(ほぼ演習・復習できず)、Qassistの公衆衛生、QB CBT Vol1, 2, 3の途中まで終わらせている状況でした。結局、CBT直前はmedu4のメジャーは国試レベルの演習を含めてある程度仕上げ、マイナー・産小老のmedu4は諦め、QB CBTを回しました。CBTは就活で足を引っ張らない程度に取ればいいと思っており、得点率は9割くらいでした。
 CBTが終わった日にRxを契約して勉強を開始したので、それ以降は模試などで自分の立ち位置を確認しつつ、偏差値50を切ることはなかったので国試の勉強はほとんどしていません。自分がCBTの後にした国試の勉強は、6年の秋に卒業試験があったため、

6年秋:medu4のマイナー残り、産婦・小児・公衆衛生
    卒業試験の過去問3年分
12月:medu4: 必修特講 (問題セットのみ)
      必修回数別5年分
✳︎必修はなぜか毎回模試で9割近く取れていて、特に困ることもなかったです。
基礎的な内容が多いので、もしかしたらSTEP1と相性がいいのかもしれません。
1月 (STEP1延期決定後)
 回数別3年分
 medu4究極マップ

1月途中で穂澄先生は究極マップを3周しろと言いますが、どうも自分の勉強法に合わない、解けない問題があるように感じたため

medu4臓器別テキスト総復習を行いました。
  (一科目5~8時間くらいかけてテキストを眺めながら究極マップに書き込み、正解・不正解選択肢を吟味)

国試の勉強はここに書いた程度+αです。
 模試などで偏差値50を切ったら焦ろうと思っていましたが、幸いそのようなことはありませんでした。CBTの時と比べると、6年次は順調に学内順位は落ちていきましたが、特に焦ることもなく、年間トータルでみると、国試:STEP1=1:10 (CBT後〜6年夏はほぼSTEP1のみ)の割合で勉強したことになりました。国試は相対評価で下1割に入らなければいいので、USMLE受験を考えている皆さんは模試などで自分の位置を確認しながら、できるだけUSMLEにかける時間を調整するバランス感覚が大事だと思います。

4. もし低学年に戻れたら…
 USMLE取得を目指す上で、もし低学年に戻れるのであれば、効率よく勉強するためにどんな勉強をしたいかを私見ではありますが書きたいと思います。まずUSMLE受験を思い立った時点で、medu4かQassistのビデオを取ります。medu4ユーザーとして、やはり国試直前期にテキストのまとまりの良さは実感しました。(medu4で気になるのは板書を取るときにビデオを止めないと間にあわず、1コマ(約1時間)の講義を見るのに、問題演習を含めて2〜4時間かかることです。自分の要領悪いだけかもしれませんが、medu4が板書付きpdfを配布して授業を聞くだけでいいならmedu4がいいと思っています。)
 当然、基礎・臨床医学の教科書の通読は行わず、ビデオ講座をできるだけ早く、演習も含めて仕上げます。国試の回数別を1、2年分解いて合格点を越えれば、安心してUSMLEの勉強に進むと思います。

5. 私のStep1勉強記録
※初めに自分の勉強法は低スコア、非効率的なので参考にしないでください。
 まず、ベースとなる私の英語力は、非帰国子女、今は無きセンターで180くらい、英検は準1級程度です。STEP1の勉強を始めたときに多くの学習者は問題を解く際、何段階にも渡ってわからないことが連発すると思います。
1 医学英語 (英単語) がわからない
2 診断がわからない(医学的に何のことかわからない)
3 診断、病態はだいたいわかるけど、選択肢の英語がわからない
4 国試で扱わない分野が出てくる。
→ Cystic fibrosis, Celiac disease, Factor Ⅴ Leidenなど白人に多い病気、白人、黒人、途上国、先進国などのback groundから疫学的に考えなければいけない問題、アフリカ、南米、アメリカの各地方など馴染みのない地域の感染症 等
 1,3の問題点は同じで、一般英語、医学英語の知識不足です。これは一般的にUSMLEを勉強している人の意見として、医学英単語はひたすら問題を解いていく中で、身につけていく人が多いようです。(私もそうでした。)
 その際に自分はGoogle spread sheetやGoogle翻訳を問題の横において問題を解いたのですが、それをご紹介します。
 まず問題を解く際、AnkiとGoogle spread sheetとGoogle翻訳を開いた状態で勉強していました。このときノートPCでは画面が狭いので大きいディスプレイに繋いでいました。(Macの人は余っているiPadがあればそれをセカンドディスプレイにしてもいいかもしれません。”iPadをMacの2台目のディスプレイとして使う”と検索してみてください。)

画像7


Google spread sheet は=GOOGLETRANSLATE( ○,”en”,”ja”)の関数を入れると、○の英語を日本語訳してくれるので、大変便利です。もしかしたら英単語帳を作った方がいいのかもしれないと思っていたのとわからなかった単語をまとめたかったので、この形式で勉強をしてました。普通の英語の勉強でもこれはおすすめできると思っています。
 Google spread sheetの関数による翻訳は医学用語も含めてかなり正確なのですが、ときどきバグって訳が出てこなかったり、変な翻訳をしている場合があるので、そのような時はGoogle翻訳で翻訳したり、ネットの検索で検索していました。またGoogle翻訳は単語の発音を聞きたいときに重宝しました。

