見出し画像

創造営2021の無限ループは終わらない


創造営2021、冗談抜きで何度繰り返し観ても世界で一番面白いサバイバルオーディション番組。(私調べ)
しかしそんな創造営2021も配信からもうすぐ一年経つわけで、ネット上にあるコンテンツはいつ見れなくなってもおかしくないと気づいてしまったので…

創造営2021が誰でも!全部!タダで!日本語字幕付きで!!観られるうちに、改めてこの番組の良さを語っときたい!!と思い、めちゃめちゃ遅いし既に語り尽くされてるけど、

私の“创造营2021”の大好きなところを4つのテーマで記録しておきます!

ちなみにこのテーマは全部番組主題曲の歌詞なので、テーマソングを聴けば創造営がわかると言っても過言じゃないです(?)


『“創”造営』


創造営、英訳するとCreation Camp。
"創"造営はオーディションであると同時に、生活を共に過ごす学員(注1)たちによってパフォーマンスを生み出す番組。
“創”なんだから、生み出さなきゃ意味がないよね!ということで、学員たち自らテーマ曲をアレンジして披露するパフォーマンスもあり、
これは評価や順位はなく、あくまで自由参加(もちろんアピールになるしファン投票でご褒美もあり。)
みんなで自由にチームを組んでパフォーマンスしてね、という陰キャ殺しの課題。
(案の定ここで最強グローバル陽キャ集団が結成される。)

普通に考えてただアイドルオーディション受けに来てる子達に曲のアレンジして披露してね!って投げて大丈夫なの…?学芸会になっちゃうんじゃ…?と思ったら、まさかのこの二次創作が前半のハイライトといっても過言ではない神回に。(ep.4)個人的には全編通してこの回が一番すき。とにかく楽しくてエモくて才能に溢れた学員の魅力爆発回です!!

振付師やダンサー、楽器奏者に作曲家など、それぞれの学員のスキルを活かしまくりながら、想いや野心を込めてテーマ曲を再構築したアレンジVer.をパフォーマンスします。


とあるチームはすべて振り付けし直してワンカットショー。別のチームは歌詞を再解釈し、自分たちの夢を込めたバンド風に。中国風やR&B風アレンジなど、個性の大爆発したパフォーマンスでは、審査公演よりも等身大の学員の姿が知れるのも面白いです。

とりあえず、创造营とはなにか。と聞かれたら、学員たちが自ら創造するアイドルオーディション番組だよ!と言おうとおもいます。



『世界はこんなにも広い』

創造営2021の2つ目の特徴は「国際的」なこと。
中国以外からも日本、アメリカ、タイ、ロシアなど様々な国籍とルーツをもつ学員が参加していて、その中でも日本人は外国勢としては最多の17人が参加。


…正直中国という国がそんなに国際交流にオープンなイメージがなかったし、ほとんどの外国人が通訳なしでは会話できないのに上手くいくのかな…と思って見始めたけど、めちゃくちゃ裏切られる。
まじで理想の国際交流番組、世界平和の縮図です。

もちろん言語が通じないことで苦労する子もいるし、マナーや生活習慣の違いを感じる部分もあって、放送されてないところでの学員たちの苦労は計り知れないけど、

言葉が通じなくても一生懸命コミュニケーションを取って歩み寄ろうとする姿や、言語や文化の壁を超えてお互いを親友だと言って笑い合う姿はエモいとかを超えて感動します。(余談ですがあまりにも学員たちの心優しい国際交流素晴らしすぎるので、道徳の授業に教材として提供したほうがいいと思ってる。半分本気。)


番組を通して、コミュニケーションを取りたい!と思って勉強してる日本人学員の中国語上達の速さにも驚くし、
中国人もいろんな日本語を覚えて「がんばろ〜」とか「せんせ〜い」とか「きめぇ〜(?)」とか喋ってくれるのもカワイイです。

あとハイスペック学員が多すぎて、2,3ヵ国語スラスラ話せたりすることに驚きが無くなってくる。イケメン通訳がいっぱいいるので言語オタク(?)の方はめちゃめちゃ楽しいと思います。イケメンが突然喋る英語とか、イケメンが日本語になるとカタコトになるの萌えるのは私だけじゃないよね??



『肩を並べて戦おう』


創造営2021のテーマソングの「我们一起闯(僕達と一緒に突き進もう)」も、プデュのテーマ曲としてはちょっと異色。
明るい電子メロディ、息継ぎ不能なアップテンポ、ダイナミックで高難易度な振り付けなど、初めてパフォーマンスを見たときは「プデュっぽくないな‥(ダサ…)」という感じ。(正直)
最終的にこのダサ…シンプルな曲が、二次創作とかアレンジを経てエモさを帯びてくるのが良いんだけどね!



じっくり歌詞を読むと世界観が特徴的で、
歌い出しが「世界はこんなにも広い、僕たちは一緒に行こう(世界那么大 我们一起闯)」だったり、
歌の途中の5カ国語のセリフで「We are a team」「肩を並べて一緒に戦おう(我们并肩作战)」という、“僕たち”というワードがたくさん出てくる。(ちなみに日本語セリフは「僕たちはチームです」なんだけど絶妙に納得できないwwグーグル翻訳??)

