読書記録⑮「ドールズ【全5冊 合本版】 」

高橋克彦著
『ドールズ』『闇から覗く顔』『闇から招く声』『月下天使』『最終章 夜の誘い』

職場の人に勧められて読んだ、ホラーミステリーのシリーズ物。歴史に関する記述も多く、日本史が好きな方にもおすすめです。文章は難しくないのに昔の言葉がわからず、私は何度も辞書を引きました(笑)

主要な登場人物は同じでストーリーに一貫性もあるのだが、それぞれの作品の持つ雰囲気が異なる不思議な物語だった。

『ドールズ』『闇から覗く顔』は探偵物のような感じで、いわゆる「謎解き」を楽しむ感覚だった。
実はこのシリーズを勧められたときに、少しネタバレ的要素を伝えられていたのだが、それでも問題なく楽しめた。読ませる文章だと思う。グロテスクな場面の描写もあるが、ホラーよりはミステリー寄りなのがこの最初の2作。

そして『闇から招く声』は、その流れで謎ときをしていたら「えっ!?」と予想外の展開に話が進む。急に猟奇的!急にホラー(グロ?)!内容については詳しく書けませんが…明らかに前作までとは違う展開になっていくのがこの作品。

そして『月下天使』『最終章 夜の誘い』は、続き物になっていて、『闇から招く声』からも話が繋がっているので、後半3作品はもはや前2作とは別のシリーズと言ってもいいくらいテイストが違う。

だんだん冒険物?SF?という感じで、まさかまさかの「化け物退治」がメインストーリー。私が読んでいたのは、ミステリー小説じゃなかったっけ?いつの間に冒険ファンタジーに?と多少困惑しつつも、やはり読ませる文章でぐいぐい進んでいく。
しかも、かなり知略的に退治しようとするので、妙に冷静な展開が面白い。めちゃくちゃなのに、嘘っぽくない。

結末は広義のハッピーエンドなので、安心して読んでください!私はこういう終わり方が結構好き。

5冊いっぺんに買ってよかった!先が気になってどんどん読めました。月並みな感想ですが、本当に面白かったです。

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