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決闘! ~新競技 High Noon~

【今回は暴力的な内容を含みます。ご注意ください】


オリンピック東京大会・フェンシング競技を見ていて、ふと思った。

「これって決闘だよなぁ・・・」

剣道でいうところの「面・胴・小手」などで完全防備し、選手の安全は100%確保しているが、サーベルを使って相手を突いたり斬ったりしている。wikipediaによれば

フェンシングの原形は、中世の騎士たちによる剣術。元々は実戦的な剣術であったが、鎧や盾などの防具、そして火器の発達によって剣が戦場で使われることは少なくなっていった。しかし剣という武器は騎士の名誉の象徴であり、戦場で役に立たなくなってもヨーロッパの上流階級は剣術を嗜み続け、19世紀の末にはヨーロッパ各地で盛んに競技として行われるようになっていった

とある。表現が悪いが、もともとは「実戦」であったものが「スポーツ競技」へと進化・発展したものと言える。日本ではあまり普及していないスポーツだが、フェンシングの試合をみて「野蛮だ。安全とはいえ、殺し合いをするなんて・・・」という人は皆無だと思う。

そこで「これって決闘だよなぁ・・・」の登場である。「剣による(仮想)決闘」がスポーツとして受け入れられるのであれば、「銃による(仮想)決闘」も同様に成立するのでは?


「銃による決闘」といえば、誰もが思い浮かべるアレしかない。そう、西部劇でおなじみの

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(映画「ゴーストタウンの決斗」より)

である。銃をレーザー式にして、レーザー光線に反応するように加工したベストを着用し、レーザー光線から眼を保護するための特殊なサングラスを着用すれば危険性はゼロ。あとは決闘のルールを決めれば立派なスポーツ競技の完成・・・と思ったのだが、ここでふと我に返り、自問した。

「お前に撃てるのか?100%安全とはいえ、銃口を人に向けることが出来るのか?」

webmasterは銃は好きだが、サバゲー(サバイバルゲーム)はやらない。サバゲーを否定するわけではないが、実銃の経験者として、たとえBB弾であっても銃口を人に向けることにはためらいがある。

注)サバゲーを知らない人のために
 簡単に言えば「大人の戦争ごっこ」。プラスチックの弾丸(BB弾)を発射するおもちゃの銃(とはいえかなり精巧。見た目はほぼ実銃)を使って互いに撃ち合う。おもちゃとはいえかなり威力があるので、危険防止のため防具を着用する。純粋なスポーツだが競技者の外観から戦争を連想させ、嫌悪する人もいる。

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(フル装備画像・・・SG-fashion-snap.comより)

実銃に触れたことがなければサバゲーを「純粋な競技、テレビゲームと同じ。危険はない」と受け入れられるかもしれない。現役の軍人や自衛隊員・警察官であってもサバゲーを楽しんでいる人がいるが、彼らは「誰に銃口を向けていいか、誰に向けてはいけないか」の訓練を受けているからこそであろう。

テキサスでシューティング・トレーニングを受けた経験もあり、日本国内ではお座敷シューターとしてBB弾を撃ちまくっているwebmasterであるが、銃口を人に向けたことはない。それが出来るのは相当の訓練を受けた人か、頭の中がぶっ飛んだ犯罪者だけである。

果たして「銃による決闘」(仮称:High Noon)がオリンピック正式種目に採用されたとして、実銃経験者は競技にエントリーするのだろうか?エントリーしたとして、銃口を相手に向け、引き金をひけるのか?エントリーするのは実銃経験のない人か、訓練を積んだ軍人さんのみ?

レーザー銃のデザインを「実銃」とかけ離れたものにすれば脳をだませるのかもしれないが、それでも銃は銃だ。ためらいは残る。

数十年という時間が過ぎれば「ハイヌーン」もフェンシングのように純粋なスポーツとして万人に受け入れられるかもしれないが、その頃にはwebmasterはおそらく生きていない。

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