以上が私の医学英語に対する勉強法で、数少ない他の方に紹介してもいいかなと思っている部分です。以下に私がやってきた勉強を載せますが、繰り返しになりますが、真似しないこと推奨です。
○4年秋〜5年夏 USMLE Rx
 英語も医学もわからず、何がわかんないのかわからない状況でした。First Aidに書き込むのが王道の勉強ということは知っていましたが、全然知識が付かず、First Aidを使う勉強はしっくりきませんでした。結果、Rxは前述の英単語の勉強法とWordに1問ごとの要点をまとめるようにしました。結局まとめたやつはほとんど復習できず無駄となりました。医学英語の方は半年の地道な作業のお陰でかなりマシになりました。当時無料だったNBME模試を勉強始めて8ヶ月目に初受験し、結果は予想スコアは161!! ほとんど何も身についていませんでした😭

○5年夏〜6年秋 Uworld
 Rxが7割(正答率は約60%)くらいしか終わっていませんでしたが、マッチングに間に合うように受けたい(今考えると、もはやギャグ)ことから逆算して、Uworldを契約しました。勉強法を変えなければと思い、First aidのpdfに問題や、問題を解く上で重要な選択肢を貼り付け、問題を解く上で大事な部位をマーカーで線引くようにしました。 

よかった点:王道のFirst aidに知識をまとめていく勉強法に近づいたこと
問題の臨床像を貼るようにしてたのは、そもそも問題を解いていて診断が付けれないと思い、USMLE的な臨床像を頭に叩き込みたかったためです。

反省点:効率悪すぎました、最後まで復習しきれませんでした。

Uworldを解き進めるのは、以下のようなペースでした。
□Uworld開始後3ヶ月くらい
Used Question: 1200, 56%Correct

□Uworld開始後7ヶ月くらい
Used Question: 2400, 55%Correct

□Uworld開始後1年4ヶ月くらい(6年秋)
おそらくここでやっと一周解き終わりました。
Used Question: 3400
2回以上復習で解いている問題合わせて、
Total Correct 3603
Total Incorrect 2136
63%Correct (44th)

秋からankiを使い始めました(遅い!)。デッキの作り方は質の悪いカードだとはわかっていましたが、Uworldの問題のスクショや要約したものを表に貼り付けて、裏に答えを貼り付けたやつを2000枚(2000問)くらい作って、最後は丸覚えしました。これで15点くらい点数が伸びたと自分では思っています
 模試は、5年2月 AMBOSS Step1 Self Assessmentが200で一応ここで初めて合格点は超えました。6年10~1月に受けたNBME, UWSAが215~230で前述の通り12月の受験を延期し、国試後の2月にP/Fとなった段階で受験し、PASSしました。

6. STEP1を勉強してみた感想
 USMLEは結局は資格試験なので、US Residency, Fellowの留学を目指さないのであれば、万人にお勧めできるものではないと思います。国試に役立ちますかと後輩に聞かれることはありますが、確かに国試とOverlapしている部分はあって、STEP1の勉強をしとけば国試の模試の順位が大幅に下がることはないと思います(マイナー・産婦・小児・公衆衛生を除く)。国試でみんなが解けない問題を2,3問瞬殺できることはありますが、コスパは最悪です。英語に対しての私見ではありますが、日本で医者をやっていくのであれば、日本は数少ない母国語で医学を学べる国であり、今後は自動翻訳が発達していくと思うので、現時点で英語をできる必要はそれほどないと思います。しかし論文などの最新の知識は英語で発信されますし、Uptodateなどのエビデンスのよくまとまった情報源も英語では利用できるので、個人的にはGoogle翻訳やDeepLなどの翻訳サイトを使ってでもいいので、気になったことは英語論文で調べたり、Uptodateなどで英語の情報を手に入れる能力は身につけたほうがいいのではないかと思っています。

7. 最後に
 USMLEの勉強を少しでもやってみた方は同意していただけると思うのですが、初期のころは医学単語はわからないし、それ以前に一般英語も医学もわからないし、途方にくれた経験が皆さんあると思います。そのような場合、1. 初期の英語も医学も意味がわからなすぎて辛い時期を乗り越える、2. 長期的に各々の目標に向けて勉強を継続する、ことを目的に学内やTwiitter上で同志を見つけ、グループLINEを作ったり、勉強会をしたりするのが良いかもしれません。私は一緒に勉強していた同級生とグループLINEを作り、1日何問解いたかを報告し、その日に解いた勉強になった1問を紹介しあっていました。個人的にはこれがモチベーションの維持に一番効果的でした。
 USMLEの王道の勉強法は、USMLE Rx, Uworld, Ambossなどの問題集を解きながら、First Aidに情報をまとめる勉強法だと思います。(Twitterなどで調べるといくつも出てきます。) それ以外にいいなと思うのは、りちょうくんが紹介されているのAnkiでAnkingというデッキをメインに使う勉強法です。非常に再現性が高く、点数が伸びる勉強法だと思いました。自分もSTEP2の勉強にはAnkingを取り入れてみようと思っているところです。

以上となります。高得点を取られている方は本当にすごいと思っていますし、自分もSTEP2ではそれを目指したいと考えているのですが、私のようになかなか合格点を超えない、点数が伸びないという方もいらっしゃると思います。そのような方のお力になれれば嬉しいと思っています。

おまけは、直前期のNBME模試・UWSAの成績、国試の模試の成績、初期研修先で海外に強い病院(自分が見学・受験した病院中心)です。大した情報ではないので、もし興味のある方や応援していただける方はご購入いただければうれしいです。

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