心は消耗品(歯磨き粉)

「心は消耗品」だなんて陳腐な言い回しだけど、そうとしか言いようのない現象が度々起こる。

もう好きだった人を思って詞は書けないし、好きだった曲に泣くことも出来ない。浴びせられた酷い言葉に傷を増やされることもない。

色々な種類の心を持ち合わせている。
甘かったり、苦かったり、美味しかったり、美味しくなかったり、時には不良品だったりする。
いくつも消費して、使い切って、使いきれずに捨てたりもして、新たな心を開封する。
心を、歯磨き粉みたいに使う。
私を掃除するために使う。

もう優良な歯磨き粉しか使いたくないと思う。
苦いのは嫌だし、痛いのも嫌だ。
甘くていい匂いのする歯磨き粉が好きだ。
ちょっと高いものなら尚いい。

心の安売りはしない。
500円弱の、美味しい歯磨き粉みたいな心だけ持っていたい。


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