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MLE441 振り返り

この記事を書いている時点で開催終了から約4ヶ月が経過しておりますが、 ニコニコ生放送上でのイベント MADLIVE EXP vol.441 にて流していただいた動画「Love Esoteric」について少し振り返ってみようと思います。超今更ですが・・・。

MADLIVE EXP vol.441についてはこちら  

https://ch.nicovideo.jp/MADLIVE_EXP

最初にイベント主宰の津名さんから参加のご招待を頂いたのは2020年の6月でした。実はそれよりはるか以前、 vol.440にも誘って頂いたことがあったのですが、当時は多忙でとてもお引き受けできませんでした。今回改めてオファーを頂き、開催時期などの条件を鑑みた上で参加を決めた次第です。

ちなみに、枠担当としてのお誘いもあったのですが、やっていたら多分死んでいたと思います。かろうじて動画を一つ作ってお渡しするのが精一杯でした・・・。

Love Esoteric

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■準備の段階(キャプチャ環境の再構築)

MLEの動画、頑張って作るぞ・・・と意気込んだはいいものの、以前の自分のキャプチャ環境における、iPhoneからMacbook Airに映像をキャプチャー→メインPC(Win環境)で変換、という工程がとにかく面倒で、なんとか楽に素材を撮れるようにと、まずキャプチャーボードを買ってメインPCで直にキャプチャーできるようにしました。しかし、素材が妙にジャギる、映像の端に微妙に変な黒フチが出てしまう、そもそも画質がちょっと荒い、といった感じで、どうも想像したようなキャプチャ素材になりませんでした。
キーイングを綺麗にやりたかったので、素材の処理の段階で時間(とやる気)を削がれるよりは最初に綺麗にキャプチャできるようにしておきたいという思惑があり、しばらくは環境の再構築を模索していました。

最終的にはBlueStacksでデレステを走らせて、それを NVIDIA ShadowPlayで画面キャプチャする、という方法に落ち着きました(Android環境に引き継ぐ必要があったので、iPhoneは売り払ってAndroidのスマホに乗り換えました)。結果としてキャプチャの面倒臭さが劇的に改善され、グラフィックボードのアンチエイリアスを使用して素材のジャギーもかなり低減することができました。


■動画のテーマ、モチーフなど

選んだ楽曲が某アニメーションのop曲であり、そのイメージに引っ張られそうにもなりましたが、そこは極力避けるようにしています。その上で、自分なりの解釈で、この曲には誰が合うだろう・・・と選んだ結果、動画に登場するメンバーとなりました。

「相手を一途に想う」というのがなんとなく主軸に据えたテーマです。それがどういう形になるのかはメンバーそれぞれであるということで・・・

全体の雰囲気としては、少し暗めのトーンだけれども極端にダークな方向にはしない、ちょっといかがわしくてスモーキーな密室感(キャバレーみたいな)を出す、といったことを決めて、ダンスを選び、キャプチャ作業をする傍らで、リファレンスになりそうな資料を集め始めました。

映像よりも様々な一枚絵のイラスト作品をたくさん観ていた気がします。じっくり細部まで描き込まれた絵の質感や空気感の表現が今回はいろいろとヒントになりました。

■実際の制作

主なツールは AfterEffects、 Premiere Pro、Illustrator、Cinema4Dです。

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Aメロのこの箇所はカットを割らず、15秒ほどの一連のシーケンスにしています。カメラワークだけCinema4Dにて作成し、AEへエクスポートしています。他のキーイング処理を行っている箇所もほぼ同様です。

コンポジットは空気感や光源を意識しつつ、どちらかといえばパキッとした画面にする方向で処理を行いました。

なんちゃってリムライト的な処理はAEの CC Light Sweepなどを使用しています。ライトラップの表現はそれを実現するプラグインも手法もいろいろありますが、今回は逆光気味で輪郭を際立たせるような箇所が多かったので多用しました。本来はロゴとか金属への光ナメのような表現で使うことが多いかもしれません。

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赤いライン状の素材は全編に渡って使用していますが、Cinema4DのTopowireというプラグインで作成しています。お手軽にたくさんラインを作ったり、設定したオブジェクト間でラインが垂れ下がるような効果を出すなど便利なプラグインなのですが、最新版のCinema4Dでは不具合が出ます・・・。
その他、3Dの素材は一部をのぞいてCInema4Dですべて作成しています。

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この辺は、せっかくデレステでカメラを回せるので、それを利用して印象的な場面が作れれば・・・と考えていました。

以前もそういうことをやったことがあったのですが、そのときは極力一定のスピードで回すために、スマホの画面にサラダ油を塗ってスワイプするというかなり面倒くさいことをやっていました。今回はBlueStacks上でカーソルの矢印で回すことが可能だったので(しかも細かくスピードを設定できる)、かなり楽に撮影ができました。
ただそうは言っても、ダンスによっては手が切れるとか、キャラクターが背中合わせになるように角度をあらかじめ考えて動かすとか、いろいろ別の面倒臭さはありました・・・。ブルーバック素材は失敗したものを含めて300個ほど撮っています。

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通常のダンスの部分も基本的に動画全体のイメージに合わせてすべて色味をいじっているのですが、あんまりピーキーな変え方はしないようにしています。あとは肌や髪に当たっているリムライトだけほんのり発光感を足すとか、そんな感じです。

■イベント当日
DAY2で流していただく、ということだけおうかがいしていたので、どの枠で流れるかとか、そういうことはまったく知りませんでした。とりあえず自分のやれることは動画を完成して提出した段階で終わっていたので、あとはもういち視聴者としてイベントを楽しんでいました。
まさか!&甘香茶Pの枠で流れたとき、いろんな反応があったのですがw、自分としてはこんなにいいタイミングで流してもらっていいのだろうか、という感じでした。
むしろ、どういうところにはめていいのか微妙な動画になってしまったような気がしてかなり不安だったので、あんなにいいところで流していただいて大変光栄でした。改めて、まさか!さん、甘香茶さん、本当にありがとうございました!

MLE、改めてイベントを振り返ると、運営の皆様、参加された皆様が比喩ではなく命を削って何かを作っていて、凄まじい催しでした・・・。終わって数ヶ月後にこう言うのはかなりアホっぽいですが、本当にお疲れ様でした。
とにかく面倒で時間がかかることばかりやってしまって、ヘロヘロになってしまいましたが、なんとか形にできてホッとしています(未だに)。
以前と違って、もうこんな風な動画を作る時間を取ることがなかなか難しいので、余計にこういう機会を頂いて有り難かったです。ご視聴いただいた皆様、本当にありがとうございました。

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