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11巻読んだら主題歌「勇者」がたのしみになってきた

「葬送のフリーレン」のOP主題歌をYOASOBIが歌うと発表されたときは胸が高鳴った。と同時に戸惑いも覚えた。曲名が「勇者」だったからだ。

推しの子はアイドル、水星の魔女は祝福、BEASTARSは怪物。YOASOBIの楽曲は主題をそのまま表したストレートな名付けが多い…気がする。だから勇者という曲名にはなんで?と思わずにはいられなかった。アニメ放送開始の1週間前に発売された最新刊の11巻を読むまでは。

 

葬送のフリーレンに勇者は登場する。勇者ヒンメル、戦士アイゼン、僧侶ハイター、魔法使いフリーレンの4人が10年かけて魔王を討ち倒し平和をもたらすのだが、「葬送のフリーレン」の物語はその討ち倒したところからはじまり、その過程は最初に明かされない。そして勇者は早々に退場する。魔物に殺されるのではない、逃れることの出来ない寿命によって。

勇者ヒンメルの死から◯◯年
この書き出しが何度も、何度も、使われる

勇者が大きな存在だったことはフリーレンが道中出会う人々との会話や自身の回想からうかがい知ることができる。でも、そうだとしても、この物語の主役は、エルフで魔法使いなフリーレンだと思っていた。

なので、OP主題歌はフリーレン視点の曲であってほしいと願っていたのだけど、発表された曲目は「勇者」

なんで!死んでるのに!いまとなっては過去の人でしょう!

ずっとそう思っていたのだけど、アニメ放送1週間前に発売された最新刊11巻を読み終えて、気持ちが変わった。

11巻まで長いプロローグだったのかもしれない。
描かれないできたものがこれから見られるんだ。

いよいよ放送を明日に控え、放送直前の復習にと全話無料公開されていたので、紙もいいけどスマホで見るのもいいかなと1話から読み返してみた。

久々に最初から読み返してみると気づくことも多い。その中のひとつに「勇者ヒンメルならそうしただろう」というセリフがほんとうにたくさんでてくる。

葬送のフリーレンは、フリーレンが人を知る物語なんだけど、フリーレンにそのきっかけを与えたのはきっと勇者ヒンメルにあったんだろうなぁと、読み返したら強く思うようになった。

葬送のフリーレンという作品を知ってマンガを購入したきっかけは文春オンラインのこの記事だった。

フェルンのこの表情見たら、どんな世界観・空気感なんだろうと気になって、書店へ駆け込んで1巻だけ買った。読み終わったらもう一度書店へ駆け込み残り全部買ってしまった。

葬送のフリーレンは最近の漫画には珍しく、吹き出しに句点が使われているんだよね。読点の打ち方も明確な意図を持ってリズムを作っているように感じられる。まる1ページセリフがないこともしばしばあって、行間を読み取って想像する余地があるのも、小説的だなって思った。アニメでも存分に「間」を無駄遣いしてほしいと願っている。
 

祝福も物語が進むほど歌詞の理解できる範囲が増えていった。今回もきっとそうに違いない。
 
明日9月29日。いよいよ放送開始。
YOASOBIの紡ぐ「勇者」の歌詞とメロディー。
アニメ本編とともにたのしみ。

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