セル画の魅力!!セル画特有の表現方法は厚みと奥行!
セル画にしかできない方法がある
アナログ絵というと色んなジャンルの描き方がありますがその中でも一際特殊なアナログ絵の一つが『セル画』
そして、『セル画』にはどんなアナログ絵でも出せない『セル画の特有の世界』を生み出すことができるのもファンが尽きない理由でしょう。
今日はその魅力の一つセル画にしかできない「表現方法」と「魅力」を紹介
20年ぶり!厳しい条件下で出来上がったセル画
お世話になっている方に依頼させれたのがセル画を再開したきっかけでした。当時はほとんどの道具が無い状態。
セル画で使っていた専用のセル絵具も特殊すぎ一般絵具では対応不可。
まずは代用品を探し実験・検証の日々
元セル画製作者として『もどき』や『セル画風』ではなく『本物のセル画』を作りたい!
同時に探してきた道具や特に絵具には経験者として納得できず、
中でも解決に最も難易度が高いのが「セル絵具」
なかなかセル画を作るための条件が揃うものがありませんでした。
たくさんの画材を買い漁り、トライアンドエラーの試行錯誤の中で作った1枚のセル画。
持ち色の色数も少なく手元の色を混ぜてなんとか作りました。
物理的に奥行きを出せるのがセル画
限られた状況でしたがキャラクターと背景の2枚に分けました。
『どうしてわざわざ2枚にするの?』そんな声が聞こえそうです。
「厚み」と「奥行」それはセル画独特の存在感
一枚でも『存在感』があるのがセル画の特徴!
セル画にしか出せない表現方法の一つは
ある程度の画力があれば一枚の平面状で奥行きを出す事は可能です。しかし、今回の『奥行き』で出したい表現は『厚と深さ』
これ、どんなアナログ絵の中でもここまで「絵としての厚み」を出せるのはセル画ならではであり強みでもあります。
今回はその厚みを物理的にしました。その方法は至って簡単です。それにはまず簡単なセル画の知識が必要です
セル画の作り方
セル画の作り方は
「透明フィルム(生セルと言います)」に
セル絵具で主線を描いて
裏からセル絵具で塗り
ひっくり返し表から見ると出来上がり
という仕組みです。
1 透明フィルムに主線を描く(引く)
2 裏から順にセル絵具で塗る
塗る時は順番
影
小さな箇所
色が濃い箇所
から塗り
ノーマルカラー(広範囲の色など)で塗り上げる
3 絵具が乾いたらひっくり返す
ここまでは一枚の作り方。セル画は一枚でも存在感がしっかり出るのですがこからが今回の目的セル画としての厚みをより引き出す
セル画にしかできない厚み!その2
枚数を重ねることもセル画の基本
別セル画を重ねることで厚みを生み出す!
セル画特有の作り方でもある「あえて厚みを生み出す」
わざとフィルム1枚分の厚みを作り背景は別のフィルム(生セル)で作成することで別階層を作ります。
紙を重ねた時のイメージだとこうですね
背景セル画を別に作成
セル画の良いところは枚数を重ね合わせて作ることもデフォルトということ。「セル画は一枚もの」という印象をあなたもありませんでしたか??
セル画を作成するための『フィルム』これを『生セル』と言います。生セルは重ねることを前提に発展してきた極めて透明度の高いフィルム!
元来セルアニメを作る基本は眼、口、前髪などパーツ分けされたセル(セル画)を重ね合わせて一枚ずつ組み替え撮影することでキャラが動きます。
『重ねることはセル画にとってデフォルト』なのです。この方法を『組セル』と言います
今回はこの方法を利用しました。
組せるにするメリット・デメリット
これは背景含めて一枚のフィルムに仕上げたもの
違いがわかりますか??セル画の階層が違うことで臨場感も出ます。絵具の発色具合も変わります
アナログ絵なのに階層が作れる!
階層を作ることで物理的な奥行・絵としての奥行・厚みを作ることができる
これはセル画ならでわの特権
2枚ができたら組セル時の注意点に気をつけながらキャラクターと背景のセル画を重ね合わせて額装して完成です
今回注文してくれたこのセル画のオーナーさんは家の入り口である玄関に飾ってくれてて来た人みんなにびっくりされるそうです
デジタルだと合成するので最終的に一枚モノになります。紙ベースだと色を上に重ねて滲ませたり・・・
どれも捨てがたいがわざと厚みを出せる事ができるのはセル画の魅力であり強みだ
まとめ
絵としての厚みを出せる。
奥行きが出る
存在感がしっかりある
キャラと背景を別のセル画で作る(組セル)にすることで厚みと存在感をさらに上げれる
余談ですがセル画っぽいモノ、セル画風色んなものがあります。
どれも皆さんたくさんの工夫をしてて逆にセル画製作者としてその発想なかった!勉強になることが大変多くあります。
反面、それは違うんだけど・・・・
そこはこうするともっと良いんだが・・・
いやいや!それやめてぇ〜〜
そう思うことも多くあります
そして一番の問題は『正しいセル画の知識・正しい作り方』の記録がどこにもない!ということ。
うさか自身は知識も経験があるので知人に聞かれ解りやすく伝えようと専門書・ネット上可能な限り探しましたが「セル画の正しい知識・正しい作り方」には、出会えませんでした。(2020年に再開し2024年現在も見つかっていない)
セル画文化を途絶えさせないために、情報を少しづつ記載していこうと思います。
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