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「当て逃げ」~五輪ボランティア個人の責任?~

読売新聞オンラインより
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210802-OYT1T50315/

東京五輪の大会関係車両を運転していたボランティアの50歳代男性が1日、東京都江東区と江戸川区の首都高速湾岸線で立て続けに2件の追突事故を起こし、そのまま走り去っていたことがわかった。警視庁が道路交通法違反(事故不申告)容疑で調べている。

男性は大会関係者1人を千葉県内に送るところだった。2件のうち1件では、追突された車に乗っていた女性2人が病院に搬送された。ともに軽傷とみられる。

男性は走り去ったが、千葉県内の国道で警察官が車の破損に気づき、職務質問して発覚した。男性は警視庁の任意聴取に「事故には気づいたが、送迎を優先した」と話したという。



このボランティア男性、警察に対して「送迎を優先した理由」をどのように説明しているのだろう。非常に気になる。

事故を起こして気が動転しているとはいえ、普通は逃げない。なんらかの理由があって送迎を優先し、その結果が「当て逃げ」なのだろう。

同乗していた五輪関係者は事故に気づかなかったのだろうか?常識的に考えれば、

「事故ったよ。車を止めて警察に通報を」

となりそうなものだが・・・まさか同乗者が外国の人で、その人の母国では車の接触は日常茶飯事、そのまま走り去るのが常識?????


組織委員会のスポークスパーソン(広報担当者)は会見で

「組織委員会としても事案は認知している。複数の車両に接触したことにおける物損で、ぶつけられた運転手の方が軽傷を訴えていると理解している。ご心配、ご迷惑をおかけしたことをおわびしたい。対応は保険会社を通じて適切に対処している。警察も事故調査中で、詳細が分かってから対応を決定したい」

と話しているが、「物損」「軽傷」「(メディアは)当て逃げというが、逃げている状態ではない」などと言葉を濁し、明らかに「人身事故ではなく物損事故。事件性がないので示談して終了」での幕引きを狙っているふしがある。

事故を起こしたボランティア男性を気遣っているのだろうが、

「研修では事故対応についてもレクチャーしているんですが・・・」

程度の責任所在の文言を付け加えても問題ないと思うのだが、それを口に出来ない理由でもあるのだろうか?


勝手な想像だが、おそらく研修において危機管理の担当者から

「交通法規を遵守し、安全第一でお願いします。事故を起こした場合は必ず警察に連絡を」

と言われ、送迎管理の担当者からは

「世界が注目するビッグイベントです。審判や大会関係者の送迎に遅れが出れば大会進行に影響が出ます。時間通りに、道を間違えないで送り届ける。それを第一に考えてください。ボランティアとはいえ、責任重大です」

と相反することを言われ、困惑し、精神的に追い詰められ、その結果が今回の「当て逃げ」になったのではないだろうか。

目に見えない圧力をかけておいて、トラブルが発生すると「法的責任はありません」と逃げる。なぜか日本ではこれがまかり通っている。

当該ボランティア男性は組織委員会に忖度せず、正直にすべてを話してもらいたい。仮に原因がwebmasterの想像通りであったとしても、現行の法律では「研修内容の一部に問題があったが、すべての責任は個人に帰する」となるのだろうが、メディアが動き、国民が声をあげれば何かが変わるはずである。

「すべて私の責任、私の判断ミスです」

と証言すればあとは組織委員会がすべてやってくれるのかもしれないが、真実を知らないあなたの家族は悲しみますよ。

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