一応创造营は正式なプデュ中国版なのですが、このコンセプトは他シリーズとは全く違う感じがします。
僕を選んで!君は私のもの!僕だけを見て!という
"僕(参加者)↔君(視聴者)"
の繋がりが強いコンセプトではなく

"僕(参加者)↔僕(参加者)"
という参加者同士の繋がりが強い世界観。

視聴者投票で決まるオーディション番組だから、当然視聴者に左右されるんだけど、番組内での学員の目標は視聴者に選んでもらうことじゃなくて、一緒に戦いながら成長することだ。というようなコンセプトで作られてる気がする。

番組制作側も学員たちのトラブルや衝突の部分より、絆や協力している姿に焦点を置いて編集している感じがして、いわゆる“悪編感”が抑えられてるようにも感じる。


そんなふうに一緒に戦ってきた仲間だからこそ、ファイナルはデビューメンバー発表日でありながら、学員全員の卒業式のようにお互いのこれからを応援し合う特別な時間になっていて、創造営2021の良さがギュッと詰まった最終回という感じ。


『愛される定義は無限』


国際的、創造的なだけじゃなく、創造営2021の学員は外見も内面も多様性に富んでいて、いろんな意味で「アイドル」らしくない子が多い。

女装&派手メイクで大人気のドラァグクイーンがいれば、あまり感情表現が得意ではない音楽プロデューサー、過去にアイドル批判をして炎上したラッパー、ジェンダーレスな魅力を持つTikTokerなど、経歴もスタイルもバラバラ。アイドルになるつもりないよ、みたいな子もいる。

「じゃあ、そもそもオーディション番組とは‥??」と感じなくもないけど、
ある学員が番組終了後に、「学員たちは審査される側として参加してるというよりは、自分のスキルや魅力を見せに来てる」と言ってたように、
学員達のゴールは番組を通して自分の夢を叶えることで、必ずしもゴールはアイドルになることじゃない。そんなバラバラな学員達が最終的には「創造営2021に参加してよかった」と言える番組になってることがまたすごいなあと思う。

多様性という点では本当にメンター陣の優しさが影響した部分も大きい気がしていて、多様性に富んだメンターたちが学員を励まして、優しく応援してくれる言葉に見てる自分も一緒に励まされる。

周深先生の「絶対にやっちゃいけないことは、自分自身にレッテルを貼ること。じゃないと永遠に小さな世界に閉じ込められてしまう」とか

Amber先生の「いつも誰かに好かれようとしなくていい。他の誰かになろうとすると君じゃなくなるんだよ」という励ましが、

テーマソングの中の、愛される定義は1つじゃないから僕たちは世界中から愛されるんだ、というメッセージそのものだと思います。


あとは宁静姐さんが身長や体型がバラバラの学員たちをみて「揃っててどうする!私が選びたい人を選べるわ!」って言ってのけるところも大好き。揃ってることやアイドルらしいことってなんの意味があんのよ!?という意気込み。姐さんほんとにかっこいい!!

2021年、アイドル文化は飽和状態だと思ってたけど、まだまだいろんな可能性があるし、これからも新しい定義が生まれていくんだなあと思えた。


______________


…とりあえず創造営の私が感じたテーマというか、好きな部分をザーっと書いてみたけど、
なぜ好きなのか考えると、結局番組全体としての「なんとなく優しい雰囲気」が好きとしか言えなくなる。


おそらくそのほとんどは偶然の産物で、
偶然仲間に優しい言葉をかけてあげられる練習生がいたこと、練習生を精神面から励ましてあげられるようなメンターがいたこと、出演者の優しい部分を大切に編集してくれるスタッフがいたこと…

そういう偶然の積み重ねで、何度見ても心が熱くなるような国際交流オーディション番組が奇跡的に出来上がったんじゃないかな。

最近の中国エンターテイメント界は、あまり安定しているとは言えない状況だけど、そんな中でデビューした学員もしていない学員も、皆それぞれいろいろな方向で活躍しています。素敵な学員がたくさんいたから、またこんなオーディション番組が…あわよくば创造营2023が、あればいいのになあ〜。(注3)

いろいろな問題がクリアされて、中国で次の最高なオーディション番組が始まるまで、しばらく創造営2021をループしたいと思います。

1年経つけどまだ感謝し足りないほど大好きな番組、創造営2021。これからも無限にループするとおもいます!永远的依赖❤





(注1)学員…番組参加者、他の番組でいう練習生のこと。番組開始時90人。
(注2)メンター…トレーナー。番組を通して学員を見守り、時に一緒になってはしゃぎ、時に的確すぎるアドバイスをくれる助言者。创造营2021では邓超、宁静、周深、Amber、周震南、Nene(海外アシスタント)が参加。メンターもみんな最高すぎて大好きになっちゃう。

(注3)創造営終了後、過熱した応援などが問題になり、現在中国ではアイドルオーディション番組は禁止になっています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?