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A2PDP11 (4) 起動シーケンスの詳細

起動シーケンスは、DCJ11 Microprocessor User’s Guide の 8.3 章に記載があります。

Figure 8.2 の初期化シーケンスのフローチャートを書き起こしました。

初期化シーケンス(前半)

前回のキャプチャは、右側上部の POK ASSERTED のループまでの様子を示しています。

INIT 信号を 25 クロック以上アサート (LOWに) することで、初期化シーケンスが始まります。
最初に、GP CODE 034 が生成されます。034 は、コンソール ODT の終了を意味します。
次に、GP CODE 014 が生成されます。014 は、バスリセット信号のアサートを意味します。

この部分の信号キャプチャの様子を下図に示します。

初期化時の出力信号 GP CODE 034 および 014

赤のマーカーが GP CODE 034、白のマーカーが GP CODE 014 です。
AIO は 0101 となり、GP word write (汎用ワード書き込み)を示しています。

フローチャートに戻ると、次は、63 マイクロサイクル分の遅延となっています。その後、GP CODE 214 が生成され、MMR0 と MMR3 がクリアされます。

下図の、白のマーカー部分が GP CODE 214 です。214 はバスリセットのネゲートを示します。
MMR0 と MMR3 のクリアの様子は、出力信号からはわかりません。

初期化時の出力信号 GP CODE 224

その後、600 マイクロサイクルの遅延があり、PIPQ (プログラム割り込み要求) レジスタと FPS (浮動小数点状態) レジスタがクリアされます。
その後、GP CODE 002 を生成し、パワーアップモードの設定値を読み込み、POK (Power OK) フラグが 1 になるまでループします。

下図の白マーカー部が、PIPQ レジスタのクリアを示します。DAL が PIPQ レジスタのアドレス 17777772 、AIO は 0001 BUS word write となっているのがわかります。
赤マーカー部が GP CODE 002 です。黄色マーカー部で、今回の実装では不定値になります。00000004 なので、POK (最下位ビット) は 0 となり、GP CODE 002 の生成を繰り返します。

初期化時の出力信号 PIPQ クリア および GP CODE 002

参考文献

DCJ11 Microprocessor User's Guide, 8.3 POWER-UP AND INITIALIZATION, 1983

DEC Semiconductor Databook, Initialization, pp 1-277, 1986

DEC Semiconductor Databook V1, Initialization, pp. 1-283, 1987

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