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日本にも生息する!野うさぎの生態と注意点

野兎

うさぎは大きく分けると「野うさぎ」「アナウサギ」の二種類に分けられます。
ペットとしてよく飼われているのは後者のアナウサギで、
ペット用に販売されているうさぎの種類のほとんどはこのアナウサギの品種を改良したり、派生していったものです。
対する「野うさぎ」は、文字どおり野生に生きるうさぎ。
野生のうさぎと聞くと、ピーターラビットのように海外によくいるイメージがありますが、
実は日本国内にもたくさん生息しているんです。

今回はこの「野うさぎ」の生態や、出会ったときにどうすればいいかという
対処法などについて特集してみました!

◆そもそも野うさぎって?

そもそも

「野うさぎ」ことノウサギ属は、
アフリカ、北アメリカ、ユーラシア、日本に分布するうさぎの一種です。

そのうち、日本に生息する野うさぎは、
「ニホンノウサギ」という茶色の毛並みを持つうさぎ。

ほとんどのニホンノウサギは農村や森に生息していますが、
まれに河川近くや標高の高い場所にも見られるそうです。

野生に生きているだけあって非常に警戒心が強く、
もちろん人前には滅多に姿を表しません。

また、「うさぎ追いしかの山……」というフレーズをご存知の方もいると思いますが、
昔の日本では、うさぎ肉はたいへんなご馳走でした。
そのためニホンノウサギはぐんぐんと数を減らし、
現在では準絶滅危惧種として指定されているとも言われています。

しかし、幼木や農作物をよく食べるという点から、
農家さんや林業の人からは「害獣」として見られており、
あまりに多すぎる地域では駆除が行われることも。

そんな状況なので、実際に見かけたことがあるという方は
かなり少ないかもしれませんね。
でも、だからこそ、道端でノウサギの子供を見かけた!という時に
慌ててしまわないように、事前にしっかり学んでおきましょう!


◆ノウサギの子どもを見つけたら

みつけたr


野うさぎは、保護などの特殊なケースでのみ飼育が許可されている野生動物です。
しかし、野生の子うさぎを見つけても安易に保護してはいけません!

まず、野うさぎは、小さな子供の頃でこそか弱く可愛らしい見た目をしていますが、
成長するとアナウサギ以上の大きさ・活発さになります。
市販のペットケージやおもちゃはいずれもアナウサギ用に作られているので、
野うさぎ向きではなく、思いもよらぬ結果に繋がってしまう可能性も。

また、「親うさぎが近くにいないから保護してあげよう」というのも実は危険。
野うさぎはそもそも、その性質上、親子がずっと近くにいるわけではないのです。
うさぎは非常に弱く、肉食動物に狙われやすいため、
固まって行動しているとより捕食されてしまう危険があります。
そのため野うさぎは本能的に、巣や子どもに近付くのは極力避けるようにしているのです。

「親うさぎが近くにいない」のは、
「たまたまその時間に親うさぎがいなかっただけ」かもしれません。
野うさぎを保護するかの判断は、できるだけ慎重に行いましょう。

保護の判断がつかない場合や、どうすればいいかわからないという時は、
各都道府県・政令指定都市に鳥獣保護を担当する課が存在するので、
まずは行政に連絡してみましょう!
状況を説明すれば、その時々に合わせた対処法を教えてくれるはず。

◆年々減少するノウサギ

ノウサギ

食用目的での乱獲、里山の減少などにより
ノウサギは年々その数を減らしており、絶滅の危機にも瀕しています。

警戒心が薄く、小さくて懐っこい子うさぎは、つい触ったり保護したりしたくなりますが、
相手はペットのアナウサギとは違い、本来野生の中で生きるべき動物です。
可能な限り触れないようにしたり、行政の鳥獣保護担当課に連絡して判断を仰ぎましょう!

講師:岸本

幼少期に訪れた動物園で白い毛のロップイヤーラビットを見て「天使みたいな生き物がいる!」と電撃が走って以来うさぎに夢中。
今では自他共に認めるうさぎ好きで、「うさぎの魅力を語っていたら聞いていた相手もうさぎ好きに」「プレゼントをもらう機会があると何も言わずとも皆うさぎグッズを買ってくる」「友人がうさぎ柄のグッズを見て「あっ、岸本さんだ」と言い出す」などのエピソードを持つ。趣味はうさぎのぬいぐるみ集め。


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