うさぎがなりやすい病気の一つ。不正咬合ってどんな病気?
不正咬合は、歯の噛み合わせが悪くなってしまう病気でうさぎがなりやすい病気の一つです。
伸びすぎた歯が口の中の色んなところに当たったり、刺さってしまい痛くてご飯が食べられなくなってしまいます。
治療しないでいると、ご飯を食べるたびに痛い思いをしてしまいますし、伸びた歯により顎の形も変形してしまうことがあります。
不正咬合になってしまう原因や症状、治療についてのお話をしたいと思います。
不正咬合はどのようにして起こるのか
うさぎの歯は人間と違って生涯伸び続けます。
前歯は一年で10~12cm、一週間に2mm伸びます。
うさぎはご飯を食べる時、石うすのように歯をすり合わせて、ご飯をすり潰し、唾液と混ぜて飲み込んでいます。
この時に歯もすり減って、歯が伸びすぎるのを抑えています。
噛み合わせが悪くて歯をすり減らすことができず、歯が伸びすぎてしまうことで不正咬合は起こります。
不正咬合が起こる原因として、生まれつきの顎の形で起こる場合と、後天的な要因とがあります。
後天的な要因としては
・ケージの柵など、固いものをかじって歯に強い負荷がかかることで歯がずれてしまう。
・牧草をあまり食べずにペレット中心の食生活だと、本来のうさぎの歯の動きとは違うので徐々に奥歯の噛み合わせが悪くなってしまう。
不正咬合の症状
・食欲低下
伸びた歯が口の中に当たってしまい、痛くてご飯が食べられなくなります。
ご飯が食べられなくなることでうんちが小さくなる。
・よだれが出ている
痛みで唾液を飲み込めず、よだれで口の周りが濡れている状態が見られます。
・涙が出る
伸びた歯の根元が鼻涙管を圧迫して涙目になることがあります。
・顔が腫れる
歯の根元が炎症を起こし、顔が腫れることがあります。
不正咬合にならないようにするには?
牧草を常に食べられるようにしておきましょう。
草を食べる時に歯を石うすのようにすり合わせるのが本来のうさぎの顎の動きです。
牧草中心の食事で、自然に歯を消耗させることができ噛み合わせが悪くなるのを防ぐことができます。
ケージを噛んでしまう場合は、噛まないようにカバーをしたり、かじり木で柵をガードしたりと工夫してみるのもいいですね。
不正咬合になってしまったら?
不正咬合の症状が見られたら、早めにかかりつけ医に相談しましょう。
対処が遅くなると、ご飯が食べられなくなり、体の小さなうさぎにとって命に関わる状態になってしまうこともあります。
不正咬合の治療は、獣医さんに歯をカットしてもらうこと。
個体差はありますが、月1回くらいのペースでカットする必要があります。
一度にカットする本数に決まりはないので、一回で全ての歯をカットしてしまう場合もありますし、うさぎに過度なストレスがかからないよう、様子を見ながら数本ずつカットする場合もあります。
奥歯をカットする際や、暴れてしまってカットするのに危険が伴う場合は、麻酔の使用を勧められることもあります。
伸びすぎた歯によって傷ついてしまった口内の痛みは、歯をカットしてもしばらく持続します。
痛み止めを飲んで痛みをコントロールすることもあります。
歯の根元に炎症が起こってしまった場合は、抗生剤を投与したり、歯の根元を切開して膿を出す治療を行います。
不正咬合は一度なってしまうと完治が難しい病気ですが、定期的に歯をカットし、牧草中心の食生活を心がけることで、カットの間隔を延ばすことができたり、徐々に治ることもあります。
まとめ
うさぎがなりやすい病気の一つである不正咬合についてお話しました。
人間も口の中が傷ついたり、口内炎ができると、痛くて不快であるように、うさぎにとってもとても苦しいことです。
また、うさぎは苦痛や痛みがストレスとなって胃腸の動きが悪くなり、うっ滞など別の病気を引き起こしてしまうこともあります。
不正咬合にならないよう予防することが大切ですが、もしなってしまった場合できるだけ早く病院に連れていって、口の中が傷つく前に治療してあげられるといいですね。
講師:natsuha
うさぎ飼い歴6年の主婦。現在に至るまでハムスター、モルモット、セキセイインコにプレコといったエキゾチックアニマルと共に過ごしてきた。現在はロップイヤーうさぎの女の子と一緒に暮らしている。Instagramにてうさぎとの日常を更新中。うさぎ仲間との交流の中で情報収集し、うさぎがハッピーに暮らせるように試行錯誤中。
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